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第二章 お飾りの王太子妃、国内にて
【番外編】お気に入り2000感謝SS
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※今回の番外編も……74話の続きです。
※お気に入り2000感謝SS※
【白壁の戦い未公開シーン・74話戦闘シーンノーカット版3】
どうぞ!
――――――――
月の光の帯が海面に移り、眩いほどに辺りを照らしていた。
「はっ、はっ、……これで、終わり……です」
アドラーが鎖鎌を使う男を倒した後に相手をしていたのは、ロングソード使いの剣士だった。アドラーは慣れない船の上で必死に足場を保ちながら、またしても速さと間合を活かした攻撃を仕掛け、敵の剣士の死角から一撃を与え、相手を船の上に倒した。
アドラーの相手がゆっくりと体勢を崩し、船の甲板に頬を付けたその時。
ラウルは、アドラーのすぐ近くで最後に残っていた傭兵の剣を、まるで月に捧げるように空高く払い除けていた。
傭兵の剣は、海の上の光の帯の中に飲み込まれて、深海へとゆっくりと沈んで行った。
剣を海に落とされた傭兵は激昂してラウルに殴りかかったが、ラウルはあっさりとかわして、向かってきた男に手刀を入れて気を失わせた。
船の上に立っているのは、アドラーとラウル二人だけになっていた。
右の不審船、最後の敵を倒したラウルは、アドラーを見て、肩で息をしながら言った。
「はっ……、アドラー。腕が落ちたんじゃないのか?」
アドラーは、海に放たれた剣から、ラウルに視線を戻しながら答えた。
「ラウルこそ、書類仕事ばかりで訓練を怠っているのでは?」
アドラーが乱れた息を整え、剣を鞘に納め、ラウルを見ながら言った。
そんなアドラーの言葉に、ラウルも剣を納めると、頭をかきながら答えた。
「……否定はしない。アドラー、訓練するぞ。このままじゃ、スカーピリナ国で遅れを取るかもしれない」
アドラーがラウルを見て口の端を上げながら答えた。
「同じことを思っていました。訓練……します。あの方は絶対にお守りしなければなりませんから」
シーズルス領に来る途中、狙われているクローディアが警備の厳重な城から出るという情報は刺客にも伝わっていたようで、刺客が潜みやすい場所をあえて通っておびき寄せたのだが、予想よりも多かった。
連日数十人との戦闘。しかも前日は不安定な馬の上。そして今日は船の上だ。
ここまで格下の相手ばかりと対峙して来たが、同等の相手と対峙することになったと思うと二人はじっとしていることは出来なかった。
「……ああ。絶対にクローディア様をお守りしなければな……」
二人は、悔しさと焦りを胸にクローディアの待つ『クイーンイザベラ号』を見据えながら頷いたのだった。
◆
ラウルたちが戦っていた同時刻。
左の不審船では、レガードが剣を落としそうなほどの恐怖を感じていた。
レガードが恐怖を感じた相手……それは敵の剣士ではなく、まるで鬼神のように剣を振るう――ガルドだった。
ガルドの動きは、とても静かだ。
彼が剣を使う時、辺りには彼の剣が風を切る音しか聞こえない。
相手の傭兵の罵声や怒声も彼の剣の前では一切の意味をなさない。
ガルドの剣は信じられないほど切れ味がよかった。
だが、決して人は切らない。
片刃の剣を使うガルドは、器用に刃先を入れ替えて、槍の柄は容赦なく切り落とすが、人は誰一人血を流すことなく、船の上に倒れ込む。
ガルドはただ静かに、淡々を剣を振っている。
今も、ガルドの後ろから剣士が斬りかかって来て、レガードは思わず「危ない!!」と叫んだが、ガルドは振り向くこともなく、身体を屈めると、持っていた剣の柄で、襲って来た剣士の顎に攻撃を入れた。襲ってきた相手は、持っていた剣を船上に落とすと、わけがわからぬまま倒れてしまった。
さらに、後ろの敵に攻撃をしたと思うと、目の前の敵の剣を払い除けている。
――何が起こっているんだ?
レガードはガルドという剣豪の存在を、実際に目にしているのに、信じられなかった。
ガルドは、元騎士団副団長。現在はブラッドの側近を務めてはいる。
現在の騎士団最強はラウルだ。ラウルは騎士団の中でも別格であり、圧倒的な剣の才能を持つ。
しかし、そのラウルが未だに『あの人には……敵わないかもしれない』と弱気な発言をする相手。
レガードは、ガルドが騎士団を辞した後に入団したので、ガルドの剣技の凄さを噂には聞いていたが、実際に見るのは初めてだった。
噂以上に……ガルドという男は、圧倒的な存在だった。
ガルドの剣は――他国から『死神の剣』と呼ばれていると聞いたことがあるが……まさにその通りだった。
彼が剣を振るうと数人が地面に倒れる。
レガードにとって彼は味方であるというのに、彼の剣技を見ると震えが止まらなかった。
レガードはガルドの剣を見て、レガードは――自分は少し天狗になっていたかもしれない、とそう……思った。
皆に最年少で幹部になったと言われ、周りの騎士はすでに自分に勝てる者も少ない。
最近ではラウルとも剣を交えれば、それなりに持ちこたえるようになってきた。
だから知らなかったのだ。
この絶対的な敗北感を……。
船の上はかなり揺れる。足場が悪い。レガードは、いつも通り剣を振ることが出来ずに向かって来た敵を一人倒すことで精一杯だった。ところが、ガルドは、船の揺れさえも利用して、相手を面白いくらいに地面に倒して行く。
しかも、相手は傭兵集団で、ありとあらゆる武器を持っている。
剣だって、真っすぐな剣ばかりではない。
武器が次々に変わると、どうしても、対処が遅れてしまうものだが、ガルドには武器の違いさえも全く問題になっていなかった。
自分は、船の揺れに気を取られ、剣士相手に満足に戦えなかった。
だが、ガルドは自分と同じ条件で、この船のほとんど全ての人間の動きを封じてしまった。
しかも、血など一滴も流れていない。
こんな圧倒的な力があるのだろうか?!
レガードが呆然と立ち尽くしているとガルドの呟く声が聞こえた。
「……こちらは弓兵や剣士ばかりか……もしかして、船を襲う船と、港を攪乱する船を分けていたのかもしれないな……」
呆然としていたレガードは、敵の目的などとても考えている余裕もなかった。
自分は、本当に役に立たなかった……。
ガルドが、レガードを見ながら尋ねた。
「……どうした?」
ガルドは剣をすでに鞘に納めていた。
ガルドがレガードを見た時、レガードの目から涙が流れていた。
今回、レガードは何もできなかった。
ガルドの剣速に全く着いて行けず、自分はほとんど何もしないまま気が付いたら、不審船の剣士が全て倒れていた。
クローディアは多大な恩があるのだ。そんな彼女からの命で、自分の力で彼女の恩に報いる絶好の機会だった。それなのに……自分は何もできなかった。
レガードは、己の拳を痛いほどに握りしめ、ガルドを睨みつけながら言った。
「悔しいと……思いました。私は何も……出来なかった。でもいつか、あなたの隣に立って剣を振りたい!! 私もクローディア様を守りたい!!」
ガルドはそんなレガードを見ながら少しだけ嬉しそうに目を細めながら言った。
「私の剣を見て……悔しいと涙を流すなら、まだ……強くなる」
レガードはきつく拳を握り、ガルドに頭を下げたのだった。
※お気に入り2000感謝SS※
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どうぞ!
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月の光の帯が海面に移り、眩いほどに辺りを照らしていた。
「はっ、はっ、……これで、終わり……です」
アドラーが鎖鎌を使う男を倒した後に相手をしていたのは、ロングソード使いの剣士だった。アドラーは慣れない船の上で必死に足場を保ちながら、またしても速さと間合を活かした攻撃を仕掛け、敵の剣士の死角から一撃を与え、相手を船の上に倒した。
アドラーの相手がゆっくりと体勢を崩し、船の甲板に頬を付けたその時。
ラウルは、アドラーのすぐ近くで最後に残っていた傭兵の剣を、まるで月に捧げるように空高く払い除けていた。
傭兵の剣は、海の上の光の帯の中に飲み込まれて、深海へとゆっくりと沈んで行った。
剣を海に落とされた傭兵は激昂してラウルに殴りかかったが、ラウルはあっさりとかわして、向かってきた男に手刀を入れて気を失わせた。
船の上に立っているのは、アドラーとラウル二人だけになっていた。
右の不審船、最後の敵を倒したラウルは、アドラーを見て、肩で息をしながら言った。
「はっ……、アドラー。腕が落ちたんじゃないのか?」
アドラーは、海に放たれた剣から、ラウルに視線を戻しながら答えた。
「ラウルこそ、書類仕事ばかりで訓練を怠っているのでは?」
アドラーが乱れた息を整え、剣を鞘に納め、ラウルを見ながら言った。
そんなアドラーの言葉に、ラウルも剣を納めると、頭をかきながら答えた。
「……否定はしない。アドラー、訓練するぞ。このままじゃ、スカーピリナ国で遅れを取るかもしれない」
アドラーがラウルを見て口の端を上げながら答えた。
「同じことを思っていました。訓練……します。あの方は絶対にお守りしなければなりませんから」
シーズルス領に来る途中、狙われているクローディアが警備の厳重な城から出るという情報は刺客にも伝わっていたようで、刺客が潜みやすい場所をあえて通っておびき寄せたのだが、予想よりも多かった。
連日数十人との戦闘。しかも前日は不安定な馬の上。そして今日は船の上だ。
ここまで格下の相手ばかりと対峙して来たが、同等の相手と対峙することになったと思うと二人はじっとしていることは出来なかった。
「……ああ。絶対にクローディア様をお守りしなければな……」
二人は、悔しさと焦りを胸にクローディアの待つ『クイーンイザベラ号』を見据えながら頷いたのだった。
◆
ラウルたちが戦っていた同時刻。
左の不審船では、レガードが剣を落としそうなほどの恐怖を感じていた。
レガードが恐怖を感じた相手……それは敵の剣士ではなく、まるで鬼神のように剣を振るう――ガルドだった。
ガルドの動きは、とても静かだ。
彼が剣を使う時、辺りには彼の剣が風を切る音しか聞こえない。
相手の傭兵の罵声や怒声も彼の剣の前では一切の意味をなさない。
ガルドの剣は信じられないほど切れ味がよかった。
だが、決して人は切らない。
片刃の剣を使うガルドは、器用に刃先を入れ替えて、槍の柄は容赦なく切り落とすが、人は誰一人血を流すことなく、船の上に倒れ込む。
ガルドはただ静かに、淡々を剣を振っている。
今も、ガルドの後ろから剣士が斬りかかって来て、レガードは思わず「危ない!!」と叫んだが、ガルドは振り向くこともなく、身体を屈めると、持っていた剣の柄で、襲って来た剣士の顎に攻撃を入れた。襲ってきた相手は、持っていた剣を船上に落とすと、わけがわからぬまま倒れてしまった。
さらに、後ろの敵に攻撃をしたと思うと、目の前の敵の剣を払い除けている。
――何が起こっているんだ?
レガードはガルドという剣豪の存在を、実際に目にしているのに、信じられなかった。
ガルドは、元騎士団副団長。現在はブラッドの側近を務めてはいる。
現在の騎士団最強はラウルだ。ラウルは騎士団の中でも別格であり、圧倒的な剣の才能を持つ。
しかし、そのラウルが未だに『あの人には……敵わないかもしれない』と弱気な発言をする相手。
レガードは、ガルドが騎士団を辞した後に入団したので、ガルドの剣技の凄さを噂には聞いていたが、実際に見るのは初めてだった。
噂以上に……ガルドという男は、圧倒的な存在だった。
ガルドの剣は――他国から『死神の剣』と呼ばれていると聞いたことがあるが……まさにその通りだった。
彼が剣を振るうと数人が地面に倒れる。
レガードにとって彼は味方であるというのに、彼の剣技を見ると震えが止まらなかった。
レガードはガルドの剣を見て、レガードは――自分は少し天狗になっていたかもしれない、とそう……思った。
皆に最年少で幹部になったと言われ、周りの騎士はすでに自分に勝てる者も少ない。
最近ではラウルとも剣を交えれば、それなりに持ちこたえるようになってきた。
だから知らなかったのだ。
この絶対的な敗北感を……。
船の上はかなり揺れる。足場が悪い。レガードは、いつも通り剣を振ることが出来ずに向かって来た敵を一人倒すことで精一杯だった。ところが、ガルドは、船の揺れさえも利用して、相手を面白いくらいに地面に倒して行く。
しかも、相手は傭兵集団で、ありとあらゆる武器を持っている。
剣だって、真っすぐな剣ばかりではない。
武器が次々に変わると、どうしても、対処が遅れてしまうものだが、ガルドには武器の違いさえも全く問題になっていなかった。
自分は、船の揺れに気を取られ、剣士相手に満足に戦えなかった。
だが、ガルドは自分と同じ条件で、この船のほとんど全ての人間の動きを封じてしまった。
しかも、血など一滴も流れていない。
こんな圧倒的な力があるのだろうか?!
レガードが呆然と立ち尽くしているとガルドの呟く声が聞こえた。
「……こちらは弓兵や剣士ばかりか……もしかして、船を襲う船と、港を攪乱する船を分けていたのかもしれないな……」
呆然としていたレガードは、敵の目的などとても考えている余裕もなかった。
自分は、本当に役に立たなかった……。
ガルドが、レガードを見ながら尋ねた。
「……どうした?」
ガルドは剣をすでに鞘に納めていた。
ガルドがレガードを見た時、レガードの目から涙が流れていた。
今回、レガードは何もできなかった。
ガルドの剣速に全く着いて行けず、自分はほとんど何もしないまま気が付いたら、不審船の剣士が全て倒れていた。
クローディアは多大な恩があるのだ。そんな彼女からの命で、自分の力で彼女の恩に報いる絶好の機会だった。それなのに……自分は何もできなかった。
レガードは、己の拳を痛いほどに握りしめ、ガルドを睨みつけながら言った。
「悔しいと……思いました。私は何も……出来なかった。でもいつか、あなたの隣に立って剣を振りたい!! 私もクローディア様を守りたい!!」
ガルドはそんなレガードを見ながら少しだけ嬉しそうに目を細めながら言った。
「私の剣を見て……悔しいと涙を流すなら、まだ……強くなる」
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