98 / 140
1章
しつけ小屋
しおりを挟む
僕が希望がないと判断したのは王宮の敷地内に入り少し歩いてからだった。
新聞や噂話、喧噪を盗み聞きしたのであれば崩落寸前という話だった。
まあ、しかし話とは全く違うのではないか。
あくまで崩れかけというのがきいた話であった。
しかし、王宮は完全に崩れ落ちていた。
どこを見て崩落寸前と判断したのだろうか?
いや……騒動が起きた直後は崩落寸前だったのかもしれない。
しかし、時間が経ってしまったことにより崩れたのかもしれない。
人の伝達には齟齬が発生する場合も多い。
僕は深く考えるのも無駄だと思い。
思考を切り離す。
別に僕が考えることではないだろう。
「散って探した方が探索しやすいだろう!皆散れ!」
リーダー性を持つ彼に命令されて皆散り散りになっていく。
大体の人間は何人かのグループになり探索を続けていく。
その方が効率もいいだろう。
だが僕の目的には必要ない。
グループ行動というものは。
僕は1人で誰も探さない、向かわない方へと進んでいく。
大きな建物など一つもない。
小さくて汚い家までむかっていく。
数十秒歩くてそれは見えてくる。
この小屋は、ここに幼少期から住んでいた人間なら誰しもが入ったことがある。
ここはしつけ部屋_____いや正しく語るとするならばしつけ小屋か。
言うことを聞かない幼い子供をしつけのために入れて反省するまで出さない。
確かに……いうことをきかすにはいいんだろうけど……
トラウマになりかねない。
実際僕は一度入れられた記憶がうっすらとある。
しかし、何をしでかして入れられたかなど覚えていない。
ただ頭の片隅にその記憶が断片として残っているだけである。
相当な暗さだった。
考えながら小屋を見つめて気づく。
小屋は崩壊していなかった。
崩壊と言った大仰な言葉は似合わない。
倒れていなかった。
原型をとどめていた。
騒動があった王宮から少しばかり離れていたからだろうか?
それでも王宮は殆ど原型をとどめていなかったので破片などで何かしらの日がを受けていても不思議ではないのだが。
まあ、ダメもとで開けてみるか。
新聞や噂話、喧噪を盗み聞きしたのであれば崩落寸前という話だった。
まあ、しかし話とは全く違うのではないか。
あくまで崩れかけというのがきいた話であった。
しかし、王宮は完全に崩れ落ちていた。
どこを見て崩落寸前と判断したのだろうか?
いや……騒動が起きた直後は崩落寸前だったのかもしれない。
しかし、時間が経ってしまったことにより崩れたのかもしれない。
人の伝達には齟齬が発生する場合も多い。
僕は深く考えるのも無駄だと思い。
思考を切り離す。
別に僕が考えることではないだろう。
「散って探した方が探索しやすいだろう!皆散れ!」
リーダー性を持つ彼に命令されて皆散り散りになっていく。
大体の人間は何人かのグループになり探索を続けていく。
その方が効率もいいだろう。
だが僕の目的には必要ない。
グループ行動というものは。
僕は1人で誰も探さない、向かわない方へと進んでいく。
大きな建物など一つもない。
小さくて汚い家までむかっていく。
数十秒歩くてそれは見えてくる。
この小屋は、ここに幼少期から住んでいた人間なら誰しもが入ったことがある。
ここはしつけ部屋_____いや正しく語るとするならばしつけ小屋か。
言うことを聞かない幼い子供をしつけのために入れて反省するまで出さない。
確かに……いうことをきかすにはいいんだろうけど……
トラウマになりかねない。
実際僕は一度入れられた記憶がうっすらとある。
しかし、何をしでかして入れられたかなど覚えていない。
ただ頭の片隅にその記憶が断片として残っているだけである。
相当な暗さだった。
考えながら小屋を見つめて気づく。
小屋は崩壊していなかった。
崩壊と言った大仰な言葉は似合わない。
倒れていなかった。
原型をとどめていた。
騒動があった王宮から少しばかり離れていたからだろうか?
それでも王宮は殆ど原型をとどめていなかったので破片などで何かしらの日がを受けていても不思議ではないのだが。
まあ、ダメもとで開けてみるか。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
君を愛することはないと言う夫とお別れするためのいくつかのこと
あかね
恋愛
フレアとは結婚式当日夜に君を愛することはないと言われ、愛人の存在を告げられたことにより、ショックを受けることもなく婚姻を無効にするため、実家連絡をするような女である。そして、昔好きだった相手が襲来し、再婚の予約をしたので、さっさと別れたいと夫を元夫にすべく丸め込むのであった。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
ああ、もういらないのね
志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。
それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。
だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥
たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。
【完結】嫌われている...母様の命を奪った私を
紫宛
ファンタジー
※素人作品です。ご都合主義。R15は保険です※
3話構成、ネリス視点、父・兄視点、未亡人視点。
2話、おまけを追加します(ᴗ͈ˬᴗ͈⸝⸝)
いつも無言で、私に一切の興味が無いお父様。
いつも無言で、私に一切の興味が無いお兄様。
いつも暴言と暴力で、私を嫌っているお義母様
いつも暴言と暴力で、私の物を奪っていく義妹。
私は、血の繋がった父と兄に嫌われている……そう思っていたのに、違ったの?
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる