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13 推しはやっぱり最高です
しおりを挟むホールに着くと、すでに人がたくさん来ていた。
ちなみに、この文化交流祭でダンスを披露するルジェク殿下や、クレアさんはここにはいない。直前まで、参加者控室にいるはずだ。
各国の王族や公爵クラスはまだ控室だが、招待客である貴族はすでにこの会場にいる。
国によって、やはり着ている物やメイクや小物などが違っていて面白い。
この文化交流祭で他国の流行を見て、この国の社交界で流行ったりもするようなので、要チェックだ。
しばらく、他国の貴族を眺めていると、ダンスを披露する人々が会場に入って来て、ホール中央に並んだ。各国3組づつ。合計24組の男女が踊る。
みんな随分と着飾っていて、美しい。まさに国の威信をかけたドレスと言っても過言ではない。
私は、すぐにルジェク殿下もクレアを見つけた。
クレアのドレスは、最高級の布を使った上品なドレスで、美しいクレアにとても良く似合っていた。
そんなまばゆいヒロインのクレアに負けず、ルジェク殿下も優美で威厳ある姿だった。
たくさんイケメンはいるが、ルジェク殿下の姿は本当に群を抜いている!!
文句なしにお似合いの2人だ!
うん、私の推しが一番、素敵!
私が、素敵な2人を見ていると、ルジェク王子と、クレアと目が合ったので、微笑んでおいた。
すると2人とも、それはそれは、嬉しそうに笑って答えたくれた。
あ~~~眼福~~~。
そんなことをしているうちに、ファンファーレが鳴って、各国の要人が扉から入って来た。
「ガカール国は、リオン王子が参列されているのか……」
兄が隣で呟くように言った。
ガカール国のリオン王子……そう言えば、昨日、フォルトナパパと兄が話をしていた。
私は、ガカール国の来賓席を見た。
私たちより、少し年は、上といったところだろうか?
この文化交流祭は『学生がダンスを披露する』ことが目的なので、もしかしたら、リオン王子は学生ではないのかもしれない。
鼻筋が通っていて、目が大きく彫りの深い顔立ちだと言える。だが、元日本人としては、漆黒の髪と目が、とても懐かしく思えた。
「あの方がリオン王子……」
じっと顔を見てみたが、あの人は、乙女ゲームには登場していない。きっと、主人公に関わるような重要人物といわけではないのだろう。
「フォルトナ、そろそろ始まるようだぞ」
「ええ、楽しみですわね」
「ふっ、殿下もクレア嬢も鬼の形相で練習していたからな」
私は2人の練習風景を思い出した。
『お言葉ですが、殿下、今のターンは頂けません、もう一度お願いします』
クレアが真剣な顔で言った。
『ああ、もう一度だ。クレア嬢も足元がふらついてる』
『申し訳ございません、次は気をつけます!!』
正直に言うと、私には、十分だと思ったが、2人はそうではないらしく、細かいところまで、練習するという熱の入れようだった。
確かに2人は、優美なダンスと言うより、『全国目指してる、部活動かな?』と言うほど、熱の入った練習をしていた。本番で、どんなダンスが見れるのかとても楽しみだ。
こうして、私は、リオン王子のことなど、すっかり忘れてダンスを楽しんだのだった。
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