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後日談 エリック編 お兄様、全年齢ですよ?!元兄の愛に溺れそうです!!
10 新たな始まり
しおりを挟む「ねぇ? エリック?
あの島ってどこかしら?」
私は望遠鏡から見える青い海の先にある島を眺めながら言った。
するとエリックが私の横からヒョイと望遠鏡を覗いた。
「あ~。距離を考えると先日国交を結んだというニルア協和国ではないか?」
私はエリックの肩に寄り添いながら言った。
するとエリックは私に優しい微笑みを向けてくれた。
「じゃあ、次はあそこに行って面白いものを見つけて来ましょうか?」
音感抜群のエリックはなんと語学の才能も天才的だった。
次々に語学を習得し、今では世界中でもエリック以上に語学を習得した人はいないかもしれない。
そんなエリックと2人で私は世界中を大好きなエリックと大切なヴァイオリンと共に外交を兼ねて演奏会を行っている。
音楽の力は本当に凄い。
どこに行っても『よかった』『素晴らしい』と言われる。
おかげで、我が国に留学してくる人も増え、活気のある国になっている。
それもこれもエリックが私のそばにいてくれているからなのだが。
エリックと共に奏でる音楽はすでに私の身体の一部のようになっている。
もうこの音がないと私は本気で生きていけないかもしれない。
あれから私とエリックの間には2人の子供が出来た。
とても元気な男の子が2人。
私たちは、その元気な王子に国を任せるために、王位継承権を性別に関係ないように制定した。
そして、王族の多すぎる負担を減らすために、政治や司法を貴族や民から選ぶ議会制度を作った。
おかげで早々に王位を退いた私とエリックは、我が国の音楽教育の宣伝のために世界中を旅していた。どの国に行っても王族の方から『自由で羨ましい』と言われる。
これもすべてはエリックと私を支えてくれたみんなのおかげだ。
とても2人の息子がいるとは思えないほど、エリックはずっと変わらずカッコイイ。
私は一体いつまでエリックを好きになればいいのか、終わりが見えなくて怖いくらいだ。
そんな素敵なエリックは今日も私の隣で笑ってくれている。
「ベルの望むままに」
そうして私たちは口付けたのだった。
今、私の手元にあるのは、少しの荷物と長年連れ添っているヴァイオリン。
そして隣に並び同じ風景を見ているのは、最愛の夫エリック。
私は隣に立つエリックに寄り添いながら呟いた。
「あなたに出会えてよかった」
するといつもようにエリックは嬉しそうに目を細めて私の唇に唇を重ねて呟く。
「私もだ」
青い空に大きな雲。
心地良い風に抱かれて私たちは寄り添っていたのだった。
レアリテ国 女王ベルナデット、王配エリック。
2人の王子に恵まれる。
投票制の議会制度をどの国よりも早くに確立。
王位継承権の法から『女系女子』の一文を削除。
これによりレアリテ国建国以来初の男性の国王が誕生。
第一王子が音楽学校を卒業したと同時に王位を譲り、世界中を演奏旅行をしながら外交を行う。
彼女の息子であるべリック陛下の治世。
この国は最も多くの友好国と国交を結び、過去に類を見ないほどの進化を遂げた。
――……レアリテ国変遷史より抜粋
エリック ルート 【 ルートオールクリア!! 】
ーーーーーーーーーー
皆様。
本当に、本当に、本当に長い間、ベルナデットにお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
この話を書き出した当初はこれほど長い物語になるとは思わず……。
感想やお気に入りに支えられていました。
皆様には感謝しかありません。
本当にありがとうございました!!
また皆様にお会い出来ることを願っています。
2022.4.29 たぬきち25番
応援ありがとうございます!
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