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ゲーム開始時編

裏社会への入門 前

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今日もゲームにログインするとすぐさまミカさんからチャットが届いた。何でも頼みたいことがあるそうだ。

「カオル、こっちだ」

そこにはライナさんも一緒だった。この前険悪な雰囲気だったのに。

「頼みたい事って何なのでしょうか?」

「実はな」

何でもとあるアイテムを入手したいとのことだ。

「モンスターのドロップとは違うのですか?」

「まったく違うんだ」

話を聞くととあるNPCからしか入手が出来ないアイテムらしい。

「カオルは確か【特別交渉】を持っていたろ。それで手に入れて欲しいんだ」

「お願いします」

二人そろって頭を下げてくる。

「いいですよ。それぐらいなら」

「「やった!」」

「それで、何かヒントはあるんですか」

まず2番目の町にいる案内役というNPCを探すことからスタートしなくてはならないそうだ。二人も忙がしそうだがそのアイテムがあれば攻略に役立つアイテムとして優先して入手するために時間を割いている。ちょっと気合を入れないとな。

すぐさまその案内役というキャラを探すことにした。

NPCにも名前があるのだが基本的には見えない。何らしかのスキルか雇用しなくては名前を教えてくれないのだ。

30分ほど町の中を探す。

「いた」

それはややボロな灰色の外套を着たキャラだった。だが、案内役という名前がどうにも気になる。

「あそこの道の角にいるのがそうだよ」

「あいつか」

「地味ですがいかにもその道の人って感じですね」

早速近づく。まずはミカさんとライナさんが話しかける。そしてすぐに帰ってくる。

「どうでしたか」

「アタシらじゃ条件を満たしてないから決まりきった答えしか返ってこなかったよ」

「情報屋に聞いたとうり特別なスキルが無いと無理みたいです」

なので僕が話を聞きに行くと、

「へぇ、あんた。話が分かる人だねぇ。ククク」

明らかに態度が変わった。

「それで、何が欲しいんだい?」

「(何が欲しいんですか)」

二人に秘密チャットで聞く。

「((裏社会の入門書だ))」

そういえばこのゲームにはそうした裏世界のことは何も書かれていなかった。早速そのアイテムが欲しいと伝える。

「お目が高いねぇ。値段は・・・そうだなぁ」

値段は1冊につき100万。非常に馬鹿げた金額であった。ゲームがまだ序盤ということを考えると法外な金額である。

「(だって、どうしようか)」

「(情報屋は売ってくれるキャラまでは特定できたが値段については聞けなかったからなぁ)」

「(金には余裕を持って来ましたがまさかこんな金額だとは)」

二人ともあまりの金額に溜息をついた。

「(どんなアイテムなのですか)」

「(このゲームには特別なアイテムを使わないと修得不可能なスキルがあるんだよ【スティール】【変装】とかな)」

「(モンスター等にはドロップ枠とは別に盗むことでしか入手不可能なアイテムが設定されているんですよ)」

このアイテムはそうしたスキルを覚えられる特殊アイテムのようだ。

「(二人の所持金は?)」

聞くと二人でギリギリ2冊分だった。

「(だったら不足分を僕が出します)」

僕の分も含めて3冊購入することにした。

「(いいのか)」

「(そのぐらいでしたら何とか)」

「(ありがとうございます)」

二人は僕に金をトレードしてきた。そして僕はその金と所持金を合わせて3冊購入した。

「まいどありぃ。あんたらがいつかこっちの世界に来て活躍することを願っているよ」

裏社会の人間のような返事を返される。

早速トレードで二人に1冊ずつ渡す。

「カオルにはこのアイテムの効果を説明しておかないとな」

このアイテムを使用したキャラには3つの要素が追加される。1つ目は隠しスキルの開放、2つ目は裏社会への繋がり、3つ目はアイテムだ。

1つ目は【スティール】【変装】などといった盗賊方面の初期スキルを入手できること。

2つ目はこれは裏社会への入門書だということ、ダークな世界へと入れる。

3つ目はそっちの世界で流通している特殊アイテムの購入。

ここまで言えば分かるとうり光が差すのならば影が生まれる、表街道があれば裏街道もあるということだ。

「このアイテムは入手方法が非常に限定されていて値段が最初のほうなのに異常に高いんだよ」

つまりそれだけ裏社会という設定が常識になっているみたいだ。

「βの時はそれらしいイベントキャラが存在してたんで実装されるって噂がかなりあったんですよ」

「ふぅん」

「でも、公式には書かれてなくて情報屋もかなり動き回ったんです」

それだけの価値があるのか。

「これの最大の特徴は使用回数が20回と多いことだな」

普通のアイテムは1回使うと消えてなくなるので高額な理由も分かるが。

「とりあえず当初の目的は達成できた。次に進むには隠されている条件を色々満たさないとな」

「ですねぇ」

二人がこれをどう使うのかは分からないけど裏社会かぁ、なんか血生臭い感じがするけどゲームなら有りだよね。さっそく使おうかな。

もう渡してしまったので後の使い道は二人が考えるのが当然だ。早速宿屋に戻って使う。

『汝は裏街道を進むのか。そこにあるのは悲しい正義か?それとも無意味な希望か?それを己で確かめるがよかろう』

そしてシステムから声が聞こえる。

「特別なお知らせです。特殊アイテム『裏世界の案内書』使用により一部の制限が解除されます。【スティール】【開錠】【変装】【隠蔽】【毒薬】【値切り】【賄賂】が解除されます。さらに隠しクエスト『裏社会の歩き方』が始まります」

さっそくその効果が現れる。

どれどれ、まずは前提条件としてスキルレベルを一定以上まで上げなくてはいけないのか。

すぐさま行動に移る。

1時間後。

「すごく疲れるなぁ」

感想はそれだけだった。

まずスキルレベルの上がり方が僕でもさほど大きくないこと。スキルは初期スキルということなので効果は大して高くないのだが上げるのにはひたすら使用し続けなければいけないこと。さらに成功確率が低く下手をすると無駄骨になってしまう可能性が高いこと。

そんな地味で困難な作業をひたすら繰り返さないといけないのだ。結局その日は全てそれに費やすことになった。

5日後にやっと目標レベルまで到達し最初のクエストの条件が確認できる。

最初に出されたクエストは4つ。

「『バガガの財布を手に入れろ』『名も無き商人の倉庫をこじ開けろ』『商品を値切って差し出させろ』『町の賭博場を手に入れろ』か」

タイトルからも分かるとうり、あまり良いとは言えないクエストだった。ここまできて退くのももったいないし何より犯罪行為を容認している世界を体感できるという設定にやる気が沸いて進めることにした。

「最初はこれから始めるか」

まずは『バガガの財布を手に入れろ』からスタートする。

このバガガというのは鉱山の権利を持っている一族の放蕩息子という設定のNPCで町で豪遊三昧をしている男だ。いつも太鼓持ちを引き連れていて見るからに派手な男である。だがさすがに権力を持っている一族という設定であるだけに近くには屈強なNPCが数人護衛についている。

下手に近づこうものならボコボコにされてしまうだろう。そんな相手から財布を手に入れろというかなり難易度が高いクエストだ。

僕はまず相手を観察することから始める。相手はそこらじゅうを歩き回り派手な身なりをしているので見つけるのは難しくないが近づくとなると難しい。

とにかく張り付いて隙を探す。

「ん?」

バガガが道の影にいたホームレスに近寄る。

「ふん。己の身なりすらまともに出来ぬ貧乏人が」

懐から財布を取り出し皿に金を沢山入れている。

「バガガ様、いつもいつもありがてぇことで」

ホームレスはひたすら頭を下げてくる。

「早くまっとうな生活をできるようにしろ」

口汚く嫌味を言って行ってしまう。その様子を見てピンと来るものがあった。

「(クエストでは財布の入手手段については触れていなかったね。これはいけるかも)」

チラッと見たが出した金に比べて財布はただの財布だった。あれだけの金を出せるのにその財布を出せない訳がないと思いついたのだ。

すぐさま変装してホームレス同然の姿となり町の影近くに皿を出してひもじくなる。しばらくするとバガガらがやってきた。

「ふん、このホームレスが」

そうして懐から財布を取り出して金を出そうとするが、

「バガガ様、あっしは今はホームレスですがいつかはバガガ様のように金持ちになりたいんです」

だから金ではなくその財布をくださいと。

「はぁ?」

「金持ちでいらっしゃるバガガ様の金運にあやかりたんですよ」

金よりもそちらのほうが大切だと主張する。

「変な乞食だな。金よりも運のほうが大切とは」

一瞬躊躇したバガガだが、

「こんな財布程度に入っている金など捨ててもかまわないものだ。持ってけ」

そうして金が入った財布ごと皿に入れてくる。

「早くまともな生活に戻るのだな強欲乞食が」

「はは~っ、バガガ様~」

そうしてひたすらに感謝していることを頭を下げて伝えているとどこかに行ってしまう。その財布は取られないようにすぐさま懐に仕舞ってしまう。

「クエスト『バガガの財布を手に入れろ』をクリアしました」

よし、目論見はうまくいった。

次のクエストに移ろう。

『名も無き商人の倉庫をこじ開けろ』のクエストは開錠を行うクエストだ。夜間に行い制限時間内で倉庫のアイテムを奪うというクエストなのだが、

「(えらく立派な錠前だな)」

タイトルの言うような貧乏商人の物とは思えない重くごつく立派な錠前を見て溜息をつく。制限時間は短いので急いでこじ開けなければいけない。

「(練習は沢山したけどこれは難題だなぁ)」

ここに来る前に練習として遊び道具のような錠前で練習をしたがこれは本格的なものでかなり難しい。考えている余裕など存在せずひたすら針金などで弄る。

時間は無情にも確実に減っていく。

悪戦苦闘して残り1分前で鍵は開いた。目的のアイテムをとってクエスト達成だ。

『商品を値切って差し出させろ』は店で売っているアイテムを一つ値切るだけ、それだけなのだが。これも難関である。どんなアイテムでも値切りを行える回数が決められていてその金額はスキルレベルが大きく左右する。アイテムを値切り出来る金額は元値の95%まで。

このクエストではその95%までアイテムを値切らなくてはならないのだ。しかも失敗すれば元値まで戻る仕様である。

そこまで値切るなんて現実では不可能だがゲームでは出来る。もちろん数回程度では不可能だ。僕は3桁を超える回数を行ってようやくクエストを達成できた。

最後の『町の賭博場を手に入れろ』に取り掛かる。

こちらの世界では賭博行為は商業兼娯楽として合法である。ただ今の時点で表立った大きな店は無く町裏でコッソリ開いているという昔のようなことが多い。NPCに賄賂で場所を聞き出して向かう。

「(完全に場違いだなぁ)」

外見上まだ若者である僕が見るからにスジがありそうな連中に混じって賭博をするというのは非現実的すぎて不思議だが出来るのだ。クエストを達成するのはまず賭博場で勝ち続ける必要がある。

ゲームは現実でいうブラックジャックと同じ、ゲームはそれだけだった。昔は姉相手によくした覚えがあるのでルールは分かっている。

「21」

「うっ」

僕は初日から負け知らずだった。普通は運の要素が大きいのだがスキルのおかげであまり戦略らしい戦略を使わずとも勝てるゲームを続けていた。

2日目、3日目と続けて通い、ついに勝った金額はちょっとした山となる

「お兄ちゃん、ちぃと話をしようか」

強面の男から声を掛けられる。勝負で黙らせられないなら拳で黙らせるのか?そうして店を出ることになる。

それから「黙ってついて来い」と、そう言われて見知らぬ裏道を付いて行く。

しばらくして一軒の大きな家に案内される。

「入りな」

家の中に入るとそこかしこに手入れされた装飾品や芸術品が飾ってありかなりの資産家だと判断できる。

奥のほうまで行くと、

「親分、失礼します」

扉をノックして部屋に入る。

「おやぁ、ベックスじゃないかい」

部屋の中にいた親分はまるで遊女のようだった。非常に色気があり大人的、スタイルもすごく良い。そして露出も激しい。それが親分とは。

「ちっとお話が・・・」

そうして小声で話し出す。

「へぇ、どこの勢力にも所属してないフリーの博徒かぁ」

「ここ数日の間に現れたくせにえらく強くて」

何人も相手をさせたが勝負にならない、それぐらい強いのだと。

「フフッ。それはそれは」

するとその女性親分はこちらに近づいてくる。目前まで来るとこちらをじっくりと観察し始める。大人の色香というヤツだろうか、甘い香りがしてくる。

「ねぇ、お兄さんや」

「なんでしょうか」

「いい話があるんだけどさ」

危険だけどすごく実入りがいい仕事を紹介しようか?そんな誘いだった。

「なぜそんな話を?」

「この町には鉱山で働く労働者が無数に入ってくる。そいつらは金はあるけど娯楽がない。この町にも色々遊ぶところは多い、中には刺激を求めてこちらに来ることも多いんよ」

「だから?」

「うちらはこの町で賭博場の一つを預かってんやけど外部から来る人へのもてなしもせなあかんのよ。だけど、中には決まりごとを守らんはねっかえりもおるんや」

「それとこれとどういう関係が?」

「あんはん、大層ゲームに強く豪運も持ち合わせておると感じるんよ。ほなら」

勝つゲームと負けゲームも作れるんか?と。

「やりようはありますが」

「この町には賭博場はうちが預かる以外にも数件あるんや。互いに縄張りを決めて持ちつ持たれつやってるんやけど最近入ってきた店がえろう評判悪くてな」

外部勢力からの介入、その店は町長のお墨付きを得て繁盛しているが強引な手段を用いて客を呼び込み食い物にしていると。

「うちらは出来る限り客が長く通えるように配慮してるんやけど向こうはケツの毛まで毟りとって殺してしまう。これじゃ商売は長続きせえへん」

だけど町長に文句を言っても握りつぶされてしまう。

「あんはんは冒険者だと調べはついてるんよ。ほならな、その店を潰すためにうちらに力をかしてくれへんか」

この状況は危険だと感じる。

「あんはんは外部の人間やけど極上の香りがするんよ。それも同類の」

しばらく返事を待つから考えてくれないかと。

「丁重に送り返すんやで」

そうしてとんでもない美女に見送られて家を出ることになった。道案内されて表街道まで出る、そうしてログアウトした。
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