253 / 294
第六章 お飾りの王太子妃、未知の地へ
259 町の外れにて(2)2/3【戦闘シーンあり】
しおりを挟む
【戦闘シーンあり】
いつも読んで下さってありがとうございます。
今回、初めての試みで……
戦闘シーンですが具体的な戦闘描写を入れずに戦闘シーンをお届けいたします。
きっと戦闘シーンの苦手な方でも問題なくお読み頂けると思います。
↓それでは、本編スタートです。
――――――――――――――――
レオンと共にスカーピリナ国を常勝させてきた立役者の一人。
軍神レオンの片腕ともいわれるスカーピリナ国軍参謀レイヴィン・アイロネ。
旧ザウル国の国防を担っていたアイロネ伯爵領で、幼い頃から戦について学び続けたエリート。
彼の策はこれまで多くの仲間を救い、そして敵兵に畏怖されてきた。
そんなレイヴィン・アイロネが、スカーピリナ国に巣くう水賊の討伐のために知略を巡らせることになった。
いつもはお道化た彼の顔から笑みが消え……怜悧な軍師の顔が見えていた。
「確認したところ、彼らは騎馬を持たないことがわかっています。さらに、陸地には女性や子供という戦えない者たちも共も生活しています」
レイヴィンの言葉にヒルマも頷いた。
「ええ。そうなの。だから大規模な火計などは使えないの」
レイヴィンが皆を見渡しながら言った。
「作戦名は……死神の箱舟(Grim Reaper's Ark)です」
レイヴィンの言葉に皆は黙ったまま首を傾けた。
そんな中、レイヴィンが作戦の説明を始めたのだった。
◇
「レイちゃん……そんな……卑怯な作戦……でもこれが……これまでレイちゃんが生きてきた世界なのね……非道なレオンの元にいたのですものね……影響を受けても仕方ないわ……」
作戦の説明を聞き、眉を下げるヒルマに向かってレイヴィンが微妙な顔で言った。
「う……恐らく、姉上が非道だという作戦を考えたのは私の可能性が高いですが……確かに綺麗ごとだけで渡っていけるほど、私の生きる場所は甘くはありません……納得していただけませんか?」
レイヴィンの言葉にアリスが真っすぐにレイヴィンを見た後に頷いた。
「勝機があるので、私は乗ります。正面から突っ込んでいくよりもずっと建設的です。ただ……ラウル様の負担が……」
ラウルは頷きながら言った。
「……ヒルマ嬢は卑怯だとのお考えのようですが……剣を持つ以上、相手も覚悟を決めるのは当たり前のことです。それに私は騎士ですので、作戦において剣を持たぬ人々を害しないというのは重要です。今回の策はその辺りも配慮されています。私もレイヴィン殿の策に賛成です」
ラウルの言葉に、ガルドが心配そうな顔でラウルを見ながら言った。
「だが……ラウル殿は……いいのか? この作戦……あなたの負担が大きい」
ラウルは口角を上げながら言った。
「ではあなたの役を私が担うと言うのですか? ご冗談を……私にそのような大役は不向きです。ガルド殿、あなたの悪役を楽しみにしていますよ」
押し黙るガルドに向かって、レイヴィンがニヤリと笑いながら言った。
「そう、これはあなたにかかっています。ガルド殿。どうぞ、存分に悪い男になって下さい」
アリスがゴクリと息を呑みながら呟いた。
「いつもの穏やかなガルド様も素敵だけど……悪い男の顔も見てみたい!!」
ガルドは「わかりました」と言った。
皆はお互いの顔を見合わせた後に頷いた。
「作戦準備を始めましょう」
レイヴィンの合図でそれぞれが動き出した。
ガルドは、ラウルの肩に手を置きながら言った。
「お前を失うわけにはいかない……」
ラウルはガルドの顔を見つめながら言った。
「これまででしたら、きっとこの役を担うのは間違いなくあなただったでしょうね……ですがレイヴィン殿は私を配置した。単刀直入に聞きます。あなたから見て、この役は私には荷が重い役ですか?」
ガルドはラウルの肩から手を離しながら言った。
「いや……レイヴィンの采配は適切だ」
ラウルは目を細めると、口角を上げながら言った。
「私のことより、あなたは大丈夫なのですか? 肝心な時に大根役者じゃ困ります」
「言うようになったな……」
「あなたに鍛えられましたから」
「ふっ、では、そちらは頼んだぞ」
「言われなくとも……」
ラウルはガルドに背中を向けると、自分のやるべきことをするために歩き始めた。
そんな彼の背中を見送ってガルドは頭を掻いた。
「とんでもない男に育ったものだな……」
そしてガルドも自分のやるべきことをするために歩き始めたのだった。
◇
カンカンカンと辺りに警鐘が鳴り響く。
木の焼ける匂いと共に黒煙が上る。
川上にある一隻の船が炎に包まれ燃え上がっていた。
「敵襲!! 敵襲!!」
水賊の船の上には見張りの声が響き渡る。
アリスがすぐに火を放った船から離れた。
「よし……次は……」
そして同時に陸地では集落の一つが同じように赤い炎に包まれていた。
その小屋にはもちろん誰もいなかったが、船と陸の両方に火の手が上がり、水賊たちは混乱していた。
「一時避難する!! 戦えない者はすぐに母船に乗り込め!! それ以外は賊を排除しろ!!」
水賊の一人が大声で指示を出し、一斉に動き始めた。
(よし、読み通りだな……)
レイヴィンは水賊の行動を確認すると、すぐに火をつけた小屋から離れた。
「さて、姉上と合流しますか」
レイヴィンがヒルマが待機する場所に移動している間。
※▶
船と陸の連絡用の通路のような橋の上に人影が見えた。
川下から見ると、その人物は燃え盛る炎に包まれた船を背にしているのではっきりとした顔までは見えない。
しかし揺れる煙の合間から真っすぐに伸びた背と、鍛え抜かれたのが服の上からでもわかるしなやかでしっかりとした肉体はただものではないことだけはわかる。
「あいつが賊か!?」
「敵は一人だ!! 一斉にかかれ!!」
水賊が次々に襲い掛かるが、彼の前に賊は次々に膝をつき地面に倒れて行く。
何人もの人間が彼に剣を持って立ち向かい、倒れて行く。
その光景を見て剣を構えていた一人の男が叫んだ。
「あの剣さばきに、あの強さ……まさか……シュトラール卿!?」
その声はまるで静かな池に石を投げ入れたように大きな波紋となって周囲に広がる。
「なんだって……あの、裏切り者のシュトラール卿!?」
「トランを早々に捨て、ハイマに尻尾を振ったシュトラール卿か!!」
男たちの瞳に憎悪の色が浮かぶ。
「裏切り者め、覚悟~~~!!」
怒りを乗せた重い剣が、橋の上に立つ人物目掛けて降ろされた。
そして、鮮やかに向かってきた水賊の男の剣を天高くはじき飛ばすと男に剣を向けた。
男はゴクリと息を呑み、剣を向けている丹精に整った橋の上の人物を見つめた。
「誰だ……これほどの強さで、シュトラール卿ではないのか……」
「シュトラールというのは聞き取れるが……」
橋の上に立ち、襲い来る水賊の相手を一人で担っていたのは、ハイマの副団長ラウル・シーズルスだった。
ラウルは剣を失った男を気絶させて額の汗を手の甲で拭いながら言った。
「あの人の代理をして……『荷が勝ち過ぎている』なんて言わせはしません。どうかご覚悟を……」
そしてラウルは、向かって来る水賊を次々に地面に倒したのだった。
――――――――――――――――
次回更新は11月12日(火)です☆
いかがでしたでしょうか?
きっと戦闘シーンの苦手な方でも問題なくお読み頂けると思うのですが……
また、これでは物足りない、もっとガンガン戦うラウルの勇姿を具体的に見たい!!
という方も教えて頂ける助かります。
他の人には見られたくないと言う方は『承認不要』と一言書いて下さればたぬきち25番しか見ませんのでご安心下さい。
260話も死神の箱舟の作戦の続きです!!
それではよい一日を!!
たぬきち25番
いつも読んで下さってありがとうございます。
今回、初めての試みで……
戦闘シーンですが具体的な戦闘描写を入れずに戦闘シーンをお届けいたします。
きっと戦闘シーンの苦手な方でも問題なくお読み頂けると思います。
↓それでは、本編スタートです。
――――――――――――――――
レオンと共にスカーピリナ国を常勝させてきた立役者の一人。
軍神レオンの片腕ともいわれるスカーピリナ国軍参謀レイヴィン・アイロネ。
旧ザウル国の国防を担っていたアイロネ伯爵領で、幼い頃から戦について学び続けたエリート。
彼の策はこれまで多くの仲間を救い、そして敵兵に畏怖されてきた。
そんなレイヴィン・アイロネが、スカーピリナ国に巣くう水賊の討伐のために知略を巡らせることになった。
いつもはお道化た彼の顔から笑みが消え……怜悧な軍師の顔が見えていた。
「確認したところ、彼らは騎馬を持たないことがわかっています。さらに、陸地には女性や子供という戦えない者たちも共も生活しています」
レイヴィンの言葉にヒルマも頷いた。
「ええ。そうなの。だから大規模な火計などは使えないの」
レイヴィンが皆を見渡しながら言った。
「作戦名は……死神の箱舟(Grim Reaper's Ark)です」
レイヴィンの言葉に皆は黙ったまま首を傾けた。
そんな中、レイヴィンが作戦の説明を始めたのだった。
◇
「レイちゃん……そんな……卑怯な作戦……でもこれが……これまでレイちゃんが生きてきた世界なのね……非道なレオンの元にいたのですものね……影響を受けても仕方ないわ……」
作戦の説明を聞き、眉を下げるヒルマに向かってレイヴィンが微妙な顔で言った。
「う……恐らく、姉上が非道だという作戦を考えたのは私の可能性が高いですが……確かに綺麗ごとだけで渡っていけるほど、私の生きる場所は甘くはありません……納得していただけませんか?」
レイヴィンの言葉にアリスが真っすぐにレイヴィンを見た後に頷いた。
「勝機があるので、私は乗ります。正面から突っ込んでいくよりもずっと建設的です。ただ……ラウル様の負担が……」
ラウルは頷きながら言った。
「……ヒルマ嬢は卑怯だとのお考えのようですが……剣を持つ以上、相手も覚悟を決めるのは当たり前のことです。それに私は騎士ですので、作戦において剣を持たぬ人々を害しないというのは重要です。今回の策はその辺りも配慮されています。私もレイヴィン殿の策に賛成です」
ラウルの言葉に、ガルドが心配そうな顔でラウルを見ながら言った。
「だが……ラウル殿は……いいのか? この作戦……あなたの負担が大きい」
ラウルは口角を上げながら言った。
「ではあなたの役を私が担うと言うのですか? ご冗談を……私にそのような大役は不向きです。ガルド殿、あなたの悪役を楽しみにしていますよ」
押し黙るガルドに向かって、レイヴィンがニヤリと笑いながら言った。
「そう、これはあなたにかかっています。ガルド殿。どうぞ、存分に悪い男になって下さい」
アリスがゴクリと息を呑みながら呟いた。
「いつもの穏やかなガルド様も素敵だけど……悪い男の顔も見てみたい!!」
ガルドは「わかりました」と言った。
皆はお互いの顔を見合わせた後に頷いた。
「作戦準備を始めましょう」
レイヴィンの合図でそれぞれが動き出した。
ガルドは、ラウルの肩に手を置きながら言った。
「お前を失うわけにはいかない……」
ラウルはガルドの顔を見つめながら言った。
「これまででしたら、きっとこの役を担うのは間違いなくあなただったでしょうね……ですがレイヴィン殿は私を配置した。単刀直入に聞きます。あなたから見て、この役は私には荷が重い役ですか?」
ガルドはラウルの肩から手を離しながら言った。
「いや……レイヴィンの采配は適切だ」
ラウルは目を細めると、口角を上げながら言った。
「私のことより、あなたは大丈夫なのですか? 肝心な時に大根役者じゃ困ります」
「言うようになったな……」
「あなたに鍛えられましたから」
「ふっ、では、そちらは頼んだぞ」
「言われなくとも……」
ラウルはガルドに背中を向けると、自分のやるべきことをするために歩き始めた。
そんな彼の背中を見送ってガルドは頭を掻いた。
「とんでもない男に育ったものだな……」
そしてガルドも自分のやるべきことをするために歩き始めたのだった。
◇
カンカンカンと辺りに警鐘が鳴り響く。
木の焼ける匂いと共に黒煙が上る。
川上にある一隻の船が炎に包まれ燃え上がっていた。
「敵襲!! 敵襲!!」
水賊の船の上には見張りの声が響き渡る。
アリスがすぐに火を放った船から離れた。
「よし……次は……」
そして同時に陸地では集落の一つが同じように赤い炎に包まれていた。
その小屋にはもちろん誰もいなかったが、船と陸の両方に火の手が上がり、水賊たちは混乱していた。
「一時避難する!! 戦えない者はすぐに母船に乗り込め!! それ以外は賊を排除しろ!!」
水賊の一人が大声で指示を出し、一斉に動き始めた。
(よし、読み通りだな……)
レイヴィンは水賊の行動を確認すると、すぐに火をつけた小屋から離れた。
「さて、姉上と合流しますか」
レイヴィンがヒルマが待機する場所に移動している間。
※▶
船と陸の連絡用の通路のような橋の上に人影が見えた。
川下から見ると、その人物は燃え盛る炎に包まれた船を背にしているのではっきりとした顔までは見えない。
しかし揺れる煙の合間から真っすぐに伸びた背と、鍛え抜かれたのが服の上からでもわかるしなやかでしっかりとした肉体はただものではないことだけはわかる。
「あいつが賊か!?」
「敵は一人だ!! 一斉にかかれ!!」
水賊が次々に襲い掛かるが、彼の前に賊は次々に膝をつき地面に倒れて行く。
何人もの人間が彼に剣を持って立ち向かい、倒れて行く。
その光景を見て剣を構えていた一人の男が叫んだ。
「あの剣さばきに、あの強さ……まさか……シュトラール卿!?」
その声はまるで静かな池に石を投げ入れたように大きな波紋となって周囲に広がる。
「なんだって……あの、裏切り者のシュトラール卿!?」
「トランを早々に捨て、ハイマに尻尾を振ったシュトラール卿か!!」
男たちの瞳に憎悪の色が浮かぶ。
「裏切り者め、覚悟~~~!!」
怒りを乗せた重い剣が、橋の上に立つ人物目掛けて降ろされた。
そして、鮮やかに向かってきた水賊の男の剣を天高くはじき飛ばすと男に剣を向けた。
男はゴクリと息を呑み、剣を向けている丹精に整った橋の上の人物を見つめた。
「誰だ……これほどの強さで、シュトラール卿ではないのか……」
「シュトラールというのは聞き取れるが……」
橋の上に立ち、襲い来る水賊の相手を一人で担っていたのは、ハイマの副団長ラウル・シーズルスだった。
ラウルは剣を失った男を気絶させて額の汗を手の甲で拭いながら言った。
「あの人の代理をして……『荷が勝ち過ぎている』なんて言わせはしません。どうかご覚悟を……」
そしてラウルは、向かって来る水賊を次々に地面に倒したのだった。
――――――――――――――――
次回更新は11月12日(火)です☆
いかがでしたでしょうか?
きっと戦闘シーンの苦手な方でも問題なくお読み頂けると思うのですが……
また、これでは物足りない、もっとガンガン戦うラウルの勇姿を具体的に見たい!!
という方も教えて頂ける助かります。
他の人には見られたくないと言う方は『承認不要』と一言書いて下さればたぬきち25番しか見ませんのでご安心下さい。
260話も死神の箱舟の作戦の続きです!!
それではよい一日を!!
たぬきち25番
1,128
お気に入りに追加
9,117
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
私達、政略結婚ですから。
黎
恋愛
オルヒデーエは、来月ザイデルバスト王子との結婚を控えていた。しかし2年前に王宮に来て以来、王子とはろくに会わず話もしない。一方で1年前現れたレディ・トゥルペは、王子に指輪を贈られ、二人きりで会ってもいる。王子に自分達の関係性を問いただすも「政略結婚だが」と知らん顔、レディ・トゥルペも、オルヒデーエに向かって「政略結婚ですから」としたり顔。半年前からは、レディ・トゥルペに数々の嫌がらせをしたという噂まで流れていた。
それが罪状として読み上げられる中、オルヒデーエは王子との数少ない思い出を振り返り、その処断を待つ。
結婚して5年、初めて口を利きました
宮野 楓
恋愛
―――出会って、結婚して5年。一度も口を聞いたことがない。
ミリエルと旦那様であるロイスの政略結婚が他と違う点を挙げよ、と言えばこれに尽きるだろう。
その二人が5年の月日を経て邂逅するとき
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
何でもするって言うと思いました?
糸雨つむぎ
恋愛
ここ(牢屋)を出たければ、何でもするって言うと思いました?
王立学園の卒業式で、第1王子クリストフに婚約破棄を告げられた、'完璧な淑女’と謳われる公爵令嬢レティシア。王子の愛する男爵令嬢ミシェルを虐げたという身に覚えのない罪を突き付けられ、当然否定するも平民用の牢屋に押し込められる。突然起きた断罪の夜から3日後、随分ぼろぼろになった様子の殿下がやってきて…?
※他サイトにも掲載しています。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。