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その17 裏切り

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孝介は弟の跡を追った。
まるで刑事ドラマのように慎重に尾行する。気付かれないようある程度距離を保ちながらも、見失わないようにするのは存外に難しい。

(陽介は駅に向かっている?)

駅から電車に乗っての尾行は大変だと思ったが、新宿へ行くのではないか?と想定はしていた。
しかし、弟は駅の中には入らず周囲をキョロキョロ見回しては何かを探している。そして、一台の車を見つけると嬉しそうに駆け寄って行った。
車の中からキザそうな男が出てくると
ドアを開ける。彼は弟の肩に手を添えスマートに招き入れた。
その一連の動作が様になっている。

(誰なんだ? あのいかにも女たらしのプレイボール然としたやつは...)

それよりも、車に乗る時の弟の嬉しそうな顔に孝介は嫉妬を覚えた。 
(兄の私にも決して見せない顔だ)
弟を乗せた車はそのまま発車した。もうこれ以上追うことは不可能だ。

(陽介は、彼氏はお兄ちゃんだけだと言っていたではないか!)

それでも陽介は男姿のままであり、このことを問い詰めれば「知り合い」だと惚けられても証拠がない。
大きな荷物があったので、その中には女装道具一式がありどこかで着替えるのだろう。そこが何処か?は容易に想像出来る。弟はラブホテルで、あの男の腕の中で悶えるのだろうか?

孝介は頭を抱えると、そのまま焼き鳥屋の暖簾をくぐりしこたま飲んだ。
なぜ自分は陽介に嫉妬しているのだろう? 妹ならともかく弟ではないか。
男同士であり近親相姦になるのだ。
女に化身した弟は魔性の女となって、兄である自分を倒錯的世界に誘惑して狂わしたのだ。
(なんてことだ!世間的には変態だ)



とあるラブホテルにて。

チェックインするまでは普通の美少年だったマリアが見違えるような美女に変身した。ベッドの中でのマリアは淫らで飽きることなく真田の男性器を狂ったように欲してくる。

「マリア! もうおまえはこれなしでは生きていけないメスになったな?」

真田がそうやって自慢の男性器を誇示するとマリアはそれに頬ずりをし口に含む。真田の全身、指一本一本まで奉仕すると自分のアソコも勃起させている。美女なのに立派な男性器だ。

「ねえお願い。わたしのオ○ン○に大きくなったペ○スを挿れて下さい。そして、失神するまで突いて!」

この美少年が美女となって、ここまで性の奴隷になるとは想定外だと真田は思った。流石の真田も負担に感じる。
(そろそろ飽きてきたな、、このままでは面倒になる。棄て時だな...)
真田はマリアのアナルを突きながらそんなことを考えていた。


時の流れは早い。

あれから半年が過ぎた。
孝介26才、陽介21になり、兄弟を巡る環境は一変した。
その間、兄と弟は一度だけセックスはしたがそれは儀礼的であった。

(弟とのことはあやまちだったのだ)

一度は嫉妬に狂いそうになった孝介だが彼女が出来た。そして、プロポーズにも良い返事をもらい家族にも紹介しようと考えている。
弟のことは「トランスジェンダー」で
家では女装していると、彼女には伝えてある。そういうことには理解ある女性で逆に面白がっていた。

陽介は?
マリアとなった陽介は真田昭如に弄ばれるだけ弄ばれて棄てられた。
傷心の日々が続いていたが...。

(結局、遊びだったんだ。でも、僕の初体験の相手はお兄ちゃん。僕が本当に好きなのはお兄ちゃんなんだ)

そう気を取り直して兄を誘った。

「お兄ちゃん、また、以前みたいにいっぱいエッチなことしよう。色々あったけど、僕が一番好きなのは...」

兄の顔が曇った。

「孝介、、血の繋がった男同士でそういうことは止めよう。好きな女が出来てプロポーズした。今度の休日に家に連れてくる。結婚するんだ」

「・・・・・」


陽介のショックは大きい。
これが嫉妬なのか?

お兄ちゃんだけは僕を裏切らないと思っていたのに...。

僕は絶対にゆるさない!

イヒヒヒ、、。

お兄ちゃんは僕のものだ。


つづく?

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