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殿下はにっこりと笑って、1を指さした。
【1 王妃教育を理解しない=真面目に勉強しない】
「そもそも、乗馬大会や剣舞会で優勝するような頑張り屋の君が、不真面目に教えを乞うなんてできる訳がないでしょ?こんなの計画の段階で挫折するのは明白ですよ。」
【2 王妃様になれるような振る舞いはしない=不特定多数の方と遊び回る】
「この項目を見た時は本気で肝が冷えました。現に始めの半年は君に間違いがないように見張りを多く付けていたんですよ。」
「え?見張りですか?」
「はい。ですが、蓋を開けてみたら、君はとても健全にご令嬢達と親睦を深め、夜会では私のパートナーとして、頑張ってくれました。私は皆に羨望の眼差しを向けられて、鼻が高かったのですよ。」
「ですが、王妃があまり出歩くのは良くないのでは?」
「ふふふ。あなたが王妃の仕事をどう認識しているのは知りませんが・・。
今やあなたが一言お願いすれば、主要貴族をはじめ諸外国重鎮や民まで。
みな、あなたを喜んで助けてくれると思いますよ。
それもこれもあなたが、3年間地道にお茶会や夜会で人脈を作ってくれたおかげです。」
「人脈・・。なるほど・・。」
(お茶会は遊んでるとは認識されず、人脈作りと見なされるのね・・勉強になったわ。
そもそも公爵夫人の真面目なお姉様が醜聞になる方法なんて知ってるはずがなかったのね。)
【3 公務の妨げになる=口だしをする】
「私はあなたのおかげで議会でも認められたんですよ。」
「え?」
「ふふふ。実は、3年前までの私は、普段の仕事が多すぎて、中々新しい案を考える余裕はなかったんです。」
「そうなのですか?」
「ええ。ですが、あなたから新しい提案がされる度に検討していたら、普段からもっと改善できることがあるんじゃないかと、考えるようになったんですよ。
これまでの公務はただ与えられたことをこなす作業でした。それがあなたのおかげで本当の意味での公務になったと言えます。
議会も陛下もこのことを高く評価して下さっています。
もちろんあなたの影響であることも皆知っていますよ。」
(あれ?評価?・・・・評価?!!
でも、殿下の評価が上がったのは心から嬉しいわ。
殿下ってとても素晴らしい方だしね。)
今度は、4の項目を指差した。
「これは飛ばして、これですね。」
【5 殿下の次の婚約者を見つける=ご令嬢を知る】
「アリエッタ嬢、最近あなたが、皆になんと呼ばれているか知っていますか?」
「最近ですか?定かではありません。
以前は『疾風の』や『一陣の風』でしたが・・。」
(自分で言うの恥ずかしい~~~!!)
「それは今もですが、新たに『絶対キューピット』だそうですよ。」
「なんですか?それ?」
「あなたが、成立させた婚約。今月で、何組か知っていますか?」
「婚約の数ですか?いえ。存じ上げません。」
「6組だそうです。」
「え?」
(確かに色んな方を紹介したけど・・そんなに??
知らなかったわ・・・。)
「半年前まで遡ると、君の紹介で、30組近い婚姻が成立しているそうですよ。」
「30組?いつの間に。」
「ふふふ。君は今年婚約した貴族のほとんどの婚姻に関わっているのですよ。」
「まさか!!」
「彼らはあなたにかなり感謝しています。
きっとアリエッタ嬢が困ったら、王族の私より君のお願いを叶えたいと思うでしょうね。」
「そんな・・。」
そうして、殿下は美しく微笑んだ。
「今やアリエッタ嬢を支持する勢力はかなりの数です。
あなたは例え私の婚約者じゃなくても、王家にとっても貴重な人物なのですよ。」
私は言葉が出なかった。
婚約破棄するための努力がすべて裏目に出ていたと言ってもいいだろう。
私が唖然としていると、殿下が妖艶に笑った。
【1 王妃教育を理解しない=真面目に勉強しない】
「そもそも、乗馬大会や剣舞会で優勝するような頑張り屋の君が、不真面目に教えを乞うなんてできる訳がないでしょ?こんなの計画の段階で挫折するのは明白ですよ。」
【2 王妃様になれるような振る舞いはしない=不特定多数の方と遊び回る】
「この項目を見た時は本気で肝が冷えました。現に始めの半年は君に間違いがないように見張りを多く付けていたんですよ。」
「え?見張りですか?」
「はい。ですが、蓋を開けてみたら、君はとても健全にご令嬢達と親睦を深め、夜会では私のパートナーとして、頑張ってくれました。私は皆に羨望の眼差しを向けられて、鼻が高かったのですよ。」
「ですが、王妃があまり出歩くのは良くないのでは?」
「ふふふ。あなたが王妃の仕事をどう認識しているのは知りませんが・・。
今やあなたが一言お願いすれば、主要貴族をはじめ諸外国重鎮や民まで。
みな、あなたを喜んで助けてくれると思いますよ。
それもこれもあなたが、3年間地道にお茶会や夜会で人脈を作ってくれたおかげです。」
「人脈・・。なるほど・・。」
(お茶会は遊んでるとは認識されず、人脈作りと見なされるのね・・勉強になったわ。
そもそも公爵夫人の真面目なお姉様が醜聞になる方法なんて知ってるはずがなかったのね。)
【3 公務の妨げになる=口だしをする】
「私はあなたのおかげで議会でも認められたんですよ。」
「え?」
「ふふふ。実は、3年前までの私は、普段の仕事が多すぎて、中々新しい案を考える余裕はなかったんです。」
「そうなのですか?」
「ええ。ですが、あなたから新しい提案がされる度に検討していたら、普段からもっと改善できることがあるんじゃないかと、考えるようになったんですよ。
これまでの公務はただ与えられたことをこなす作業でした。それがあなたのおかげで本当の意味での公務になったと言えます。
議会も陛下もこのことを高く評価して下さっています。
もちろんあなたの影響であることも皆知っていますよ。」
(あれ?評価?・・・・評価?!!
でも、殿下の評価が上がったのは心から嬉しいわ。
殿下ってとても素晴らしい方だしね。)
今度は、4の項目を指差した。
「これは飛ばして、これですね。」
【5 殿下の次の婚約者を見つける=ご令嬢を知る】
「アリエッタ嬢、最近あなたが、皆になんと呼ばれているか知っていますか?」
「最近ですか?定かではありません。
以前は『疾風の』や『一陣の風』でしたが・・。」
(自分で言うの恥ずかしい~~~!!)
「それは今もですが、新たに『絶対キューピット』だそうですよ。」
「なんですか?それ?」
「あなたが、成立させた婚約。今月で、何組か知っていますか?」
「婚約の数ですか?いえ。存じ上げません。」
「6組だそうです。」
「え?」
(確かに色んな方を紹介したけど・・そんなに??
知らなかったわ・・・。)
「半年前まで遡ると、君の紹介で、30組近い婚姻が成立しているそうですよ。」
「30組?いつの間に。」
「ふふふ。君は今年婚約した貴族のほとんどの婚姻に関わっているのですよ。」
「まさか!!」
「彼らはあなたにかなり感謝しています。
きっとアリエッタ嬢が困ったら、王族の私より君のお願いを叶えたいと思うでしょうね。」
「そんな・・。」
そうして、殿下は美しく微笑んだ。
「今やアリエッタ嬢を支持する勢力はかなりの数です。
あなたは例え私の婚約者じゃなくても、王家にとっても貴重な人物なのですよ。」
私は言葉が出なかった。
婚約破棄するための努力がすべて裏目に出ていたと言ってもいいだろう。
私が唖然としていると、殿下が妖艶に笑った。
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