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無鉄砲

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「あああああああ」威勢のいい声を張り上げながらクレドは槍を構えながらホブゴブリンの群れに突っ込んでいく。
僕は頭を抱える。

「ちょっ!ストップ!止まれ!」
そんなお構いなしにどんどん突っ込んでいく。

止められないと分かったので僕も潜伏を使いながらクレドに続いて群れに突っ込んでいく。
ホブゴブリンはクレドに向けて腰に携えていた短剣を構える。

ガキイイン!金属同士がぶつかり合って耳をつんざく鋭い音が禁止区域内に響く。
カランコロンと金属が地面を転がる音が聞こえた。

どちらかの武器が破壊されたのだろう。

見てみるとホブゴブリンの短剣の長さが半分になっていた。
流石、5万円の槍高かっただけのことはある.

先程まで、適当に武器を選んだがあれで大丈夫だったのか?と思っていたのだが大丈夫そうだ。
武器を破壊されたホブゴブリンは慌てて半分の長さになった短剣をむやみやたらに動かしている。

クレドに全く当たる様子はない。
クレドはホブゴブリンの隙を見て急所を槍で貫こうとする。

しかし、回避技術はホブゴブリンの方が上手だ。
急所を貫くはずだった槍は外れて肩を貫いた。

「チッ」と舌打ちをしてホブゴブリンから槍を抜く。
ホブゴブリンは身の危険を感じて叫び声をあげて仲間を呼ぼうとする。

そうはさせないと僕はホブゴブリンの後ろに回り込み口を押えて短剣で心臓を一突きする。
肉を貫いた感覚が手に伝わる。何度味わってもこの感覚は気持ち悪いと感じてしまう。

手に温かい血がべっとりとつく。
そのことには気にせずに二匹目にとりかかる。

ホブゴブリン達も何か異変を感じたようで僕の気配を感じ取ろうとしている。
そのうち僕の潜伏は看破されてしまうだろう。

こうなれば短期決戦だ。

僕は同じ手つきでホブゴブリンを屠っていく。
10匹いた群れは残り1匹になっていた。

最後の一匹も屠ろうとする。
しかし、屠る前にホブゴブリンの首が飛んだ。

鮮やかな紅い血が宙を舞う。
血が僕の視界を隠す。

血が晴れた僕の視界に飛び込んできたのはクレドの槍だった。
「ヒイイッ」危うく目に突き刺さるとことだった。

「危なっ!」
「ああ、ごめんごめん」とクレドは軽く謝罪する。

僕は次なる指示を飛ばす。
「じゃあホブゴブリンの死体から爪を剥ぎ取ってね これが討伐した証拠になるから。」

クレドは頷く。
僕たちは世間話をしながらまるで事務作業をするようにホブゴブリンの爪を剥ぎ取っていった。

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