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1章
短縮
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「決戦の日時が早まったってなんでそんな急に?」
僕は訳が分からないので黒いローブの男に問う。
「あのバ、」とそこで唐突に言葉を止める。
黒いローブの男はいつの間にか僕の目ではなくアリスさんの姿をとらえていた。
流石に僕の前以外で第一王子のことを罵倒するのはマズいと感じたのか「第一王子が影武者になど一瞬で返り討ちにできるとかほざっ」
再度そこで言葉を止める。
「ほざっ?」アリスさんは不思議そうな顔をする。
「と申してな。我らが王がそれなら、と三日後に決戦までの日時を短縮したのだ。」
「まあ、別にいいですよ」
特に僕に問題はない。日時が早まってもどうでもいい。
僕は目の前の相手を捻りつぶすだけだ。
「そうか。それだけ伝えに来ただけだ」
黒いローブの男はそれだけ告げると廊下の闇に紛れて僕らの視界から消失した。
「はあ 何考えているか相変わらずわからない人ね」
アリスさんが黒いローブの男が去ったのを確認して言葉を発する。
「それには僕も同意しますよ」
僕は苦笑を浮かべつつ答える。
アリスさんはくるりと体を翻して僕の部屋に戻っていこうとする。
僕はアリスさんの手をガシッと掴む。
僕はニコリとした笑顔をアリスさんに向かって作る。
「なんで、僕の部屋に戻ろうとしてるんですか?」
アリスさんも僕と同じようなニコリとした笑顔で応対する。
「黒いローブの男のせいで体力がなくなった」
アリスさんが部屋の中に入ろうと足を進める。
僕はそれを止めようとアリスさんの手を掴んでいる自分の手に力を強く込める。
そして、アリスさんを僕の部屋に侵入させないために足にも力を込めておく。
流石、護衛隊長というべきかアリスさんの脚力は万人よりもはるかに強く僕も少しづつ自室へと引き寄せられていく。
このままだと部屋へと戻されてしまうので伝家の宝刀をもう一度使うことにした。
「アリスさんはただ友達に謝罪の意を述べることですら恐ろしいんですか?そんな人間が護衛隊長なんて呆れますね」
「ハッ」と鼻で嘲るように笑う。
「行ってやろうじゃないの!」
アリスさんは二度も僕の挑発にのってくれた。
僕は訳が分からないので黒いローブの男に問う。
「あのバ、」とそこで唐突に言葉を止める。
黒いローブの男はいつの間にか僕の目ではなくアリスさんの姿をとらえていた。
流石に僕の前以外で第一王子のことを罵倒するのはマズいと感じたのか「第一王子が影武者になど一瞬で返り討ちにできるとかほざっ」
再度そこで言葉を止める。
「ほざっ?」アリスさんは不思議そうな顔をする。
「と申してな。我らが王がそれなら、と三日後に決戦までの日時を短縮したのだ。」
「まあ、別にいいですよ」
特に僕に問題はない。日時が早まってもどうでもいい。
僕は目の前の相手を捻りつぶすだけだ。
「そうか。それだけ伝えに来ただけだ」
黒いローブの男はそれだけ告げると廊下の闇に紛れて僕らの視界から消失した。
「はあ 何考えているか相変わらずわからない人ね」
アリスさんが黒いローブの男が去ったのを確認して言葉を発する。
「それには僕も同意しますよ」
僕は苦笑を浮かべつつ答える。
アリスさんはくるりと体を翻して僕の部屋に戻っていこうとする。
僕はアリスさんの手をガシッと掴む。
僕はニコリとした笑顔をアリスさんに向かって作る。
「なんで、僕の部屋に戻ろうとしてるんですか?」
アリスさんも僕と同じようなニコリとした笑顔で応対する。
「黒いローブの男のせいで体力がなくなった」
アリスさんが部屋の中に入ろうと足を進める。
僕はそれを止めようとアリスさんの手を掴んでいる自分の手に力を強く込める。
そして、アリスさんを僕の部屋に侵入させないために足にも力を込めておく。
流石、護衛隊長というべきかアリスさんの脚力は万人よりもはるかに強く僕も少しづつ自室へと引き寄せられていく。
このままだと部屋へと戻されてしまうので伝家の宝刀をもう一度使うことにした。
「アリスさんはただ友達に謝罪の意を述べることですら恐ろしいんですか?そんな人間が護衛隊長なんて呆れますね」
「ハッ」と鼻で嘲るように笑う。
「行ってやろうじゃないの!」
アリスさんは二度も僕の挑発にのってくれた。
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