17 / 21
高橋 かなえ
17 あたしだけじゃない
しおりを挟む
みんなで道具を拭いて片付け、冷蔵庫のトリュフを確認した。
十分に固まっているようだったけど、念のため学校からもどった後に分けることにしようと話し合う。
由美子はきれいになったテーブルに、あの日あたしがかわいいと言っていた虹色のラッピングバッグを出した。
「もしかしてさっき買い出しに行ってたのは、これ?」
「かなえちゃん、気に入ってたし。せっかくだから」
凛花が由美子の後ろから手を伸ばし、ラッピングバッグの下敷きになっていたカードを引き出した。
「メッセージカードも選んできてもらったよ。かなえもこれにももちゃんへの愛を思う存分したためてちょーだい」
「こら、凛花。かなえがやめてって言ってたのそういうやつだよ」
「ええっ。こんなの愛情表現じゃーん」
杏にたしなめられて凛花は頭をかかえた。
苦笑していた由美子がアドバイスする。
「どんな反応が返ってくるか想像してから話すといいのかも」
「うーんと、かなえがぎゃーってなって、いじり展開……?」
「ほら、だめじゃん。それで楽しいのはいじる方だけだし」
凛花の回答に杏がつっこむ。凛花はあたしの顔を伺った。
「そうなんだ」
「そうだよ。前からさんざん嫌って言ってたって言ったよね? あれ冗談じゃないから」
「愛情表現なら相手に喜んでもらえないと意味がないやね」
「確かに」
杏の指摘に凛花はうんと考えこんだ。ちょっと心配になるくらい長く。
「どうしたの?」
「いや。うちのパパ、しょっちゅう天パをメデューサっていじってくるけど、あれは愛情表現じゃなかったのかって思って」
そんなふうに思っていたのかとびっくりする。
どうしてそんなおかしなかんちがいをしたんだろう?
「あたし、運動会の時にそれ聞いたの覚えてるよ。ひどいって思ってた」
「あ。あれね。……私、一回泣いたことがあるんだけど、愛情表現だろ、それくらいわかれよぉってパパに肩を叩かれて……。ママからも、凛花を好きだから言うんだって慰められたんだ。だからそういうもんなのかって」
信じてたんだ。
小さな凛花が大人のわかってほしいに応えるために傷つきを押し隠して笑ってきたのかと思うと、痛々しくて涙が出そうになる。
杏は隣にいるあたしにしか聞こえないような小さな声で最低とつぶやいた。それから
「凛花、自虐ネタでよく使ってたよね。メデューサ。正直反応に困ってた」
と続ける。ヘアメイクしてくれていた時も自分で言っていた。同じ天パのあたしもいっしょに刺さるし、とても突っ込めなかった。
杏も反応に困ってたんだ。
「うーん。人に言われる前に自分で言っちゃったほうが、楽なんだよね」
凛花の返答に絶句する。絶対、楽なはずないのに。
「凛花ちゃんが言わなきゃみんなそんなこと考えもしないよ。凛花ちゃんのお父さんがとくべつ……独創的なんじゃないかな」
由美子が言葉を選んだのが分かった。凛花はそんなパパでも好きなんだ。
あたしも杏も由美子の言うとおりだとうなずいてみせる。
パパの評価に話が振れると、凛花はキョトンとした顔をして、それから目をそらした。
「ま、そんなことはどうでもいいんだけどね。おっと時間がもったいない。早く行こう。コートどこだっけ」
「リビングのソファーじゃないかな」
由美子の言葉にみんなが動き出す。
自分の気持ちから目をそらしている凛花を見ていると、もやもやした。
このままでいいはずがない。だけど子どものあたしたちにはどうすることもできない。
パパの言う愛情表現という言葉を信じるために、泣いた時の気持ちを感じないようにふたをしてきた凛花は、どんな気持ちで友達をいじり、反応を楽しんできたんだろう。
いじられ多少傷ついても受け入れて反応してくれる友達の姿を見ること。
それでも見捨てられないと感じられること。
それが凛花の教えられた、確かに愛を感じるための方法だったのかもしれない。
混み合うのを避けるため、玄関の外へ出てブーツを整えていた凛花が確認する。
「あ。メイクの道具はリビングに置いて行っても大丈夫だったかな」
「まとめておいてくれてれば、もし家族が先に帰ってきてもわかってくれると思う」
スニーカー履き、頭をあげると玄関横の鏡に映るあたしと目が合った。
化粧して綺麗に髪を結い上げたあたしと。
——かんちがいしない方がいいよ、イタイから——
ふと、心の奥の方からあざ笑う声が浮かび上がってきた。
何百、いや何千、何万回もくりかえし聞いた、いくら耳をふさいでもしつこく追いかけてきた声が。
「かなえちゃん、どうしたの?」
鍵を持って後ろに立っていた由美子に心配そうな顔で見つめられ、思わず弱音が飛び出した。
「やっぱりあたしこんな格好、好きじゃないかも……」
「怖いと嫌いをまちがえないで」
由美子がキッパリと言い切った。
「かなえちゃんはこういう格好するのが嫌いなんじゃない。人からまた何か言われたらって怖がってるだけ」
「……あんなことくらいで怖がって、バカみたいだよね。杏も凛花もみんな乗り越えてるのに」
あの日のことも話してみたら、なあんだってことだった。みんなも同じような思いをしてきた。
なのにあたしだけが乗り越えられない。
「怖くなるのは当たり前だよ。そうやって二度と同じ思いをしなくてすむように自分を守ってるの。みんな一緒だよ。私も……」
由美子が言葉を切る。それからほうっと息をついて一気にしゃべった。
「二年生の時に本人の前で、この子大葉くんことが好きなんだよって言われちゃった時のことが忘れられないの。言った子は親切心からだったんだと思うけど、でもその時大葉くん、すごく困った顔してて。だから私、全然違うよって、好きじゃないよって慌てて否定した。それからずっと、私は……だから同じだよ。今はまだ勇気がないけどでも、私ももうまちがえないから」
知らなかった。
あたしたちの誰かが大葉の名前を口にするたびに、頬を染めてだまりこんでいた由美子の姿が浮かぶ。
あたしだけじゃない。
パパを信じたくて自分の気持ちから目を逸らしている凛花も、大葉の困った顔に告白する勇気が持てない由美子も、きっと杏も、他のみんなもあたしと同じ。
みんな何かを乗り越えようとしている途中なんだ。
「ほんと長いよね。由美子の恋は」
「凛花だって、ずーっと王子一筋じゃん」
「そうよ。なのに、杏は毎年コロコロコロコロ……」
先に靴を履き終えた二人がいつものようにぎゃあぎゃあやり合いはじめる。
「大丈夫。かなえちゃんは、かわいいよ。勇気を出して」
心の声は消えなくても、従わないでいることができる。
どんなひどい言葉で罵られようと、あたしはもう自分をそこから守ることができる。
「ありがとう」
少し照れ臭いけどあたしは由美子の言葉を素直に受け取った。
玄関を出ると外はどんよりとくもっていた。このまま天気は下り坂なのだろうか。
服はひどいままだけれど、化粧をするとわざとラフな格好をしているようなおしゃれな感じに見えた。
自分を飾って外へ出るのはあの日以来だ。
空気はうんと冷たいのに、気分が高まっていて指先まであたたかかった。
十分に固まっているようだったけど、念のため学校からもどった後に分けることにしようと話し合う。
由美子はきれいになったテーブルに、あの日あたしがかわいいと言っていた虹色のラッピングバッグを出した。
「もしかしてさっき買い出しに行ってたのは、これ?」
「かなえちゃん、気に入ってたし。せっかくだから」
凛花が由美子の後ろから手を伸ばし、ラッピングバッグの下敷きになっていたカードを引き出した。
「メッセージカードも選んできてもらったよ。かなえもこれにももちゃんへの愛を思う存分したためてちょーだい」
「こら、凛花。かなえがやめてって言ってたのそういうやつだよ」
「ええっ。こんなの愛情表現じゃーん」
杏にたしなめられて凛花は頭をかかえた。
苦笑していた由美子がアドバイスする。
「どんな反応が返ってくるか想像してから話すといいのかも」
「うーんと、かなえがぎゃーってなって、いじり展開……?」
「ほら、だめじゃん。それで楽しいのはいじる方だけだし」
凛花の回答に杏がつっこむ。凛花はあたしの顔を伺った。
「そうなんだ」
「そうだよ。前からさんざん嫌って言ってたって言ったよね? あれ冗談じゃないから」
「愛情表現なら相手に喜んでもらえないと意味がないやね」
「確かに」
杏の指摘に凛花はうんと考えこんだ。ちょっと心配になるくらい長く。
「どうしたの?」
「いや。うちのパパ、しょっちゅう天パをメデューサっていじってくるけど、あれは愛情表現じゃなかったのかって思って」
そんなふうに思っていたのかとびっくりする。
どうしてそんなおかしなかんちがいをしたんだろう?
「あたし、運動会の時にそれ聞いたの覚えてるよ。ひどいって思ってた」
「あ。あれね。……私、一回泣いたことがあるんだけど、愛情表現だろ、それくらいわかれよぉってパパに肩を叩かれて……。ママからも、凛花を好きだから言うんだって慰められたんだ。だからそういうもんなのかって」
信じてたんだ。
小さな凛花が大人のわかってほしいに応えるために傷つきを押し隠して笑ってきたのかと思うと、痛々しくて涙が出そうになる。
杏は隣にいるあたしにしか聞こえないような小さな声で最低とつぶやいた。それから
「凛花、自虐ネタでよく使ってたよね。メデューサ。正直反応に困ってた」
と続ける。ヘアメイクしてくれていた時も自分で言っていた。同じ天パのあたしもいっしょに刺さるし、とても突っ込めなかった。
杏も反応に困ってたんだ。
「うーん。人に言われる前に自分で言っちゃったほうが、楽なんだよね」
凛花の返答に絶句する。絶対、楽なはずないのに。
「凛花ちゃんが言わなきゃみんなそんなこと考えもしないよ。凛花ちゃんのお父さんがとくべつ……独創的なんじゃないかな」
由美子が言葉を選んだのが分かった。凛花はそんなパパでも好きなんだ。
あたしも杏も由美子の言うとおりだとうなずいてみせる。
パパの評価に話が振れると、凛花はキョトンとした顔をして、それから目をそらした。
「ま、そんなことはどうでもいいんだけどね。おっと時間がもったいない。早く行こう。コートどこだっけ」
「リビングのソファーじゃないかな」
由美子の言葉にみんなが動き出す。
自分の気持ちから目をそらしている凛花を見ていると、もやもやした。
このままでいいはずがない。だけど子どものあたしたちにはどうすることもできない。
パパの言う愛情表現という言葉を信じるために、泣いた時の気持ちを感じないようにふたをしてきた凛花は、どんな気持ちで友達をいじり、反応を楽しんできたんだろう。
いじられ多少傷ついても受け入れて反応してくれる友達の姿を見ること。
それでも見捨てられないと感じられること。
それが凛花の教えられた、確かに愛を感じるための方法だったのかもしれない。
混み合うのを避けるため、玄関の外へ出てブーツを整えていた凛花が確認する。
「あ。メイクの道具はリビングに置いて行っても大丈夫だったかな」
「まとめておいてくれてれば、もし家族が先に帰ってきてもわかってくれると思う」
スニーカー履き、頭をあげると玄関横の鏡に映るあたしと目が合った。
化粧して綺麗に髪を結い上げたあたしと。
——かんちがいしない方がいいよ、イタイから——
ふと、心の奥の方からあざ笑う声が浮かび上がってきた。
何百、いや何千、何万回もくりかえし聞いた、いくら耳をふさいでもしつこく追いかけてきた声が。
「かなえちゃん、どうしたの?」
鍵を持って後ろに立っていた由美子に心配そうな顔で見つめられ、思わず弱音が飛び出した。
「やっぱりあたしこんな格好、好きじゃないかも……」
「怖いと嫌いをまちがえないで」
由美子がキッパリと言い切った。
「かなえちゃんはこういう格好するのが嫌いなんじゃない。人からまた何か言われたらって怖がってるだけ」
「……あんなことくらいで怖がって、バカみたいだよね。杏も凛花もみんな乗り越えてるのに」
あの日のことも話してみたら、なあんだってことだった。みんなも同じような思いをしてきた。
なのにあたしだけが乗り越えられない。
「怖くなるのは当たり前だよ。そうやって二度と同じ思いをしなくてすむように自分を守ってるの。みんな一緒だよ。私も……」
由美子が言葉を切る。それからほうっと息をついて一気にしゃべった。
「二年生の時に本人の前で、この子大葉くんことが好きなんだよって言われちゃった時のことが忘れられないの。言った子は親切心からだったんだと思うけど、でもその時大葉くん、すごく困った顔してて。だから私、全然違うよって、好きじゃないよって慌てて否定した。それからずっと、私は……だから同じだよ。今はまだ勇気がないけどでも、私ももうまちがえないから」
知らなかった。
あたしたちの誰かが大葉の名前を口にするたびに、頬を染めてだまりこんでいた由美子の姿が浮かぶ。
あたしだけじゃない。
パパを信じたくて自分の気持ちから目を逸らしている凛花も、大葉の困った顔に告白する勇気が持てない由美子も、きっと杏も、他のみんなもあたしと同じ。
みんな何かを乗り越えようとしている途中なんだ。
「ほんと長いよね。由美子の恋は」
「凛花だって、ずーっと王子一筋じゃん」
「そうよ。なのに、杏は毎年コロコロコロコロ……」
先に靴を履き終えた二人がいつものようにぎゃあぎゃあやり合いはじめる。
「大丈夫。かなえちゃんは、かわいいよ。勇気を出して」
心の声は消えなくても、従わないでいることができる。
どんなひどい言葉で罵られようと、あたしはもう自分をそこから守ることができる。
「ありがとう」
少し照れ臭いけどあたしは由美子の言葉を素直に受け取った。
玄関を出ると外はどんよりとくもっていた。このまま天気は下り坂なのだろうか。
服はひどいままだけれど、化粧をするとわざとラフな格好をしているようなおしゃれな感じに見えた。
自分を飾って外へ出るのはあの日以来だ。
空気はうんと冷たいのに、気分が高まっていて指先まであたたかかった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
【完結】天上デンシロック
海丑すみ
青春
“俺たちは皆が勝者、負け犬なんかに構う暇はない”──QUEEN/伝説のチャンピオンより
成谷響介はごく普通の進学校に通う、普通の高校生。しかし彼には夢があった。それはかつて有名バンドを輩出したという軽音楽部に入部し、将来は自分もロックバンドを組むこと!
しかし軽音楽部は廃部していたことが判明し、その上響介はクラスメイトの元電子音楽作家、椀田律と口論になる。だがその律こそが、後に彼の音楽における“相棒”となる人物だった……!
ロックと電子音楽。対とも言えるジャンルがすれ違いながらも手を取り合い、やがて驚きのハーモニーを響かせる。
---
※QUEENのマーキュリー氏をリスペクトした作品です。(QUEENを知らなくても楽しめるはずです!)作中に僅かながら同性への恋愛感情の描写を含むため、苦手な方はご注意下さい。BLカップル的な描写はありません。
---
もずくさん( https://taittsuu.com/users/mozuku3 )原案のキャラクターの、本編のお話を書かせていただいています。
実直だが未熟な高校生の響介は、憧れのロッカーになるべく奔走する。前途多難な彼と出会ったのは、音楽に才能とトラウマの両方を抱く律。
そして彼らの間で揺れ動く、もう一人の友人は──孤独だった少年達が音楽を通じて絆を結び、成長していく物語。
表紙イラストももずくさんのイラストをお借りしています。本編作者( https://taittsuu.com/users/umiusisumi )もイラストを描いてますので、良ければそちらもよろしくお願いします。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる