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その瞬間は来るのだろうか?

顕現、料理の頂点

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封を解放すると、神々しいカツサンドが顕現する。
これこそ料理の頂点だ!!このカツサンドであればどんなに体調がすぐれない日でも、いくらでもたいらげられそうな気がする。

そんなことを考えながら、まだ封を解放していない方のカツサンドを山吹に授ける。
屋上にいることでやたらとテンションの高かった山吹だったが、俺から授けられたカツサンドを見て、2倍ほどテンションを高めた。

「やったあああああああ!」と大声を発する始末である。
その声は俺達が存在している屋上という空間以外にも響き渡った。

例えばグラウンド、全国の高校と比較しても珍しいかもしれないがこの学校では昼食は基本的にどこで食べてもいいことになっている。
グラウンドに咲き誇る綺麗な花をつけた木の下で昼食を取っていたリア充たちは、山吹の声に驚き手に持っていた彼女の手製であろうおにぎりを見事に地面に着地させた。

「ざまあ」思わず心の中で考えいたことが口に出てしまった。
幸いなことに俺の言葉は時折吹く強風に遮られ山吹の耳朶を打つことはなった。

山吹も嬉々として俺から受け取ったカツサンドの封を解放し始める。
「あ」と短く彼女が声を漏らした。

何かを思い出したのだろうか?
それとなく聞いてみる。「どうかしたか?宿題忘れとかか?」

「いや……そんなことではない。もっと重要なことだ」
学内に置いてそれほど重要なことがあるのだろうか?俺には忘れ物や素行不良ぐらいのありふれたことしか頭に浮かんでこない。

「で、なんなんだ?それは」
俺が話すように促す。

「相沢___貴様にお礼___礼を述べるのを忘れていた」
あ、そういえば言ってもらってなかったような。

「別にそんなこと気にしなくてもいいだろ、カツサンドを貴様に授けたのは屋上に行くのを待っていてもらったお礼とし授けたのだからな」

「フッ」と俺の言葉を鼻で笑う。

「母から礼はいかなる時でも述べるようにしごかれているのでな」
良い親御さんじゃないか。

こいつの話に出てくる親御さんは、山吹の意見を尊重して金のかかる私立高校に入れてくれて、教育熱心で、礼儀作法についても、きっちりと教え込む。

とてつもなく素晴らしい親御さんだ。
しかし、ふと疑問に思う。何故そんなに素晴らしい親御さんから中二病がうまれたのだろうか、と
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