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1章
恵まれた環境
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「僕は自分の愚かさ、自身の行動の過ちに気づいてもそのまま突っ走るべきだった。何も考えなければよかった。まあ、僕が君にこの場で後悔について語ったところで過去が変わるわけではないのだけどね」
「本当に王は本心から自分の行動を省みなかったほうが良かった、とおっしゃるのですか?」
「そうだね。僕が自分の愚かな行動、当初の目的からずれていると感じたのは15歳の時、つまりこの国での成人年齢を少し過ぎた辺りだね。成人になれば幼さが生み出す無知という存在も消えてそろそろ自分で考え行動を起こせるようになる年だ。僕はその年になっても考えが浅く、甘かった」
「でも……さっき自身の後悔を省みることが出来る年齢になったって……」
先の発言で王は考えることが出来る年齢に達したから、自身の行動を省みることが出来るようになったと語ったのだ。
しかし、最後の言葉で矛盾が生じてしまっている。
「自分でいうのもなんだけど僕には才能があった。だから、他の職人が作ることのできなかった高度な魔道具の作成の依頼が僕に回ってくることがあった。その中には軍事目的に明らかに使用されるだろう、といったものも含まれていた。でも、そんな魔道具を作っているときはまだ自身の過ちに気づいていないから莫大な金が手に入るからと喜んで引き受けていた。しかし、過ちに気づいてからは依頼を断るようになったよ。引き受けるのは平民がもってくる生活を豊かにするような魔道具製作ばかり」
「それっていいことなんじゃあ」
「確かにそうだけどね。僕の魔道具は質がよかった。噂になる。悲しいことにね噂ってものは本人の意に反して拡散されていくものなんだ。そして僕が良い品質の魔道具を作ることのできる技術を持っているという噂を聞きつけた王宮の人間が僕に軍事目的の魔道具を作るように依頼してきた」
「王宮が?」
王は王になる前は王子だ。
王宮の恵まれた環境で恵まれた才能で高度の魔道具作製に時間を費やしていたのではないか?
そもそも『王宮の人間』という言い方にも少し疑問を感じる。
王宮にもともといたのであれば、王宮に努めている人間の役職ぐらい把握しているはずだ。
「本当に王は本心から自分の行動を省みなかったほうが良かった、とおっしゃるのですか?」
「そうだね。僕が自分の愚かな行動、当初の目的からずれていると感じたのは15歳の時、つまりこの国での成人年齢を少し過ぎた辺りだね。成人になれば幼さが生み出す無知という存在も消えてそろそろ自分で考え行動を起こせるようになる年だ。僕はその年になっても考えが浅く、甘かった」
「でも……さっき自身の後悔を省みることが出来る年齢になったって……」
先の発言で王は考えることが出来る年齢に達したから、自身の行動を省みることが出来るようになったと語ったのだ。
しかし、最後の言葉で矛盾が生じてしまっている。
「自分でいうのもなんだけど僕には才能があった。だから、他の職人が作ることのできなかった高度な魔道具の作成の依頼が僕に回ってくることがあった。その中には軍事目的に明らかに使用されるだろう、といったものも含まれていた。でも、そんな魔道具を作っているときはまだ自身の過ちに気づいていないから莫大な金が手に入るからと喜んで引き受けていた。しかし、過ちに気づいてからは依頼を断るようになったよ。引き受けるのは平民がもってくる生活を豊かにするような魔道具製作ばかり」
「それっていいことなんじゃあ」
「確かにそうだけどね。僕の魔道具は質がよかった。噂になる。悲しいことにね噂ってものは本人の意に反して拡散されていくものなんだ。そして僕が良い品質の魔道具を作ることのできる技術を持っているという噂を聞きつけた王宮の人間が僕に軍事目的の魔道具を作るように依頼してきた」
「王宮が?」
王は王になる前は王子だ。
王宮の恵まれた環境で恵まれた才能で高度の魔道具作製に時間を費やしていたのではないか?
そもそも『王宮の人間』という言い方にも少し疑問を感じる。
王宮にもともといたのであれば、王宮に努めている人間の役職ぐらい把握しているはずだ。
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