堕ちてゆく兄と弟。愛?淫欲? 禁断のLove

コバひろ

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その19 畜生道に堕ちる

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孝介と(冬木)敦子の結婚話はお互いの家族も交え順調に進んでいった。
孝介は27才、敦子は25才になった。

そんなある日のこと。

「今週土曜の晩、敦子が遊びに来るのでお母さん我が家の家庭料理頼むよ。
敦子もお母さんと一緒に料理を作りたいと言ってるんだ..」

「任せておいて! 精一杯腕を振るうからね。楽しみだわ」

そんな、母と孝介の会話を聞きながら父はニコニコしている。
孝介と敦子の婚約が決まってからというもの父はいつも機嫌が良い。

父があまり会話に参加しない陽介に目を向けると言った。

「陽介、今度は必ず敦子さんに会うんだぞ。お前の義姉になる人だ。男姿で会ってほしいが、敦子さんはありのままの義弟を見たいと言っている。女装するにも落ち着いた格好で派手にならないようにな...」

「う、うん、、」

陽介が兄に「僕を裏切るの?」と詰め寄ってから兄弟の会話は減った。
孝介もそれが気になって、納得してもらおうと何度も相談を持ちかけたが陽介は兄に目も合わせない。孝介にとっては弟のことだけが気掛かりだ。


そんな兄弟のぎごちない関係を、母である静江も薄々気付いていた。
あの夜、孝介と女装した陽介が穢らわしく淫らなことをしていたのは間違いないと思う。その後も外で会っていたのではないか?と疑ってもいた。
でも、あれは一時的な間違いだった。
静江はそう思い込もうとしていた。

孝介に彼女が出来て婚約するとシアワセそうな様子に母は安心した。
逆に陽介は兄の婚約を快く思っていないのではないか?
兄の婚約からふたりの関係は明らかにおかしい。陽介が兄に向ける目は嫉妬なのではないか?

(なんて、変なこと考えているの?それは私の考えすぎに決まっている)

母は自分の不安をそうやって打ち消そうとしていた。しかし、その不安は現実のものとなる。
想像をはるかに超える修羅場になる。



その土曜日。

冬木敦子は午後4時少し前に訪れた。

「今夜は夕食に誘っていただき楽しみにして来ました」

清楚なワンピース姿。

母と敦子はキッチンに入ると一緒に料理を作り始める。時折笑い声が聞こえ女ふたりのお喋りは楽しそうだ。
リビングでは父と孝介がビール等を飲みながら料理を待っていた。

陽介は「料理が出来たら呼んで」ということで、自分の部屋で過ごしているようだ。今回は逃げることはせず素直に兄の婚約者と会うことになった。

5時半頃になると、リビングに料理が並んだ。母お手製の煮物や漬物、敦子は手作りコロッケが得意だ。
豪華とは言わないが、どれも庶民的な料理で父と孝介の目が輝いた。

「孝介! これから、敦子さんの歓迎会をやる。陽介を呼んできなさい」

「ああ、、そうだね」

「うわぁ~! 陽介さんと会うのは初めてね。きれいなんだろうな...」

敦子は陽介との初対面を楽しみにしているようだが、なぜか孝介は嫌な予感がしてドキドキする。


コンコン!

「陽介、用意できたぞ。みんな待ってるから降りてこい!」

カチャッ!

部屋から出てきた陽介はとんでもないミニスカート。スラリと伸びた美脚は網タイツに包まれている。
肩出しトップス、全体に肌の露出が多くメークは娼婦のようだ。
その妖しくセクシーな姿はあまりにも挑発的、刺激的である。

陽介は兄にチラッと目をやると、そのまま真っ直ぐリビングに向かった。

「よ、陽介、まさか、そ、そんな格好で、、おい待てよ!」

焦った孝介は止めようとするが間に合わない。慌てて弟を追う。


リビングに入ってきた陽介を見ると、
父が、母が、そして敦子も口をあんぐりとして絶句している。

「敦子さん、はじめまして。僕が兄の弟で陽介と言います。こんな格好してるからマリアと呼んで下さい...」

あまりのことに誰も言葉を発せない。
陽介は微笑を浮かべた。

そこへ兄の孝介が入って来ると、陽介は兄の方に向きいきなりその首に腕をまわした。そして唇を奪う。

「うぐぐぐ、なんだ? むうぅ、、」

兄はそれから必死に逃れようとする。

「お兄ちゃん、なに嫌がってんの?いつもやってたことでしょ? 」

そして、今度は敦子に目を向けた。

「敦子さん! 僕とお兄ちゃんは仲の良いい兄弟なんです。キスだけじゃなく肉体関係だってあります。でも安心して下さい。男同士の兄弟だし不倫とは違いますよね? お兄ちゃんと敦子さんの家庭は壊さない。あくまで快楽の関係なので認めてほしいんです」

な、なんて理屈だろう...。
孝介はどうしていいか?呆然と立ち尽くすしかなかった。

そんな立ち尽くしている兄に陽介は向き直ると再び抱き付き唇を奪う。
兄は弟からのキスを自然に受けとめてしまうが、皆の見ている前ということに気付くと陽介を突き放した。

「お兄ちゃん、恥ずかしがることなんてないよ。いつものように舐めてあげるからリラックスしてよ」

弟は兄の前に跪くと、そのズボンをスルスルと下ろし萎んでいる男性器を手で扱きはじめた。その弟の見事なテクニックに、婚約者と両親の前であるにも関わらず反応してしまう。
悲しきかな? 肉体は正直なのだ。

反応した兄のそれを弟は口に含んだ。

父も母も目の前の光景にショックが大きいのか? 金縛りにあったように動けないし声も出せない。

敦子は両手で口を抑えながら、兄と弟のこの世のものとは思えない悍ましい行為に目を丸くしている。

「ヤメロ! ようすけー!」

兄は自分の男性器を咥えている弟の顔を強引に引き剥がすと、怒りの表情で足蹴にした。後方に倒れた弟の短いスカートからエロい下着が覗く。

「キャーー!! へ、変態!」

敦子はそう叫びながら、その場から逃れるように走って玄関に向かう。

靴を履くとそのまま帰ってしまった。


それを見た父が、わなわなした表情で
ふらふらと立ち上がり怒鳴った。

「お、おまえら! 実の兄弟でそんなことしてたのか!?  ケモノか!穢らわしい?畜生道に堕ちたのか?」

陽介は不敵な笑みを浮かべている。

孝介はこれは夢ではないのか?と、現実感が全くなかった。

弟は狂ったのだろうか?


つづく?
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