86 / 86
番外編
お気に入り2000感謝SS【相互壁ドンの威力】
しおりを挟む
※この物語の時間軸は、本編より若干進んでいるのですが、第六章が終わり、きりがよく、ネタバレも特にないので、公開致します。
本編とは違いコメディですので、『世界観を崩したくない』という方は、見ないことをおすすめ致します。
『大丈夫!!』という方だけどうぞ!!
↓
↓
――――――――――
今日は、宝石の仕分けの仕事で、ランゲ侯爵家にお邪魔していた。
「シャルロッテ、そろそろ昼休憩にしないか?」
ゲオルグに言われて、私は、宝石を確認するためのルーペから顔を上げて答えた。
「そうね。どう? エイド」
「はい。丁度、書類の確認が終わりました。ただ……俺は、午後からの仕事のために、この辺りを片付けて向かいます。先に行って下さい」
「手伝いましょうか?」
「すぐに終わらせるので、大丈夫ですよ」
エイドの机の上を見ると、何なんらかの分類がしてあるように見えた。もしかしたら、下手に私が手伝わない方がいいのかもしれない。
「じゃあ、ごめんね、エイド。先に行っているわね」
「はい」
エイドが片付けてくれるというので、任せることにして、私たちは食堂に向かうことにした。
ゲオルグと2人で食堂に入ろうとしていると、エカテリーナが、丁度食事が終わったようで、入れ代わりに食堂から出てきた。
「あら、今から休憩? あ、そうだ。シャルロッテ。以前、あなたが読みたがっていた本を、書庫で見つけたの。今から少し時間はないかしら、私もこの後、王宮に行く用事があるから、きっとあなたが仕事が終わった頃には、ここにはいないと思うの」
「ありがとう、嬉しいわ。ゲオルグ、ごめんなさい、先に行って」
私は本を借りるために、ゲオルグに先に食堂に行くように伝えた。
「書庫だろ? 私も行こう」
すると、ゲオルグも同行してくれることになった。
「そう? じゃあ、3人に行きましょう?」
こうして私たちは、ランゲ侯爵家の書庫への向かった。
ランゲ侯爵家の書庫は、とても充実している。元々ランゲ侯爵家は、幅広い分野で活躍しているからか、戦略書や地形、防災、地質、土木、教育、農業など、本のジャンルも種類も豊富だった。
「え~と、この辺にあったのよね」
エカテリーナが、本を探していると、私は、棚の上の方に見覚えのある恋愛小説を見つけた。
「あ……」
「どうした? これか?」
私が立ち止まって、本棚の上に置いてあった本の背表紙を眺めていると、ゲオルグが本を取ってくれた。
「どうしたの~~? ああ、この本に興味があるの?」
エカテリーナが、ゲオルグの取った本を覗き込みながら尋ねた。
「これ、以前にエマと、恋愛イベントを知ろうとして、この本の中に書かれていたことを、試したことがあったのよ」
私の答えを聞いたエカテリーナが、目を輝かせながら言った。
「え? 何それ、面白そう。どういうこと?」
「ゲオルグ。貸してもらえるかしら?」
「ああ」
楽しそうなエカテリーナを見ながら、私はゲオルグから本を受け取って、ページを開いた。
――――――――――――
マリアは、背中を壁に押し付けられた。ジェームスは、マリアの顔の横に両手をついて、見下ろしなら、妖艶に微笑んだ。
「マリア、もう、逃がしませんよ」
マリアは、心臓が高鳴るのを押さえられなかったのだった。
――――――――――――
「ここなのよ。これがどうして恋愛イベントなのか、わからなくてやってみたの」
すると、エカテリーナとゲオルグが、本を読んだ。
「それで? わかったの?」
エカテリーナは、首を傾けなら尋ねた。
エマと試したときには、それほど変わらなかった。
だが、エイドと試した時には、心臓が跳ねた気がしたが、それが心臓の高鳴りなのかはわからなかったのだ。
「ん~~わかったような、わからなかったような……しっかりとわかったとは、言えないの。ごめんなさい」
私が曖昧に答えると、エカテリーナがゲオルグを見て、ニヤリと笑った。
「じゃあ、ゲオルグ、やってあげなさいよ」
「……別に構わない」
まさか、ゲオルグが引き受けてくれると思わなかったので、驚いてしまった。
てっきり呆れられるかと思っていた。
「え? ゲオルグがしてくれるの?」
「ああ。もう一度、本を貸してくれるか?」
「う、うん」
私がゲオルグに本を渡すと、ゲオルグは真剣に本を読んだ後に、「行くぞ?」と言った。
「お願いします」
私が答えると、急にゲオルグが私の手を取ると、壁に私の背中を優しく押し当てた。
(え?)
そして、両手を私の顔の横に着くと、美しく笑いながら言った。
「シャルロッテ、もう逃がさない」
顔が熱いし、心臓が早い。どうしよう、とにかく……。
「……恥ずかしい」
「……かなり、照れるんだが」
どうやら、ゲオルグと同時に同じ感想を持ったようだった。
ゲオルグの顔も真っ赤になっていたし、私も真っ赤になっていた。
とても恥ずかしくて、目を合わせられないが、これが心臓の高鳴りなのかは、わからない。
「どう? 心臓は高鳴ったの?」
「とても恥ずかしかったけど………これが心臓の高鳴り……なの……かしら?」
するとエカテリーナの声が聞こえた。
「なるほど、断定できるほどではないのね。じゃあ、今度は、逆で試してみたらどうかしら?」
「逆って?」
私が尋ねると、エカテリーナが本を見ながら言った。
「これは、見下ろしなら言ったのでしょ? ゲオルグを壁に押しやって、シャルロッテが見上げながら言ったらどうかしら?」
「なるほど……やってみてもいい?」
私は、ゲオルグを見ながら尋ねた。すると、ゲオルグはあっさりと頷いて返事をしてくれた。
「ああ」
今度は、ゲオルグが壁際に移動した。
私はゲオルグの腰の横辺りに両手を着くと、ゲオルグを見上げて、言った。
「ゲオルグ、もう逃がさないわ」
その瞬間、ゲオルグに抱きしめられていた。
「え?」
「ちょっと!! ゲオルグ何してるのよ!!」
エカテリーナが、大きな声を上げると、ゲオルグが、はっとしたように私から離れた。
そして、真剣な顔で私の両肩を掴みながら言った。
「シャルロッテ、これはダメだ。危険すぎる。可愛くて仕方なくて、理性が呆気なく崩壊して、抱きしめてしまった。シャルロッテ、いいか、絶対にこれは、私以外にしてはダメだ」
「あなたが一番危険でしょ?」
エカテリーナが、ゲオルグの手を私の肩から外しながら言った。
「悔しいが、姉の言う通りだ。これは危険すぎる。恋愛イベントどころか、強力な媚薬だ。心臓が高鳴るどころか、破けるかと思った」
そう言って、ゲオルグは、深呼吸をすると、急いで本を本棚にしまった。
「え、ええ。気をつけるわ」
「そうしてくれ」
どうやら、これはマネをしてはいけないほど、危険なことだったらしい。
私は、この恐ろしい結果を、エマにも報告しようと誓ったのだった。
本編とは違いコメディですので、『世界観を崩したくない』という方は、見ないことをおすすめ致します。
『大丈夫!!』という方だけどうぞ!!
↓
↓
――――――――――
今日は、宝石の仕分けの仕事で、ランゲ侯爵家にお邪魔していた。
「シャルロッテ、そろそろ昼休憩にしないか?」
ゲオルグに言われて、私は、宝石を確認するためのルーペから顔を上げて答えた。
「そうね。どう? エイド」
「はい。丁度、書類の確認が終わりました。ただ……俺は、午後からの仕事のために、この辺りを片付けて向かいます。先に行って下さい」
「手伝いましょうか?」
「すぐに終わらせるので、大丈夫ですよ」
エイドの机の上を見ると、何なんらかの分類がしてあるように見えた。もしかしたら、下手に私が手伝わない方がいいのかもしれない。
「じゃあ、ごめんね、エイド。先に行っているわね」
「はい」
エイドが片付けてくれるというので、任せることにして、私たちは食堂に向かうことにした。
ゲオルグと2人で食堂に入ろうとしていると、エカテリーナが、丁度食事が終わったようで、入れ代わりに食堂から出てきた。
「あら、今から休憩? あ、そうだ。シャルロッテ。以前、あなたが読みたがっていた本を、書庫で見つけたの。今から少し時間はないかしら、私もこの後、王宮に行く用事があるから、きっとあなたが仕事が終わった頃には、ここにはいないと思うの」
「ありがとう、嬉しいわ。ゲオルグ、ごめんなさい、先に行って」
私は本を借りるために、ゲオルグに先に食堂に行くように伝えた。
「書庫だろ? 私も行こう」
すると、ゲオルグも同行してくれることになった。
「そう? じゃあ、3人に行きましょう?」
こうして私たちは、ランゲ侯爵家の書庫への向かった。
ランゲ侯爵家の書庫は、とても充実している。元々ランゲ侯爵家は、幅広い分野で活躍しているからか、戦略書や地形、防災、地質、土木、教育、農業など、本のジャンルも種類も豊富だった。
「え~と、この辺にあったのよね」
エカテリーナが、本を探していると、私は、棚の上の方に見覚えのある恋愛小説を見つけた。
「あ……」
「どうした? これか?」
私が立ち止まって、本棚の上に置いてあった本の背表紙を眺めていると、ゲオルグが本を取ってくれた。
「どうしたの~~? ああ、この本に興味があるの?」
エカテリーナが、ゲオルグの取った本を覗き込みながら尋ねた。
「これ、以前にエマと、恋愛イベントを知ろうとして、この本の中に書かれていたことを、試したことがあったのよ」
私の答えを聞いたエカテリーナが、目を輝かせながら言った。
「え? 何それ、面白そう。どういうこと?」
「ゲオルグ。貸してもらえるかしら?」
「ああ」
楽しそうなエカテリーナを見ながら、私はゲオルグから本を受け取って、ページを開いた。
――――――――――――
マリアは、背中を壁に押し付けられた。ジェームスは、マリアの顔の横に両手をついて、見下ろしなら、妖艶に微笑んだ。
「マリア、もう、逃がしませんよ」
マリアは、心臓が高鳴るのを押さえられなかったのだった。
――――――――――――
「ここなのよ。これがどうして恋愛イベントなのか、わからなくてやってみたの」
すると、エカテリーナとゲオルグが、本を読んだ。
「それで? わかったの?」
エカテリーナは、首を傾けなら尋ねた。
エマと試したときには、それほど変わらなかった。
だが、エイドと試した時には、心臓が跳ねた気がしたが、それが心臓の高鳴りなのかはわからなかったのだ。
「ん~~わかったような、わからなかったような……しっかりとわかったとは、言えないの。ごめんなさい」
私が曖昧に答えると、エカテリーナがゲオルグを見て、ニヤリと笑った。
「じゃあ、ゲオルグ、やってあげなさいよ」
「……別に構わない」
まさか、ゲオルグが引き受けてくれると思わなかったので、驚いてしまった。
てっきり呆れられるかと思っていた。
「え? ゲオルグがしてくれるの?」
「ああ。もう一度、本を貸してくれるか?」
「う、うん」
私がゲオルグに本を渡すと、ゲオルグは真剣に本を読んだ後に、「行くぞ?」と言った。
「お願いします」
私が答えると、急にゲオルグが私の手を取ると、壁に私の背中を優しく押し当てた。
(え?)
そして、両手を私の顔の横に着くと、美しく笑いながら言った。
「シャルロッテ、もう逃がさない」
顔が熱いし、心臓が早い。どうしよう、とにかく……。
「……恥ずかしい」
「……かなり、照れるんだが」
どうやら、ゲオルグと同時に同じ感想を持ったようだった。
ゲオルグの顔も真っ赤になっていたし、私も真っ赤になっていた。
とても恥ずかしくて、目を合わせられないが、これが心臓の高鳴りなのかは、わからない。
「どう? 心臓は高鳴ったの?」
「とても恥ずかしかったけど………これが心臓の高鳴り……なの……かしら?」
するとエカテリーナの声が聞こえた。
「なるほど、断定できるほどではないのね。じゃあ、今度は、逆で試してみたらどうかしら?」
「逆って?」
私が尋ねると、エカテリーナが本を見ながら言った。
「これは、見下ろしなら言ったのでしょ? ゲオルグを壁に押しやって、シャルロッテが見上げながら言ったらどうかしら?」
「なるほど……やってみてもいい?」
私は、ゲオルグを見ながら尋ねた。すると、ゲオルグはあっさりと頷いて返事をしてくれた。
「ああ」
今度は、ゲオルグが壁際に移動した。
私はゲオルグの腰の横辺りに両手を着くと、ゲオルグを見上げて、言った。
「ゲオルグ、もう逃がさないわ」
その瞬間、ゲオルグに抱きしめられていた。
「え?」
「ちょっと!! ゲオルグ何してるのよ!!」
エカテリーナが、大きな声を上げると、ゲオルグが、はっとしたように私から離れた。
そして、真剣な顔で私の両肩を掴みながら言った。
「シャルロッテ、これはダメだ。危険すぎる。可愛くて仕方なくて、理性が呆気なく崩壊して、抱きしめてしまった。シャルロッテ、いいか、絶対にこれは、私以外にしてはダメだ」
「あなたが一番危険でしょ?」
エカテリーナが、ゲオルグの手を私の肩から外しながら言った。
「悔しいが、姉の言う通りだ。これは危険すぎる。恋愛イベントどころか、強力な媚薬だ。心臓が高鳴るどころか、破けるかと思った」
そう言って、ゲオルグは、深呼吸をすると、急いで本を本棚にしまった。
「え、ええ。気をつけるわ」
「そうしてくれ」
どうやら、これはマネをしてはいけないほど、危険なことだったらしい。
私は、この恐ろしい結果を、エマにも報告しようと誓ったのだった。
16
お気に入りに追加
2,340
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約者の心変わり? 〜愛する人ができて幸せになれると思っていました〜
冬野月子
恋愛
侯爵令嬢ルイーズは、婚約者であるジュノー大公国の太子アレクサンドが最近とある子爵令嬢と親しくしていることに悩んでいた。
そんなある時、ルイーズの乗った馬車が襲われてしまう。
死を覚悟した前に現れたのは婚約者とよく似た男で、彼に拐われたルイーズは……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
最愛の婚約者に婚約破棄されたある侯爵令嬢はその想いを大切にするために自主的に修道院へ入ります。
ひよこ麺
恋愛
ある国で、あるひとりの侯爵令嬢ヨハンナが婚約破棄された。
ヨハンナは他の誰よりも婚約者のパーシヴァルを愛していた。だから彼女はその想いを抱えたまま修道院へ入ってしまうが、元婚約者を誑かした女は悲惨な末路を辿り、元婚約者も……
※この作品には残酷な表現とホラーっぽい遠回しなヤンデレが多分に含まれます。苦手な方はご注意ください。
また、一応転生者も出ます。
私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜
みおな
恋愛
大好きだった人。
一目惚れだった。だから、あの人が婚約者になって、本当に嬉しかった。
なのに、私の友人と愛を交わしていたなんて。
もう誰も信じられない。
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
貴方の事を愛していました
ハルン
恋愛
幼い頃から側に居る少し年上の彼が大好きだった。
家の繋がりの為だとしても、婚約した時は部屋に戻ってから一人で泣いてしまう程に嬉しかった。
彼は、婚約者として私を大切にしてくれた。
毎週のお茶会も
誕生日以外のプレゼントも
成人してからのパーティーのエスコートも
私をとても大切にしてくれている。
ーーけれど。
大切だからといって、愛しているとは限らない。
いつからだろう。
彼の視線の先に、一人の綺麗な女性の姿がある事に気が付いたのは。
誠実な彼は、この家同士の婚約の意味をきちんと理解している。だから、その女性と二人きりになる事も噂になる様な事は絶対にしなかった。
このままいけば、数ヶ月後には私達は結婚する。
ーーけれど、本当にそれでいいの?
だから私は決めたのだ。
「貴方の事を愛してました」
貴方を忘れる事を。
釣り合わないと言われても、婚約者と別れる予定はありません
しろねこ。
恋愛
幼馴染と婚約を結んでいるラズリーは、学園に入学してから他の令嬢達によく絡まれていた。
曰く、婚約者と釣り合っていない、身分不相応だと。
ラズリーの婚約者であるファルク=トワレ伯爵令息は、第二王子の側近で、将来護衛騎士予定の有望株だ。背も高く、見目も良いと言う事で注目を浴びている。
対してラズリー=コランダム子爵令嬢は薬草学を専攻していて、外に出る事も少なく地味な見た目で華々しさもない。
そんな二人を周囲は好奇の目で見ており、時にはラズリーから婚約者を奪おうとするものも出てくる。
おっとり令嬢ラズリーはそんな周囲の圧力に屈することはない。
「釣り合わない? そうですか。でも彼は私が良いって言ってますし」
時に優しく、時に豪胆なラズリー、平穏な日々はいつ来るやら。
ハッピーエンド、両思い、ご都合主義なストーリーです。
ゆっくり更新予定です(*´ω`*)
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
それは報われない恋のはずだった
ララ
恋愛
異母妹に全てを奪われた。‥‥ついには命までもーー。どうせ死ぬのなら最期くらい好きにしたっていいでしょう?
私には大好きな人がいる。幼いころの初恋。決して叶うことのない無謀な恋。
それはわかっていたから恐れ多くもこの気持ちを誰にも話すことはなかった。けれど‥‥死ぬと分かった今ならばもう何も怖いものなんてないわ。
忘れてくれたってかまわない。身勝手でしょう。でも許してね。これが最初で最後だから。あなたにこれ以上迷惑をかけることはないわ。
「幼き頃からあなたのことが好きでした。私の初恋です。本当に‥‥本当に大好きでした。ありがとう。そして‥‥さよなら。」
主人公 カミラ・フォーテール
異母妹 リリア・フォーテール
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる