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洗剤

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僕はネバネバの手で洗剤を受け取った後、一刻も早く手を洗いたいので早口で用件を告げる。
「報酬は明日来るんでその時でいいです この手じゃ受け取ったとしてもネバネバになって使い物にならないでしょうから」

「了解です」
了承の言葉を受け取ったので僕は家へと直行する。

ギルドの扉を開く前に「お手数おかけします」と一言。
僕が触ったせいでギルドの扉はネバネバの液体で少し……いや結構汚れてしまっていた。

僕らがギルドを出るのと同時に複数の排除者とすれ違った。
「うわっ!なんだこれ?」とか後ろから声が聞こえてきた気がするようなしないような。

僕は聞こえないふりをして家へとダッシュ!
5分ほどすると僕らの家の屋根が見えてきた。

あともう少しでこの気持ち悪い感触から解放される。
僕は少しだけ速度を上げる。

今度は屋根ではなく表札が見えてきた。
誰かが僕らの家の前で「キャー」とか可愛い歓声をあげていた。

何人かの女子高生と思しき人々が何かを囲んでいるようだった。
僕はそんなのはどうでもいいと判断して家の鍵を開けて入り込む。

「ただいま~」と早口で告げて洗面所にGO!
僕が洗面所に到着したころに玄関の扉が開く音が聞こえた。

恐らくクレドが帰宅したのだろう。
どたばたと騒がしい足音が聞こえたと思ったら洗面所に転がり込んでくる。

「早く洗剤を貸してくれ!」
僕もまだ手に洗剤をつけていないというのに焦らせてくるクレド。

「分かってるよ!」
僕は口を動かしながら手に洗剤をつける。

そして、その洗剤をクレドに手渡す。
クレドも直ぐに手を洗いたいのか素早く手に洗剤を付着させる。

僕も手を擦り合わせて、洗剤を泡立たせる。
洗剤が泡立つにつれて僕の手に付着していたレッドスライムの体液がみるみると落ちていく。

手からレッドスライムの体液が取れていくのにつれて僕の暗い心も晴れやかになっていく。
「おおっ!!」

クレドも僕の横で驚嘆の声をあげて洗剤の衝立を素早くこすり合わせる。
そして、自分の手からレッドスライムの体液の汚れが落ちていくのを確認すると「すごいな!これ!」と洗剤のことをベタ褒めし始めた。
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