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後日談 クリストフ編 新婚旅行へ行こう!
5 いつもと違う朝
しおりを挟む皆様には日頃より大変お世話になっております。
そんな皆様に、大変重大な発表がございます。
聞いて頂けますでしょうか?
それでは発表致します!!
わたくし、ベルナデット!!
昨夜……。
――……大人の階段を上ってしまいました~~~~!!
具体的にクリス様とナニをしたのか説明できないヘタレな私をお許し願いたいのですが……。
なんと言いますか……全年齢対応で説明致しますと……。
初めは階段を登った感じで(恥ずかしさとか嬉しさとか不安とか痛みとか……とにかく未知でただ手探りで進む感じ)
最終的には階段を昇った感じだったんです!!(全てを乗り越えて幸福感と安堵感と達成感に包まれる感じ)
……すみません。混乱しました。
(わからない方、大変も申し訳ございませんがこれが私の限界です。どうかご勘弁を。)
(わかって下さった方、素晴らしい読心術です!! もうあなたは超能力者レベルですね)
そう!! 今日の私は、昨日までの私とは違うのです!!
それでは、大人の階段を無事に上った私がこちらです!!
どうぞ~~~~。
「べ、ベル……その……今日はいい天気だね」
クリス様がカラのカップを口に運びながら言った。
「そ、そ、そうですね……ク、クリス様……」
私もぎこちなく答えた。
私たちはお互い真っ赤な顔で目を合わせられずに部屋で朝食をとっていた。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
長い沈黙の後、クリス様が口を開いた。
「ベル……その……身体は大丈夫?」
私は急いで答えた。
「へ? か、か、か、身体は大丈夫です!! クリス様はとても丁寧で。大変お優しかったので!!」
「え? あ、そ、そっか……よかった」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
そうして私たちはまた真っ赤になってしまいました。
実はクリス様にこの「身体は大丈夫?」と聞かれるのはもう何度目かわからないのですが……。
私がチラリとクリス様の方を見ると、クリス様を丁度私を見たようで、目が合うと2人で真っ赤になって、静かにそらす。
そして、またチラリと見て目が合うと真っ赤になって静かにそらすということを繰り返すこと数時間。
――……居たたまれません!!!
私が恥ずかしくて、どうしたらいいのかわからずに困っていると、クリス様が困ったように声を上げた。
「あ~その。これは存外恥ずかしいものだね……」
「そうですね」
私もクリス様の言葉に同意した。
するとクリス様が首まで真っ赤にして言った。
「気分を変えて、船の中を見て回る?それとも……」
クリス様が目を泳がせながら言った。
「もう少し慣れるまでスル?」
「え?」
私は突然の選択に戸惑ってしまった。
・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
そして、口を開いた。
「今は、お昼なので船を見て……それで夜にイタシマス」
そう答えるとクリス様が目の前で震え出した。
「ベル……聞いておいて本当に申し訳ないけど…船の見学は無理かも……。
今の答えで、夜まで待てなくナリマシタ。ゴメン」
・
・
・
その後、私たちはずっとベットの中で過ごすことになり、結局、船を見学しないままレアリテ国に到着することになってしまった。
船を降りる時にクリス様が少し困った顔で言った「ベル……余裕なくごめんね」というセリフを聞いて、私は恥ずかしくて顔を真っ赤にしてしまった。
船は帰りにゆっくり見学することにしようと思う。
私たちは船の中でこれまで離れていた時間を埋めるために存分に愛し合ったため、船を降りる頃には、初めての朝のようなぎこちなさが減っていた。
まだ慣れてはいないが……。
そうして、レアリテ国に着いた私たちは女王陛下からの迎えの馬車に乗ってレアリテ国の女王陛下の待っている城に向かったのだった。
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