上 下
254 / 294
第六章 お飾りの王太子妃、未知の地へ

259.5 ラウル戦闘シーン

しおりを挟む
戦闘シーン追加

※▶

の箇所に挿入してお楽しみ下さい!!


それではスタートです!!


――――――――――――――――





 作戦が始まるとラウルは船と陸を結んでいる橋に向かった。
 そして、船の近くの見張りの場所までやってきた。

(見張りは二人だけか……警鐘もないな……私は囮だから目立った方が都合がいい。正面から突破するか……)

 ラウルは正面から堂々と中に入った。

「お前、誰だ!!」

 見張りの言葉はわからなかったが、二人の水賊の男に槍を向けられラウルは剣を抜いた。

 ラウルは一人の男の槍を剣で叩きつけて武器を破壊した後に、脇腹に剣の柄で一撃を入れて男を地面に沈めた。
 さらにもう一人の男の手に持っていた槍は剣で払い落として、間合いを一気に詰めて、男のみぞおちに蹴りを入れた。
 そして二人とも地面にあっさりと倒れた。
 まだ川上に火の手は上がっていないので、見張りもどこか気を抜いていたのだろう。

 ラウルは、見張りを難なく突破すると船と陸を結んでいる連絡通路まで来た。

 そしてしばらくすると川上から熱風を感じて炎が上がった。そして辺りに警鐘が鳴り響く。

「来たか……」

 ラウルは船と陸の上に立ち、船を背にすると船から出て来る賊を捕らえるために立ち塞がった。

「侵入者だ!! 川上に向かえ!!」

 男たちが川上に向かうその前にラウルが立ち塞がる。
 見渡すと、賊は十名ほど。

「こいつが侵入者か?」
「スカーピリナ国の兵ではないのか?」

 水賊たちはラウルを見て次々に剣を抜いた。
 彼らの言葉はやはりわからないが友好的な様子ではない。

(おそらく、誰かと問われているか、用件を問われているのだろうが……剣を抜いたら動くことにするか……)

 彼らが剣を抜くのを確認してラウルは剣を抜いた。

 ここは戦場ではない。
 誇り高きハイマ騎士団副団長のラウルは剣を持たぬ者に剣は向けないと誓いを立てていた。
 そして、剣と槍と斧を持った三人が同時にラウルに斬りかかって来た。

 ラウルは、まず槍を剣で思いっきり斧の持つ男に向かって払い落とした。
 すると槍はまるで弓矢のように斧を持っていた男の斧に命中する。

「ぐわっ!!」

 二つの武器がぶつかった反動で、槍は破壊され斧を持っていた男も斧を地面に落とした。
 その隙に剣の男の剣をかわし、剣の男を肘で攻撃して地面に倒した。

 そして武器を失った二人に剣を振り下ろし二人を一人ずつ気絶させた。

 ラウルが最強だと言われるのは身体能力の高さ。

 己の身体を自在に操り、怪力と速さを両立させる。
 そんな戦闘力のバランスが優れている彼の特技は、武器破壊。
 
 戦場において武器を失うことは、敗北を意味する。
 彼が副団長として率先して前線に出る一つの理由はこの武器破壊が可能だからというのもある。

「うらぁああ!!」

 ラウルに向かって二人の賊が剣で斬りかかって来た。
 そんな二人の剣を同時に受け止めたラウルは、二人の剣を自らの剣で支えながらも足で蹴り上げて、片方の賊の体勢を崩す、その隙に反対の男の剣を薙ぎ払い、剣で男の腹に一撃を入れる。

「う……」

 そして次に、最初に蹴りを入れた方の男の首に剣の柄で一撃を食らわせた。
 その間、数秒。一気に五人がラウルの前に倒れ込む。

「あいつが……」
「一瞬で……」

 どうやら向かって来た男たちは腕の立つ者だったようで、ラウルに向かってくる賊が一瞬怯んだ。
 ラウルは剣を下に向けて、男たちをじっと見ていた。
 決してラウルから攻撃を仕掛けるという様子はない。
 
 ラウルの視線に恐れを抱いて一歩下がった者たちの後ろから「何やってんだ!! 侵入者を追い出せ!!」と血気盛んな者たちが槍や刀を振り上げながらラウルに向かって来た。
 ラウルは向かってきた男の槍を弾き飛ばし、その槍が動かずにいた者たちの前にザクッと音を立てて刺さった。

 剣を振り上げた男の剣をいなし、肩に叩きつけた。
 そして槍で襲って来た男を同じく剣で叩き上げる。

 男は宙を舞い、地面に落ちた。
 
 ラウルは圧倒的な剣技を見せつけ敵を確実に地面に倒して行ったのだった。

 



――――――――――――――――


 お読み頂きましてありがとうございます。
 戦闘シーンをどうするかのは、現在本当に頭を悩ませている最中です。
 
 まだしばらく悩むことになるかと思います。
 皆様が楽しんで頂けるようにしたいと思いますので、御理解頂けますと助かります。

 それではよい一日を……

 たぬきち25番

 
しおりを挟む
感想 824

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。

婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。

桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。 「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」 「はい、喜んで!」  ……えっ? 喜んじゃうの? ※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。 ※1ページの文字数は少な目です。 ☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」  セルビオとミュリアの出会いの物語。 ※10/1から連載し、10/7に完結します。 ※1日おきの更新です。 ※1ページの文字数は少な目です。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年12月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

私達、政略結婚ですから。

恋愛
オルヒデーエは、来月ザイデルバスト王子との結婚を控えていた。しかし2年前に王宮に来て以来、王子とはろくに会わず話もしない。一方で1年前現れたレディ・トゥルペは、王子に指輪を贈られ、二人きりで会ってもいる。王子に自分達の関係性を問いただすも「政略結婚だが」と知らん顔、レディ・トゥルペも、オルヒデーエに向かって「政略結婚ですから」としたり顔。半年前からは、レディ・トゥルペに数々の嫌がらせをしたという噂まで流れていた。 それが罪状として読み上げられる中、オルヒデーエは王子との数少ない思い出を振り返り、その処断を待つ。

結婚して5年、初めて口を利きました

宮野 楓
恋愛
―――出会って、結婚して5年。一度も口を聞いたことがない。 ミリエルと旦那様であるロイスの政略結婚が他と違う点を挙げよ、と言えばこれに尽きるだろう。 その二人が5年の月日を経て邂逅するとき

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

不遇な王妃は国王の愛を望まない

ゆきむらさり
恋愛
稚拙ながらも投稿初日(11/21)から📝HOTランキングに入れて頂き、本当にありがとうございます🤗 今回初めてHOTランキングの5位(11/23)を頂き感無量です🥲 そうは言いつつも間違ってランキング入りしてしまった感が否めないのも確かです💦 それでも目に留めてくれた読者様には感謝致します✨ 〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。 ※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷

何でもするって言うと思いました?

糸雨つむぎ
恋愛
ここ(牢屋)を出たければ、何でもするって言うと思いました? 王立学園の卒業式で、第1王子クリストフに婚約破棄を告げられた、'完璧な淑女’と謳われる公爵令嬢レティシア。王子の愛する男爵令嬢ミシェルを虐げたという身に覚えのない罪を突き付けられ、当然否定するも平民用の牢屋に押し込められる。突然起きた断罪の夜から3日後、随分ぼろぼろになった様子の殿下がやってきて…? ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。