上 下
22 / 24

その22 初恋

しおりを挟む

孝介、陽介の兄弟はその後も情欲に溺れる日々が続いていた。
肉体的にも精神的にもふたりは激しく愛し合う男と女のようだ。

兄は弟の脚を広げるとその秘部に自分のエレクトした男性器をあてがいそっと挿入した。

そして突いた! 

それはピストン運動になりその卑猥な摩擦音は一定のリズムになると弟は兄の背中に両腕をまわし爪を立てる。

腰を激しく動かしながら兄は、弟の悦びに満ちた淫らな表情に興奮する。

(陽介は女だ! どこからどう見てもこいつが男だと信じられるか? それもとびっきりセクシーでエロい女だ)

孝介はセックスしている相手が本当は男であるという事実に不思議な興奮を覚える。しかもその男は血の繋がった実の弟なのだ。そんな妖しくも倒錯的な世界に耽るのだった。

弟は自分の中にある兄の男性器が、ピクンと動き温かい液体が放射されたのを感じた。それを感じた弟は、尚も兄の背中にまわした腕に力を込めた。

コンドームはせず、生で放射された兄の精液があそこから溢れ出そうなのを感じながらも、弟は兄の唇を狂ったように激しく求めた。


兄、孝介の新しい職場は運送会社で、大型免許も持っている彼は4㌧トラックを転がす毎日。激務であり多くはないがそこそこの収入はあった。
その運送会社は個人のプライベートのことは詮索せず、他人のことは関心のない人ばかりであり、仕事さえ真面目にこなしていれば弟とのことを知られても何も問題なさそうだ。


弟の陽介は?
相変わらず娼婦のような生活が続いており益々美しさセクシーさに磨きがかかってきたようだ。
もう、無理に陽介の方から相手を探さなくともリピーターが増え、それも上等の客ばかりのようだ。
実業家や地方議員から愛人のように囲いたがる者もいたが、陽介が愛しているのは兄だけであり自由を束縛されるような関係はいくらお金をつまれても拒絶していた。

それでも、兄の孝介からすれば、愛する弟が他の男と寝ることが心配でたまらない。そろそろ娼婦の真似事?から足を洗ってもらいたい。

まぁ、何かと問題はあるものの、兄弟ふたりは新婚夫婦のように愛し合う。
そのアブノーマルな性生活も益々変態的方向へエスカレートするのだった。

兄はこんな生活がいつまでも続くと思っていた。結婚なんて形には拘らず一生弟と過ごしていけたらと思う。
それは弟も同じ気持ちであったが、本来の兄はゲイではなく本当は女性が好きなのを知っている。そこが少し不安なのだが今のところはシアワセだ。


そんなある日のこと。

陽介は颯爽としたミニスカート姿で街を散策していた。
娼婦姿の陽介とは違い、まるでモデルのようなその姿に釘付けになる男どもの視線を感じづつ陽介はアパレルショップで服を探し求めていた。

「ねえ、あの子きれいね...」

背後からそんな声が聞こえてきた。
振り返ると女子店員ふたりが陽介を憧れの眼差しで見ていた。
その一人と目が合うと彼女は陽介を見てニッコリと笑った。

「お客さん、とてもスタイル良いですけどモデルさんですか? どんなものをお探しでしょうか?」

「・・・・・」

(こ、この人は池下智恵子さん?)

懐かしさが込み上げた。
陽介が唯一好きになった女の子、中学の同級生だった池下智恵子だった。

小林陽介の初恋の相手である。
小学校、中学校では男子のアイドル的存在で中学卒業以来8年ぶりだ。
内気だった陽介は遠くから眺めているだけで話したことは一度もない。

そんなアイドルだった池下智恵子が、女に化身した陽介に憧れの目を向け
「きれいね...」と言ってくれた。

陽介はそんな内心を隠しボーイッシュなデニムパンツと白シャツを買った。

「お客さんは、こういうボーイッシュでジェンダーレスなファッションも似合いそうですね? 何でも似合いそうで本当に羨ましいです」

池下さんは僕のことをうんと褒めてくれたけど、君だってタイプは違うけどきれいじゃないか、、、

陽介はそんなことを思いながら店を出た。初恋を思い出していた。


その日、陽介は兄のために好きなパスタをキッチンで作っていると、疲れた表情の兄が帰ってきた。
キッチンに立っている弟の背後から身体を抱きしめると、その短いスカートを捲りあげ硬くなった自分のモノを弟のアソコに入れようとしている。

「もう、がまんできない...」

兄と弟の立ちバックはしばらく止むことはなかった。

その夜。
兄は弟を激しく犯した。
弟もうんと淫らになった。

陽介は兄に突かれながら、昼間アパレルショップで会った初恋相手のことを考えていた。

(僕にも異性に対する興味が残っていたのだろうか? 池下さんのことばかりを考えてしまう。この気持ちは何?)


事態は思わぬ方向へ展開する。

つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』

コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ” (全20話)の続編。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211 男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は? そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。 格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

お兄ちゃん大好きな弟の日常

ミクリ21
BL
僕の朝は早い。 お兄ちゃんを愛するために、早起きは絶対だ。 睡眠時間?ナニソレ美味しいの?

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

処理中です...