君がクソだと言った世界で今日も僕は生き続ける

八王子区域

「まあ、狩場の変更は決まったわけだけどクレドには言わなければならないことがある」
「なんだ？」いつものように能天気な顔で聞いてくる。

「八王子はいつもの狩場よりレベルの高いモンスターが生息している。いつもの感覚で戦ってると死ぬ」
「んな～大げさな」クレドは顔の前で大きく手を振る。

「いや、いつもの狩場のモンスターたちは状態異常攻撃をしてこないけど　八王子の狩場は状態異常攻撃をしてくるモンスターがわんさかいるよ」

その言葉に表情はみるみる硬くなっていく。
「状態異常って・・・・酸欠とかか？」

妙に生々しく現実的なことを言う。
僕は肯定する。

「うん、スライムに飛びつかれて口を塞がれたら窒息するね　他には、毒に蝕まれるとか直接的に死には関係ないけど麻痺とか、麻痺している間にモンスターに襲撃されたらどんなに強い排除者でも死んじゃうからね　あとは火傷かな　八王子の狩場は火傷を引き起こすモンスターが多いかな。火傷は一定時間経つと消えるけど痕は残るしとてつもなく痛い」

「なんで、八王子の狩場は分かる？」
僕は八王子で何があったか知っているか聞いてみる。

クレドは神妙な様子で首を動かす。
「東京大空襲か？」

「正解」どうやら分かっていた様だ。

八王子立ち入り禁止区域＿＿＿＿＿東京大空襲が原因か皮膚がただれたモンスターが多数確認されている。
主に火傷の状態異常を付与してくるモンスターが多い。
初心者向けではなく中級者向けの区域である。

「だからか、皮膚がただれているモンスターが多い。元人間のモンスターにいうのもなんだが気持ち悪い」
八王子の狩場のモンスターたちは外見が気持ち悪く排除者たちの吐き気を促す。

僕も実際にはじめて見たとき吐いてしまった。
「うげえ」と言ってクレドはあからさまに嫌そうな顔をする。

「まあ、でもある程度見てたら慣れるから」
僕は苦笑いしながら心配を和らげる言葉を発する。

「ならいんだけどさ・・・・」と言いつつも口の中でもごもごと何かを呟いている。

「これで話し合いは終わりだよ」
みんなに終わりの言葉を告げる。

その言葉を告げるとみんなは一斉に自室に戻りだす。

もちろん、ポチは夏美ちゃんの腕に抱かれていた。
お気に入りの場所なのだろうか？