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「ガアア」

「機会があればこんな奴らに負けない??その言葉って信用に値するのかしら?」
サイクロプスの呻き声に問う。

「アァガ」
「本当?ならもう一度戦ってみる?」

サイクロプスは巨大な首を縦に振る。
その直後轟音が発生した。

落雷がサイクロプスを襲う。
すさまじい光に僕の視界が遮られる。

砂埃が舞い上がりサイクロプスの姿を隠す。
砂埃がすべて消えてサイクロプスの姿があらわになる。

僕がつけた傷は完全に回復しており初めて邂逅した時のように無傷であった。
それだけではない。

腕には黄金の手枷がつけられていた。
「あの金って本物ですかね?」

アレックス君が状況に合わない問いかけを投げる。
「分からない……でも……純金ならもの凄い価値があるだろうね」

下世話なことを考えてしまう僕。
この現状には考えることではないことだ。

「そうですね 何百万……何千万するかもしれませんよ」
サイクロプスの巨大な腕を覆うことのできるくらいの金だ。

それが純金なら……
価値はもちろんのこと重さも計り知れないくらいだろう。

あんなもの人間が装備などしたら数秒で手が破壊されてしまいそうだ。
それはもう二度とまともに手が使用できないくらいの骨折に。

あの黄金の手枷は大型のモンスターにしか装備できないだろう。
「じゃあ、使いこなしてみてね?」

どこからともなく降ってきた女性の声を引き金にサイクロプスが僕らに攻撃を仕掛けてくる。
先程よりスピードが格段に速い。

サイクロプスが装備している手枷のようなものに何か仕掛けが施されていると考えるのが妥当だろう。
あの道具は自身の素早さでもあげる道具なのだろうか?

サイクロプスの弱点は大きく2つある。
1つは、人間よりも知性が劣っていること。

2つ目は、その巨体故に攻撃速度や移動速度が他のモンスターたちに比べると極端に遅いことだ。
それ故に隙が大きい。

そして、体が出かい。
大きな的となるのだ。とはいっても一発一発の攻撃は重いのでくらったらひとたまりもないが。

故にのろまなでかぶつと排除者達に揶揄されている。
しかし、今のサイクロプスの速さはのろまとは到底表現できなくなっていた。
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