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ゲーム開始時編
ゲームとの出会い6
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ゲームにログインしてリリアーヌさんのところに向かう。素材が足りないので持ってきて欲しいと頼まれていたのだ。建物のドアを開けると、
「だからそんなのは無理です!困ります!」
「お前のところで買った品だ!」
なにやら言い争いをしていた。リリアンテさんらは押さえに入るのかどうかオロオロしていた。
「(一体何があったのですか?)」
「(ああ、実はな・・・)」
以前ここに来た客が高性能の武器を買って代金を支払った。それだけのはずだったが彼の装備の出来を見て「まったく同じ物を作って欲しい」と押しかけてきたのだ。しかも一人ではなく複数人いて同じことを言うのである。基本的に装備はレシピさえ作ってしまえば同じ形が出来るが性能にはわずかながらの差が出来てしまう。オリジナルの外見を作成したり性能を求めると手を加え材料を変え鍛錬の手間を増やすなどの工夫が必要になる。
なのでどうやっても同じものは作りにくくなるのだ。それは全プレイヤーが理解しているはずなのだが。
「さっさと作れ!」
「それは脅しですか?」
言葉には言わないが脅しであろう。
「レシピがあるのだろう、なら作るのは容易いはずだ」
「これはオーダーメイドに近い品です。同じものは出来ません」
「おまえら生産者はそういって値段を吊り上げるのだな」
「・・・なんですって?」
非常に温厚で優しいリリアンヌさんの口調が少し荒くなる。ここまで言われて機嫌を損ねるのは当たり前だ。このプレイヤーはそれに気づかないのか、いや知っててしてるのか。
「(ちょっと)」
「(カオル・・・すみませんね、ちょっとゴタゴタしてて。こいつらはオンラインゲームのルールを知らないようで)」
普通のゲームならプレイヤーは自分一人だけであり好き勝手出来るがここは無数の人が出入りしている世界だ、なのにそれを気にかけることも無くNPCと同じと勘違いする人もある程度出てきてしまう。
良い装備を売って欲しいというのは理解できるがそれを強要しては誰からも無視されてしまう、ここはそう言う世界なのだ。
「なんだ?おまえは?」
「お客様、こちらにいる職人の売った品と同じものが欲しいとおっしゃいましたね」
「あぁん!そうだ」
「いくつ必要なのでしょうか?」
「2本だな」
「代金のお支払いはできるので」
「・・・あぁ、あればの話だがな!」
その言葉が嘘ではないことを信じようと思う。渋るのなら渡さなければいいだけだ。
「すみませんがオリジナルを少し預かりますね」
全員を連れて別室に行く
「カオル、どうするつもりですか?」
全員が不安を持っていた。
「要はこれと同じものがあと2本あれば帰るのでしょう」
「そうですが現時点では最高の武器です」
性能を見ると攻撃力70越えの両手剣だ。特殊効果が二つ付いており現時点でこれを上回る性能など見たことが無い。
同じものは作れないのだと誰もがわかっている。だから僕が生み出す。オリジナルを右手に持ち左手に七色に輝く大きな原石を持って「【レプリカ】!」と唱えると左手のものが姿形を変え始める。しばらくすると右手とまったく同じものになった。
『嘘!?』
全員が目を白黒させていた。
「すみませんが詳しい説明は後です。性能の確認をお願いします」
持っていたものを渡すとよく調べて確認させる。
「・・・すごい、上から下まで完全に同じだわ!」
どうやら成功したようだ。事前に練習はしておいたがここまで上手くいくとは思わなかった。
「では、もう一つ同じものを生み出します」
同じ手順でもう1本武器を複製する。そうして相手の前まで持っていった。
『嘘だろ、オィ!』
相手は渡した武器が完全に同じで増えていたことに驚愕していた。
「さ、まったく同じものを2本用意しました。お買い上げください」
オリジナルを元の持ち主に返してから宣言した。
「オイ!お前ら!一体何をしやがったんだ!」
「さぁ?そんなことはどうでもいいではありませんか?簡単に言えば企業秘密というと思いますが?」
僕はニッコリと笑顔を絶やさず対応していた。
「さぁ、これが欲しいなら代金を払ってください」
「・・・」
「現実だろうとゲームだろうと物を買うにはお金を出すのが常識でしょう。さ、出してください」
「・・・・・・」
「先ほどの大言壮語はどこにいったのですか?出さなければ渡しませんが」
「・・・・・・ねぇよ」
「はい?」
「金なんて払う気ねぇよ!さっさとそいつを寄越しやがれ!」
大人の癖に逆ギレである。そこそこ強いみたいだけど僕のモンスターの敵ではない。全部呼び出してHPバーを瀕死寸前にまで追い込んで叩き出した。馬鹿な連中だよね、こんな行動をすればどうなるのかわかってない。
「大丈夫か!ガラの悪い連中が押しかけて来たってチャットがきたから飛び出してきたが」
すぐさまミカさんらが入ってきた。
「そいつらなら追い出しました」
「そうか。完全な馬鹿だな、この世界で生産者を敵に回すことがいかに恐ろしいのかわかってない」
生産者同士は横の繋がりが非常に広い。もし敵に回せば誰も売ってくれなくなる。そんなことになれば町の外に出ることすら不可能なのだ。
「それはそうとカオル、まったく同じ装備を生み出したあのスキルは何なのですか?」
やっぱりそれを説明しておかないといけないな。
使ったのは【レプリカ】というスキルだ。そのままの意味で複製である。これを使うには採掘で手に入るマジカルジュエルが必要でスキルランクによって消費量が減る。必要な計算式はまだ分からないがあらゆるアイテムにはこれの消費量を決定する隠しパラメータがありそれに従っている。
基本的に食べ物のようなものは少なく装備などは多くなる傾向のようだった。試したのは簡単に手に入る素材だけだったが成功確率はなんと100%である。
装備の性能をそのままコピーで出来るのでオリジナルが一個でもあればいくらでも同じものが出来るのが最大の特徴だ。素材として使ってもまったく問題はないし装備などは性能から特殊効果まで完全にコピーできる。
それを皆に説明した。
「とんでもないスキルですね」
全員がとても驚きつつも納得してくれた。
「それってどれにでも使えるんですか?」
「いくつか試したけど【レプリカ】出来ないものは無かったよ。コピー不可能という説明が入ってないならいけると思う」
「それじゃどんなレアアイテムもいくらでも量産できますね!」
「ごめん。実はマジカルジュエルの入手率は僕でも良くなくてバカスカ乱造はできない」
「そのぐらいの難しさはゲーム上当然であろうな」
「それよりも【レプリカ】したこの装備、どうしようか?」
目の前にある最高品の装備をどうにかしないと。
「これだけの装備を飾りにするのはもったいないですね」
「買い手がいないのならあたしらに1本売ってくれ。ちょうど前衛の装備が欲しかったところだ」
ミカさんが申し出る。
「値段は前の買い手と同じでいいですか」
それでかまわないと。
「残りはバザーに出しましょう」
装備の販売先が決まる。そう決まった瞬間全員の視線が集まった。
「「「「で、マジカルジュエルはあと残りいくつありますか!?」」」」
「も、もう無いよ!」
何しろ場所が最初の町近くの小さな岩場ぐらいしか見つからなかったのだ。そこで数日も時間をかけてあの2つ分の数が精一杯である。数を手に入れるならば2つ目の町に向かい採掘ポイントを見つけてひたすら掘るしかない。
「こうなるとあの話を前倒ししないといけませんね」
「計画?」
「ええ、現在カオルが提供している素材以外は殆ど低品質で装備の限界が見えています。なので次の町に行きたいという生産者は数多い。なので大人数で突破しようという話が立ち上がっています。2つ目の町の近くは山が多く岩場で採掘ポイントは無数にあります。ある程度戦闘系の人も入ってもらいますが7割は戦闘に参加できない人と考えればよいでしょう」
その話を出来るだけ早くすると。でもそんなに大人数も参加しないことになるとかなりきついな。
「このままカオルに頼ってばかりではゲームが進みませんし参加できる人だけでも突破することにしましょうか」
すぐに行動が開始される。
「あ、そうそう。武器が初期のままだと問題が出そうだから装備を作っといたわ」
一本の杖をトレードで渡される
術使いの杖 攻撃力15 INT+25 MND+25 LUK+10 40/40
「ありがとうございます」
「代金のほうはいつも大量の素材を持ってきてもらってるからその中から引いてるから」
よし、これで武器のほうはいいな。アイシャさんらのところに行こうか。
「リリアーヌさんはそう言ってました」
『私たちも参加するわ』
防具の製作を頼んでいたアイシャさんとメリルさんも同意した。
「提供してもらった素材が良くて上等な服が数多く作れたし次の町には良い生地などが売ってあるのよ」「細工品はインゴットを加工することが多いしね~」
かなり次の町に行くことが楽しみのようだ。
「それはそうと依頼の品は出来てるわ」
「ありがとうございます」
着替えると結構アクティブな服装だな。シャツの上に女性用に近いベストを着て短パンにブーツ、頭には小さめの帽子か。姿見で見ると中々良かった。左手に腕輪をつける。
ユーディンの帽子 防御力8 INT+15 LUK+10 40/40
ユーディンの上着 防御力20 VIT+15 INT+10 DEX+10 40/40
ユーディンの下着 防御力18 VIT+15 MND+10 DEX+10 40/40
ユーディンの靴 防御力12 VIT+10 AGI+15 40/40
ユーディンの腕輪 防御力5 LUK+5 25/25
とりあえず防具もこれでよし、これでかなり戦闘が楽になるな。
「どう?」
「とってもいいデザインです」
二人ともとても喜んでいる。
「次の町へのルート開放の時間は3日後です。町の広場に来てください」
そして3日後になる。
「何かすごく多いですね」
「それだけ次の町へ進みたい人が多いのよ」
集まった人数は60人のフルPTだ。その中にはミカさんらもいた、他にも個別に雇ったというプレイヤーもいるらしい。
「今日は集まりありがとうございます。今回は良質な素材を手に入れるために次の町へのルートを開放することです。固定ボスは基本的に戦闘系のプレイヤーに任せることになりますが途中で何度か戦闘が発生することは十分考えられますので身の守りをしっかりと行ってください」
大集団は出発した。
「カオル、モンスターの気配は?」
「このまま直進して大丈夫だよ」
【精霊の瞳】を持っている僕にはかなり広範囲のモンスターの姿が手に取るように分かる。なので先頭を進み出来る限り戦闘を避けるルートを見つけるのが仕事だった。普通ならば全方位警戒が必要だけど生産者が数多いこのPTでは無用の戦闘は出来る限り避ける必要がある。
何度かルートを変えて進んでいく。
「ミカさん、この先に数体強い敵の反応がある」
「回避は出来ないか」
「ちょっと無理、他の方向にも数多く敵の反応がある」
「だろうな。よし、先に行って排除するぜ」
先に次の町のルートを攻略しているミカさんらは回避できないと判断して先に行って敵を倒すことを決断した。連絡があるまで草原で待機するしかない。僕も一緒に行こうとしたが「これだけ広範囲の敵を感知できるのはお前だけだ。待ってろ」そういわれて待つことになった。
数分後排除が終わったそうなので先に進み出す。しばらく進み出すと山々が見え出し始め町らしき建物が見え出した。
「ここから少し進むと巨大な熊モンスターが現れるぜ」
そいつがルートを塞いでいる固定ボスだと。ここから先は戦闘を出来る人だけで行かないといけない。
「カオルにも入ってもらうぞ」
「僕も?」
「ボスがドロップするアイテムにはユニークアイテムが多い。前回はお前がいなかったからアイテムが渋かったが今回は期待できる」
基本的に何もしなくて良いそうだが万が一の場合は僕のモンスターを召喚して力押しで行く予定のようだった。
「いくぞ!」
そうして初めてのボスに挑む。
進み出すと左の山からものすごい勢いで駆け下りてくる巨大な熊がやってきた。
「ガオ~!」
相手は一体でこちらは16人、しかしボスだけあって全能力が高い。前衛が盾を構えながらジリジリと近づこうとするが強烈な攻撃で弾き飛ばされる。
「ちっ!あいかわらずのパワーだ!」
腕を左右に振り回し接近させない。弓などで攻撃しようにも相手の能力が高すぎるのですぐさま回避行動を取るだろう。まずは動きを止める必要が。
「《沼地》」
呪術のアーツを発動して敵の足場を一時的に沼に変化させる。すると膝ぐらいまで沈み込む。さらにアーツを発動する。
「《土護法》
すると仲間全員の防御力が大幅に上がる。
「何のスキルだ!」
「陰陽術です!」
「陰陽術にはそんなのがあるのか。助かるぜ!」
相手は動きずらくなりさらに防御力が大幅に上がったことで前衛が接近し動きを制限する、さらに攻撃を加えて。後衛の弓使いや魔術師は相手の動きが止まり攻撃を当てやすくなる。徐々に優勢となる。しかしボスなのでHPが高く気は抜けない。何度も攻防を繰り返す。
その間に前衛のHPが減っていく。回復用のポーションは各自持ってきているがそれでは追いつけない人も出始める
「《治癒水》」
僕も陰陽術を使い回復に加わる。10分ほど攻めているがまだ敵は倒れない。次第に戦列から離脱する人も現れ始めた。
「ちっ!計算よりしぶとい」
前回は戦闘能力の高い人が多かったので何とかなったが今回はそれよりも少ない、手札が少ないのだ。まだ誰も死んでないがそれも時間の問題だ。
「全員一旦下がれ!」
ミカさんが叫び敵の周囲から離脱する。
「カオル、すまないが最後の手を使わせてくれ」
全員が頷く。
連れてきた生産者には黙っていたが戦力不足の不安は誰もが認めていた。出来うるのならば自分らだけで倒したかったがそれでは誰かしら死ぬことになる。どうしても勝ち目が見えない場合は僕が相手をすることが決定していた。
「ヒマワリ、ラン、アジサイ。力を貸して!」
3体の相棒を呼び出す。
「な?あれがテイムしたモンスターだと!」
話には聞いていたのだろうがあまりにも高いステータスに全員が驚いている。
「各自全力攻撃開始」
ヒマワリは体を動かし凄い勢いで体当たりする。それだけでガクッと相手のHPが下がる。ランはいくつもの火の玉を生み出して攻撃しアジサイは風のエレメントで敵を攻撃する。
プレイヤーに比べて遥かに高いモンスター3体の攻撃をひたすら食らうボス。HPが凄い勢いで減少しついに0になった。
「すげぇ、すげぇぜ!お前さんは!」
全員から祝福される。
「テイマーって趣味職だと思ってたけどこんなに強いのもいるんだ」
参加した人の中にはβの頃からのプレイヤーもいる。その頃はどうだかわからないけど。
「お前ら、ドロップを確認しろ」
ミカさんの声で各自アイテムの項目を見る。
「すげぇ、レア以上のアイテムが沢山ある」
どうやらスキル補正がちゃんとかかっていて喜びの声を上げる人は全員だった。
「貴重なアイテムを多数獲得して嬉しいのは分かるがまだ生産者を次の町まで届ける仕事は続行中だ」
気を抜くなと。
「カオル、すまねぇな」
「いいえ」
出来るのならば僕の事は隠しておきたかったがあの状況ではどうしようもなかったと納得する。こうして多くの生産者が第2の町へと足を踏み入れた。
「だからそんなのは無理です!困ります!」
「お前のところで買った品だ!」
なにやら言い争いをしていた。リリアンテさんらは押さえに入るのかどうかオロオロしていた。
「(一体何があったのですか?)」
「(ああ、実はな・・・)」
以前ここに来た客が高性能の武器を買って代金を支払った。それだけのはずだったが彼の装備の出来を見て「まったく同じ物を作って欲しい」と押しかけてきたのだ。しかも一人ではなく複数人いて同じことを言うのである。基本的に装備はレシピさえ作ってしまえば同じ形が出来るが性能にはわずかながらの差が出来てしまう。オリジナルの外見を作成したり性能を求めると手を加え材料を変え鍛錬の手間を増やすなどの工夫が必要になる。
なのでどうやっても同じものは作りにくくなるのだ。それは全プレイヤーが理解しているはずなのだが。
「さっさと作れ!」
「それは脅しですか?」
言葉には言わないが脅しであろう。
「レシピがあるのだろう、なら作るのは容易いはずだ」
「これはオーダーメイドに近い品です。同じものは出来ません」
「おまえら生産者はそういって値段を吊り上げるのだな」
「・・・なんですって?」
非常に温厚で優しいリリアンヌさんの口調が少し荒くなる。ここまで言われて機嫌を損ねるのは当たり前だ。このプレイヤーはそれに気づかないのか、いや知っててしてるのか。
「(ちょっと)」
「(カオル・・・すみませんね、ちょっとゴタゴタしてて。こいつらはオンラインゲームのルールを知らないようで)」
普通のゲームならプレイヤーは自分一人だけであり好き勝手出来るがここは無数の人が出入りしている世界だ、なのにそれを気にかけることも無くNPCと同じと勘違いする人もある程度出てきてしまう。
良い装備を売って欲しいというのは理解できるがそれを強要しては誰からも無視されてしまう、ここはそう言う世界なのだ。
「なんだ?おまえは?」
「お客様、こちらにいる職人の売った品と同じものが欲しいとおっしゃいましたね」
「あぁん!そうだ」
「いくつ必要なのでしょうか?」
「2本だな」
「代金のお支払いはできるので」
「・・・あぁ、あればの話だがな!」
その言葉が嘘ではないことを信じようと思う。渋るのなら渡さなければいいだけだ。
「すみませんがオリジナルを少し預かりますね」
全員を連れて別室に行く
「カオル、どうするつもりですか?」
全員が不安を持っていた。
「要はこれと同じものがあと2本あれば帰るのでしょう」
「そうですが現時点では最高の武器です」
性能を見ると攻撃力70越えの両手剣だ。特殊効果が二つ付いており現時点でこれを上回る性能など見たことが無い。
同じものは作れないのだと誰もがわかっている。だから僕が生み出す。オリジナルを右手に持ち左手に七色に輝く大きな原石を持って「【レプリカ】!」と唱えると左手のものが姿形を変え始める。しばらくすると右手とまったく同じものになった。
『嘘!?』
全員が目を白黒させていた。
「すみませんが詳しい説明は後です。性能の確認をお願いします」
持っていたものを渡すとよく調べて確認させる。
「・・・すごい、上から下まで完全に同じだわ!」
どうやら成功したようだ。事前に練習はしておいたがここまで上手くいくとは思わなかった。
「では、もう一つ同じものを生み出します」
同じ手順でもう1本武器を複製する。そうして相手の前まで持っていった。
『嘘だろ、オィ!』
相手は渡した武器が完全に同じで増えていたことに驚愕していた。
「さ、まったく同じものを2本用意しました。お買い上げください」
オリジナルを元の持ち主に返してから宣言した。
「オイ!お前ら!一体何をしやがったんだ!」
「さぁ?そんなことはどうでもいいではありませんか?簡単に言えば企業秘密というと思いますが?」
僕はニッコリと笑顔を絶やさず対応していた。
「さぁ、これが欲しいなら代金を払ってください」
「・・・」
「現実だろうとゲームだろうと物を買うにはお金を出すのが常識でしょう。さ、出してください」
「・・・・・・」
「先ほどの大言壮語はどこにいったのですか?出さなければ渡しませんが」
「・・・・・・ねぇよ」
「はい?」
「金なんて払う気ねぇよ!さっさとそいつを寄越しやがれ!」
大人の癖に逆ギレである。そこそこ強いみたいだけど僕のモンスターの敵ではない。全部呼び出してHPバーを瀕死寸前にまで追い込んで叩き出した。馬鹿な連中だよね、こんな行動をすればどうなるのかわかってない。
「大丈夫か!ガラの悪い連中が押しかけて来たってチャットがきたから飛び出してきたが」
すぐさまミカさんらが入ってきた。
「そいつらなら追い出しました」
「そうか。完全な馬鹿だな、この世界で生産者を敵に回すことがいかに恐ろしいのかわかってない」
生産者同士は横の繋がりが非常に広い。もし敵に回せば誰も売ってくれなくなる。そんなことになれば町の外に出ることすら不可能なのだ。
「それはそうとカオル、まったく同じ装備を生み出したあのスキルは何なのですか?」
やっぱりそれを説明しておかないといけないな。
使ったのは【レプリカ】というスキルだ。そのままの意味で複製である。これを使うには採掘で手に入るマジカルジュエルが必要でスキルランクによって消費量が減る。必要な計算式はまだ分からないがあらゆるアイテムにはこれの消費量を決定する隠しパラメータがありそれに従っている。
基本的に食べ物のようなものは少なく装備などは多くなる傾向のようだった。試したのは簡単に手に入る素材だけだったが成功確率はなんと100%である。
装備の性能をそのままコピーで出来るのでオリジナルが一個でもあればいくらでも同じものが出来るのが最大の特徴だ。素材として使ってもまったく問題はないし装備などは性能から特殊効果まで完全にコピーできる。
それを皆に説明した。
「とんでもないスキルですね」
全員がとても驚きつつも納得してくれた。
「それってどれにでも使えるんですか?」
「いくつか試したけど【レプリカ】出来ないものは無かったよ。コピー不可能という説明が入ってないならいけると思う」
「それじゃどんなレアアイテムもいくらでも量産できますね!」
「ごめん。実はマジカルジュエルの入手率は僕でも良くなくてバカスカ乱造はできない」
「そのぐらいの難しさはゲーム上当然であろうな」
「それよりも【レプリカ】したこの装備、どうしようか?」
目の前にある最高品の装備をどうにかしないと。
「これだけの装備を飾りにするのはもったいないですね」
「買い手がいないのならあたしらに1本売ってくれ。ちょうど前衛の装備が欲しかったところだ」
ミカさんが申し出る。
「値段は前の買い手と同じでいいですか」
それでかまわないと。
「残りはバザーに出しましょう」
装備の販売先が決まる。そう決まった瞬間全員の視線が集まった。
「「「「で、マジカルジュエルはあと残りいくつありますか!?」」」」
「も、もう無いよ!」
何しろ場所が最初の町近くの小さな岩場ぐらいしか見つからなかったのだ。そこで数日も時間をかけてあの2つ分の数が精一杯である。数を手に入れるならば2つ目の町に向かい採掘ポイントを見つけてひたすら掘るしかない。
「こうなるとあの話を前倒ししないといけませんね」
「計画?」
「ええ、現在カオルが提供している素材以外は殆ど低品質で装備の限界が見えています。なので次の町に行きたいという生産者は数多い。なので大人数で突破しようという話が立ち上がっています。2つ目の町の近くは山が多く岩場で採掘ポイントは無数にあります。ある程度戦闘系の人も入ってもらいますが7割は戦闘に参加できない人と考えればよいでしょう」
その話を出来るだけ早くすると。でもそんなに大人数も参加しないことになるとかなりきついな。
「このままカオルに頼ってばかりではゲームが進みませんし参加できる人だけでも突破することにしましょうか」
すぐに行動が開始される。
「あ、そうそう。武器が初期のままだと問題が出そうだから装備を作っといたわ」
一本の杖をトレードで渡される
術使いの杖 攻撃力15 INT+25 MND+25 LUK+10 40/40
「ありがとうございます」
「代金のほうはいつも大量の素材を持ってきてもらってるからその中から引いてるから」
よし、これで武器のほうはいいな。アイシャさんらのところに行こうか。
「リリアーヌさんはそう言ってました」
『私たちも参加するわ』
防具の製作を頼んでいたアイシャさんとメリルさんも同意した。
「提供してもらった素材が良くて上等な服が数多く作れたし次の町には良い生地などが売ってあるのよ」「細工品はインゴットを加工することが多いしね~」
かなり次の町に行くことが楽しみのようだ。
「それはそうと依頼の品は出来てるわ」
「ありがとうございます」
着替えると結構アクティブな服装だな。シャツの上に女性用に近いベストを着て短パンにブーツ、頭には小さめの帽子か。姿見で見ると中々良かった。左手に腕輪をつける。
ユーディンの帽子 防御力8 INT+15 LUK+10 40/40
ユーディンの上着 防御力20 VIT+15 INT+10 DEX+10 40/40
ユーディンの下着 防御力18 VIT+15 MND+10 DEX+10 40/40
ユーディンの靴 防御力12 VIT+10 AGI+15 40/40
ユーディンの腕輪 防御力5 LUK+5 25/25
とりあえず防具もこれでよし、これでかなり戦闘が楽になるな。
「どう?」
「とってもいいデザインです」
二人ともとても喜んでいる。
「次の町へのルート開放の時間は3日後です。町の広場に来てください」
そして3日後になる。
「何かすごく多いですね」
「それだけ次の町へ進みたい人が多いのよ」
集まった人数は60人のフルPTだ。その中にはミカさんらもいた、他にも個別に雇ったというプレイヤーもいるらしい。
「今日は集まりありがとうございます。今回は良質な素材を手に入れるために次の町へのルートを開放することです。固定ボスは基本的に戦闘系のプレイヤーに任せることになりますが途中で何度か戦闘が発生することは十分考えられますので身の守りをしっかりと行ってください」
大集団は出発した。
「カオル、モンスターの気配は?」
「このまま直進して大丈夫だよ」
【精霊の瞳】を持っている僕にはかなり広範囲のモンスターの姿が手に取るように分かる。なので先頭を進み出来る限り戦闘を避けるルートを見つけるのが仕事だった。普通ならば全方位警戒が必要だけど生産者が数多いこのPTでは無用の戦闘は出来る限り避ける必要がある。
何度かルートを変えて進んでいく。
「ミカさん、この先に数体強い敵の反応がある」
「回避は出来ないか」
「ちょっと無理、他の方向にも数多く敵の反応がある」
「だろうな。よし、先に行って排除するぜ」
先に次の町のルートを攻略しているミカさんらは回避できないと判断して先に行って敵を倒すことを決断した。連絡があるまで草原で待機するしかない。僕も一緒に行こうとしたが「これだけ広範囲の敵を感知できるのはお前だけだ。待ってろ」そういわれて待つことになった。
数分後排除が終わったそうなので先に進み出す。しばらく進み出すと山々が見え出し始め町らしき建物が見え出した。
「ここから少し進むと巨大な熊モンスターが現れるぜ」
そいつがルートを塞いでいる固定ボスだと。ここから先は戦闘を出来る人だけで行かないといけない。
「カオルにも入ってもらうぞ」
「僕も?」
「ボスがドロップするアイテムにはユニークアイテムが多い。前回はお前がいなかったからアイテムが渋かったが今回は期待できる」
基本的に何もしなくて良いそうだが万が一の場合は僕のモンスターを召喚して力押しで行く予定のようだった。
「いくぞ!」
そうして初めてのボスに挑む。
進み出すと左の山からものすごい勢いで駆け下りてくる巨大な熊がやってきた。
「ガオ~!」
相手は一体でこちらは16人、しかしボスだけあって全能力が高い。前衛が盾を構えながらジリジリと近づこうとするが強烈な攻撃で弾き飛ばされる。
「ちっ!あいかわらずのパワーだ!」
腕を左右に振り回し接近させない。弓などで攻撃しようにも相手の能力が高すぎるのですぐさま回避行動を取るだろう。まずは動きを止める必要が。
「《沼地》」
呪術のアーツを発動して敵の足場を一時的に沼に変化させる。すると膝ぐらいまで沈み込む。さらにアーツを発動する。
「《土護法》
すると仲間全員の防御力が大幅に上がる。
「何のスキルだ!」
「陰陽術です!」
「陰陽術にはそんなのがあるのか。助かるぜ!」
相手は動きずらくなりさらに防御力が大幅に上がったことで前衛が接近し動きを制限する、さらに攻撃を加えて。後衛の弓使いや魔術師は相手の動きが止まり攻撃を当てやすくなる。徐々に優勢となる。しかしボスなのでHPが高く気は抜けない。何度も攻防を繰り返す。
その間に前衛のHPが減っていく。回復用のポーションは各自持ってきているがそれでは追いつけない人も出始める
「《治癒水》」
僕も陰陽術を使い回復に加わる。10分ほど攻めているがまだ敵は倒れない。次第に戦列から離脱する人も現れ始めた。
「ちっ!計算よりしぶとい」
前回は戦闘能力の高い人が多かったので何とかなったが今回はそれよりも少ない、手札が少ないのだ。まだ誰も死んでないがそれも時間の問題だ。
「全員一旦下がれ!」
ミカさんが叫び敵の周囲から離脱する。
「カオル、すまないが最後の手を使わせてくれ」
全員が頷く。
連れてきた生産者には黙っていたが戦力不足の不安は誰もが認めていた。出来うるのならば自分らだけで倒したかったがそれでは誰かしら死ぬことになる。どうしても勝ち目が見えない場合は僕が相手をすることが決定していた。
「ヒマワリ、ラン、アジサイ。力を貸して!」
3体の相棒を呼び出す。
「な?あれがテイムしたモンスターだと!」
話には聞いていたのだろうがあまりにも高いステータスに全員が驚いている。
「各自全力攻撃開始」
ヒマワリは体を動かし凄い勢いで体当たりする。それだけでガクッと相手のHPが下がる。ランはいくつもの火の玉を生み出して攻撃しアジサイは風のエレメントで敵を攻撃する。
プレイヤーに比べて遥かに高いモンスター3体の攻撃をひたすら食らうボス。HPが凄い勢いで減少しついに0になった。
「すげぇ、すげぇぜ!お前さんは!」
全員から祝福される。
「テイマーって趣味職だと思ってたけどこんなに強いのもいるんだ」
参加した人の中にはβの頃からのプレイヤーもいる。その頃はどうだかわからないけど。
「お前ら、ドロップを確認しろ」
ミカさんの声で各自アイテムの項目を見る。
「すげぇ、レア以上のアイテムが沢山ある」
どうやらスキル補正がちゃんとかかっていて喜びの声を上げる人は全員だった。
「貴重なアイテムを多数獲得して嬉しいのは分かるがまだ生産者を次の町まで届ける仕事は続行中だ」
気を抜くなと。
「カオル、すまねぇな」
「いいえ」
出来るのならば僕の事は隠しておきたかったがあの状況ではどうしようもなかったと納得する。こうして多くの生産者が第2の町へと足を踏み入れた。
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楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

スキルを得られない特殊体質の少年。祠を直したらユニークスキルもらえた(なんで??)
屯神 焔
ファンタジー
魔法が存在し、魔物が跋扈し、人々が剣を磨き戦う世界、『ミリオン』
この世界では自身の強さ、もしくは弱さを知られる『ステータス』が存在する。
そして、どんな人でも、亜人でも、動物でも、魔物でも、生まれつきスキルを授かる。
それは、平凡か希少か、1つか2つ以上か、そういった差はあれ不変の理だ。
しかし、この物語の主人公、ギル・フィオネットは、スキルを授からなかった。
正確には、どんなスキルも得られない体質だったのだ。
そんな彼は、田舎の小さな村で生まれ暮らしていた。
スキルを得られない体質の彼を、村は温かく迎え・・・はしなかった。
迫害はしなかったが、かといって歓迎もしなかった。
父親は彼の体質を知るや否や雲隠れし、母は長年の無理がたたり病気で亡くなった。
一人残された彼は、安い賃金で雑用をこなし、その日暮らしを続けていた。
そんな彼の唯一の日課は、村のはずれにある古びた小さな祠の掃除である。
毎日毎日、少しずつ、汚れをふき取り、欠けてしまった所を何とか直した。
そんなある日。
『ありがとう。君のおかげで私はここに取り残されずに済んだ。これは、せめてものお礼だ。君の好きなようにしてくれてかまわない。本当に、今までありがとう。』
「・・・・・・え?」
祠に宿っていた、太古の時代を支配していた古代龍が、感謝の言葉と祠とともに消えていった。
「祠が消えた?」
彼は、朝起きたばかりで寝ぼけていたため、最後の「ありがとう」しか聞こえていなかった。
「ま、いっか。」
この日から、彼の生活は一変する。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
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加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
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いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
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魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
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グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
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世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
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追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
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ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
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たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。
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