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高橋 かなえ
15 凛花の恋の真相
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「さ。トリュフ作ろう。けっこういい時間になったよ」
由美子がリビングの扉を開き、あたしたちはテーブルの上に散らかした私物をそのままにダイニングキッチンへ向かった。
ダイニングテーブルの上には由美子の用意した道具の他に、マシュマロの袋と竹串が置いてある。フォンデュ用だろうか。
あたしの視線に気づいた由美子が説明する。
「ママがフォンデュのために買ってきてくれたの。冷蔵庫にフルーツもあるよ」
「さっすが、由美ちゃんのママ。わかってんじゃん」
凛花がなぜか得意げに上から目線で評価する。
「分担どーする? 私、フルーツ切ろっか」
「んー。フォンデュの準備はチョコ固めてる時に始めてもいいんじゃないかな」
由美子のこたえに杏が了解と返す。
作るのはいつものトリュフだ。タブレットに写ったレシピで分量を確認しながら、あたしたちは有能な料理人のようにテキパキ役割に分かれ、立ち働いた。
クリームとチョコレートを混ぜ、とろみがつき始めたところで凛花が慌ててリキュールを入れる。
「ちょ、それお酒?」
「いいじゃん。わざわざ家から持ってきたんだから。香り程度だって」
あたしが止めるのも聞かずさらに二、三滴流し込む。
「それくらいなら確かに香り程度かもだけど、お酒の香りのするチョコなんかもらってくれると思う? 由美ちゃんが大葉に渡すかもしれないんだよ?」
「大丈夫だーって」
断ってからやればいいのに。勝手だなあ。
杏も由美子もあげる相手がいるだろうに、文句ひとつ言わない。二人は凛花を甘やかしすぎだと思う。
由美子は野菜室を開けてフルーツを取り出した。
「食べられる分だけ切ればいいからね」
あたしはフルーツを受け取り、代わりにラップをかけたボールを由美子に差し出した。
冷蔵庫で適度な硬さになるまで冷やしている間に、今度はフォンデュの準備をするのだ。
ビュッフェ形式のレストランで見るような噴水みたいな装置はないけれど、ホットプレートにお湯を張って湯煎していれば十分楽しめる。
それぞれのお皿にフルーツをのせれば、あとはトリュフの仕上げだ。
「チョコってさ、味が決まってるからいいよね。湯煎して固めるだけだから小さい子でも失敗しないし」
凛花がさも簡単だというふうに言うと、杏が器用にチョコを丸めながらも不安げにまゆを下げた。
「えー、でも最初は苦労したよ。どれくらいのやわらかさがいいのかわかんなかったから、変にラップに引っ付いちゃったりさぁ」
「えーっ、楽勝じゃん」
おっちょこちょいな凛花や不器用なあたしに比べて由美子や杏はそつがないと思っていたけど、自分ではそうは思っていないんだな。
散々失敗のタネをふりまいてきた凛花が簡単だと断じ、料理に関しては一番頼れそうな杏がうまくできるか不安を持ってる。
なんか不思議。自信を持つかどうかは自分が決めてるんだ。
「あたしなんかラップも切れなくて、由美ちゃんのママに切ってもらってたよ」
なつかしいな。冷やしている間にリビングでアニメ見たり、きれいなペンでカードを書いたり、お気に入りのシールを選んだり。
ここには何年もの思い出がふりつもっている。
「よし。無事トリュフも冷蔵庫に入ったし、フルーツの準備もできた。では、フォンデュしながら毎年恒例の……」
「「あんたたち、今年はどうなの? だれかにあげるの?」」
凛花の目配せに杏が声を合わせた。
二人の追求はまさに毎年恒例。由美子とあたしは言葉につまった。
でも今年は、四人が同じ学校だった去年までとはちがう。
凛花の好きだった高木さとしは引っ越していて、もういない。
毎年コロコロ変わる杏の好きな人は、あたしたちの知らない人かもしれないんだ。
ひとまず話をそらすべく、あたしは質問を質問で返した。
「っていうか、凛花こそどうなの。新しく向こうで好きな人できた?」
「何言ってんの。推し変なんかしないわ。私は今年もさとしくんひ・と・す・じ」
「え。でも連絡先を知らないでしょ? 大葉君でさえ聞いてないって」
凛花の返答にめずらしく由美子がつっこむ。
「凛花はそれでもいいのよ。これまでだって一度も渡してないんだもん」
「えっ。ちょっ、杏、それ言っちゃう?」
「ウソォ。渡したことないの?」
思わず声が裏返った。凛花のあせりようから見て事実なのだろう。
競争相手最多で何の反応もなさそうな相手に毎年こりずに渡すなんて、つわものだと思ってたのに。
「ちがうのっ。私がねがってるのは王子の幸せなんだから。そこに私は必要ないんだって。王子の愛が成就するのを願うのみ……」
凛花は頬に両手を当てて身を捩らせながらよくわからないことを言った。
王子の愛が成就って他の人と両思いってことじゃん。
「それ、本気で言ってる?」
「誓います。うそ、いつわりございませんっ」
凛花は目を見開いてフォークを掴むと、杏の皿のいちごをフォークで刺した。真実をバラされた腹いせだろう。
杏はじっと凛花をにらんで、呆れたようにため息をつく。
「もう。いいよ、あげる。……あー、こんな話してたら、久しぶりにももちゃんや大葉たちに会いたくなっちゃった。二人は今もわちゃわちゃしてんのかなぁ」
「土曜の午後は体育館で部活だって言ってたから、今なら学校にいるんじゃないかな」
「え、二人とも? 部活はやっぱバスケ部なの?」
由美子が頷くと、凛花がチョコまみれの口を開ける。
「部活のスケジュールまで把握してるなんて。まさか由美子、大葉と大接近中?」
「ちょっと凛花、きたない。口ふきなよ」
テーブルにあるティッシュの箱を差し出す。
あたしも由美子がそんなことを知っているとは思わなかった。いつも静かに席で本を読んでいたのに、恐るべきアンテナだ。
由美子は、あはっと照れ笑いをする。
「たまたま耳に入っただけだよ」
「じゃあさ、せっかくだから会いに行かない? こっそり見るくらいならできるでしょ」
「あっ。いい。賛成! 大さんせーい!」
杏の提案に凛花が両手を上げる。もり上がっているところ水を差すのは悪いけどと、いちごを飲み込んで口を開く。
「学校に入るなら、制服じゃないと怒られるよ」
「えーっ。私たち、元同級生の姿が見たいだけだよ? そんなのひどい」
凛花がだだをこねる。杏が自信満々に胸を張る。
「大丈夫だよ。私、スポ少やってた時にあそこの体育館使ってたもん。私服でも平気だって。行こっ」
あたしも由美子も帰宅部だから、体育館の放課後利用のことはよくわからない。
杏の言うとおりなら、堂々としてればなんとかなるのかもしれないけど。
「……まぁ、見つかったら、その時はその時か」
由美子と目を合わせるとほほえみが返ってきた。
杏がテーブルの皿を重ねながら提案する。
「そうだ。行く前にかなえ、ちょっとだけ化粧してみない? せっかく持ってきたんだからさ」
「そんなのいいよ」
化粧どころか、ふだんから化粧水もまともにつけてないのだ。顔の前で思い切り両手をふって拒否してしまう。
凛花が目を輝かせ、バッグの中から白いものを取り出した。
「ほらっ。この間のカチューシャだって急いで取ってきたんだよ。これ、かなえに似合うと思うんだ。スタイリング剤もそろってるし。ね、やろ~?」
由美子は皿をシンクに下ろして振り返った。
「どうせ洗い場はひとつしかないし、その間に洗い物しておくよ。みんなは後でふいてね」
由美子がリビングの扉を開き、あたしたちはテーブルの上に散らかした私物をそのままにダイニングキッチンへ向かった。
ダイニングテーブルの上には由美子の用意した道具の他に、マシュマロの袋と竹串が置いてある。フォンデュ用だろうか。
あたしの視線に気づいた由美子が説明する。
「ママがフォンデュのために買ってきてくれたの。冷蔵庫にフルーツもあるよ」
「さっすが、由美ちゃんのママ。わかってんじゃん」
凛花がなぜか得意げに上から目線で評価する。
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由美子のこたえに杏が了解と返す。
作るのはいつものトリュフだ。タブレットに写ったレシピで分量を確認しながら、あたしたちは有能な料理人のようにテキパキ役割に分かれ、立ち働いた。
クリームとチョコレートを混ぜ、とろみがつき始めたところで凛花が慌ててリキュールを入れる。
「ちょ、それお酒?」
「いいじゃん。わざわざ家から持ってきたんだから。香り程度だって」
あたしが止めるのも聞かずさらに二、三滴流し込む。
「それくらいなら確かに香り程度かもだけど、お酒の香りのするチョコなんかもらってくれると思う? 由美ちゃんが大葉に渡すかもしれないんだよ?」
「大丈夫だーって」
断ってからやればいいのに。勝手だなあ。
杏も由美子もあげる相手がいるだろうに、文句ひとつ言わない。二人は凛花を甘やかしすぎだと思う。
由美子は野菜室を開けてフルーツを取り出した。
「食べられる分だけ切ればいいからね」
あたしはフルーツを受け取り、代わりにラップをかけたボールを由美子に差し出した。
冷蔵庫で適度な硬さになるまで冷やしている間に、今度はフォンデュの準備をするのだ。
ビュッフェ形式のレストランで見るような噴水みたいな装置はないけれど、ホットプレートにお湯を張って湯煎していれば十分楽しめる。
それぞれのお皿にフルーツをのせれば、あとはトリュフの仕上げだ。
「チョコってさ、味が決まってるからいいよね。湯煎して固めるだけだから小さい子でも失敗しないし」
凛花がさも簡単だというふうに言うと、杏が器用にチョコを丸めながらも不安げにまゆを下げた。
「えー、でも最初は苦労したよ。どれくらいのやわらかさがいいのかわかんなかったから、変にラップに引っ付いちゃったりさぁ」
「えーっ、楽勝じゃん」
おっちょこちょいな凛花や不器用なあたしに比べて由美子や杏はそつがないと思っていたけど、自分ではそうは思っていないんだな。
散々失敗のタネをふりまいてきた凛花が簡単だと断じ、料理に関しては一番頼れそうな杏がうまくできるか不安を持ってる。
なんか不思議。自信を持つかどうかは自分が決めてるんだ。
「あたしなんかラップも切れなくて、由美ちゃんのママに切ってもらってたよ」
なつかしいな。冷やしている間にリビングでアニメ見たり、きれいなペンでカードを書いたり、お気に入りのシールを選んだり。
ここには何年もの思い出がふりつもっている。
「よし。無事トリュフも冷蔵庫に入ったし、フルーツの準備もできた。では、フォンデュしながら毎年恒例の……」
「「あんたたち、今年はどうなの? だれかにあげるの?」」
凛花の目配せに杏が声を合わせた。
二人の追求はまさに毎年恒例。由美子とあたしは言葉につまった。
でも今年は、四人が同じ学校だった去年までとはちがう。
凛花の好きだった高木さとしは引っ越していて、もういない。
毎年コロコロ変わる杏の好きな人は、あたしたちの知らない人かもしれないんだ。
ひとまず話をそらすべく、あたしは質問を質問で返した。
「っていうか、凛花こそどうなの。新しく向こうで好きな人できた?」
「何言ってんの。推し変なんかしないわ。私は今年もさとしくんひ・と・す・じ」
「え。でも連絡先を知らないでしょ? 大葉君でさえ聞いてないって」
凛花の返答にめずらしく由美子がつっこむ。
「凛花はそれでもいいのよ。これまでだって一度も渡してないんだもん」
「えっ。ちょっ、杏、それ言っちゃう?」
「ウソォ。渡したことないの?」
思わず声が裏返った。凛花のあせりようから見て事実なのだろう。
競争相手最多で何の反応もなさそうな相手に毎年こりずに渡すなんて、つわものだと思ってたのに。
「ちがうのっ。私がねがってるのは王子の幸せなんだから。そこに私は必要ないんだって。王子の愛が成就するのを願うのみ……」
凛花は頬に両手を当てて身を捩らせながらよくわからないことを言った。
王子の愛が成就って他の人と両思いってことじゃん。
「それ、本気で言ってる?」
「誓います。うそ、いつわりございませんっ」
凛花は目を見開いてフォークを掴むと、杏の皿のいちごをフォークで刺した。真実をバラされた腹いせだろう。
杏はじっと凛花をにらんで、呆れたようにため息をつく。
「もう。いいよ、あげる。……あー、こんな話してたら、久しぶりにももちゃんや大葉たちに会いたくなっちゃった。二人は今もわちゃわちゃしてんのかなぁ」
「土曜の午後は体育館で部活だって言ってたから、今なら学校にいるんじゃないかな」
「え、二人とも? 部活はやっぱバスケ部なの?」
由美子が頷くと、凛花がチョコまみれの口を開ける。
「部活のスケジュールまで把握してるなんて。まさか由美子、大葉と大接近中?」
「ちょっと凛花、きたない。口ふきなよ」
テーブルにあるティッシュの箱を差し出す。
あたしも由美子がそんなことを知っているとは思わなかった。いつも静かに席で本を読んでいたのに、恐るべきアンテナだ。
由美子は、あはっと照れ笑いをする。
「たまたま耳に入っただけだよ」
「じゃあさ、せっかくだから会いに行かない? こっそり見るくらいならできるでしょ」
「あっ。いい。賛成! 大さんせーい!」
杏の提案に凛花が両手を上げる。もり上がっているところ水を差すのは悪いけどと、いちごを飲み込んで口を開く。
「学校に入るなら、制服じゃないと怒られるよ」
「えーっ。私たち、元同級生の姿が見たいだけだよ? そんなのひどい」
凛花がだだをこねる。杏が自信満々に胸を張る。
「大丈夫だよ。私、スポ少やってた時にあそこの体育館使ってたもん。私服でも平気だって。行こっ」
あたしも由美子も帰宅部だから、体育館の放課後利用のことはよくわからない。
杏の言うとおりなら、堂々としてればなんとかなるのかもしれないけど。
「……まぁ、見つかったら、その時はその時か」
由美子と目を合わせるとほほえみが返ってきた。
杏がテーブルの皿を重ねながら提案する。
「そうだ。行く前にかなえ、ちょっとだけ化粧してみない? せっかく持ってきたんだからさ」
「そんなのいいよ」
化粧どころか、ふだんから化粧水もまともにつけてないのだ。顔の前で思い切り両手をふって拒否してしまう。
凛花が目を輝かせ、バッグの中から白いものを取り出した。
「ほらっ。この間のカチューシャだって急いで取ってきたんだよ。これ、かなえに似合うと思うんだ。スタイリング剤もそろってるし。ね、やろ~?」
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