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ゲーム開始時編
ゲームとの出会い2
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翌日からも最初の森で狩りと採集を続ける日々を送っていた。
戦闘で使える陰陽術には一定の範囲を沼に変化させる《沼地》とDEFを上げる《土護法》と相手の動きを拘束する《蔦蔓》とHPを回復させる《治癒水》とステータスを下げる《腐酸》と火の矢を飛ばす《火飛矢》のアーツが使える。
呪術はバッドステータスを回復させる《祝印》とバッドステータスを引き起こす《呪印》が使える。
何度もモンスターと戦い薬草や鉱石等を手に入れて経験地とアイテムを稼いで最初の町に戻った。モンスターはテイムしていれば中にいれることが出来るのだが外で待ってもらうことにした。
入手アイテムを一部効果《下級薬草1500個》《中級薬草1000個》《下級鉄鉱石1000個》《林檎1000個》《野苺1000個》・・・・・・etc
「うん、一杯稼げた」
入手したアイテムの数は馬鹿らしいほどに多い。これを売ればお金不足も解消するだろう。
「さて、どこで売ろうかな」
説明ではNPCとPCの両者に売れるとなっている。NPCは固定価格で売るとアイテムはゲーム内では消失するがPCだと値段に差がありそれを素材に加工も出来るようになっている。
ゲームは始まったばかりだというのにもう露店を出しているプレイヤーもいた。
いくつかあるけど女の人が多い露店を一つ発見したので交渉することにした。
「いらっしゃいませ!」
店員を青年が一人と僕と同じ小さな女の子が一人と姉妹らしいお姉さんが二人だった。
「えっと素材などを売りたいんだけど」
「買取ですね。わかりました」
そして素材を出すのだが、
「お客様は最前線のプレイヤーですか?」
なぜか難しい顔をしていた。
「違うよ、今日ゲームを始めたばかりで最初の森しか入ったことがない」
「またまたぁ、可愛い顔して凄腕なんでしょう。もしかしてβ版では有名人?」
「だから違いますって」
「でもこの素材の量はそうだとしか思えないんだけど」
出した素材は20種類をそれぞれ400個ずつ、合計で8000個。確かのこの数字ではちょっとおかしくも感じてしまう。
「残念だけどこんな量は買い取れないですね」
その3分の1なら買い取れると。数字を変えて売り渡し販売額は25000Gとなった。
その日はそれでログアウトした。次の日も森で素材を手に入れてまた同じところに売りにいった。
「あら、昨日の」
お姉さんたちは顔を覚えてくれていた。
「また素材を売りに来ました」
「う~ん、今はこの辺りで手に入る素材は余っているから買取額が低くなるわよ」
「そうなんですか」
「ゲームとはいて流通と供給の天秤があるのよ、欲しいのは次の町から手に入る素材ね」
なるほど。
「まだ私たち生産者の間では次の町まで行っているプレイヤーはいないからね」
「じゃあ素材を変化させれば買ってくれるんですね」
全員が『え?』という顔になった。
「出てきて!ヒマワリ、ラン、アジサイ」
外に置いてきているモンスターを呼び出す。花が好きなのでモンスター全てに花の名前をつけた。
「テイマーなのか!」
「じゃあ早速変化させます」
まずは彼らに素材を渡す。ヒマワリには鉱鉱石、ランには皮や骨など、アジサイには薬草などを渡す。ヒマワリは体内に飲み込みランとアジサイは何か術をかける。
1分ほどで渡した素材を返してくれる。
「これで買い取ってくれますか」
「うそ?マジで!」
お姉さんたちは変化させた素材を見て驚いていた。すると、
「ミミ!露店は大至急閉店よ!こっちのほうが一大事だわ」
全員が露店をすぐさま畳んで僕を連れ去った。
「一体なんなの?」
「拉致したことはごめんなさい」
一軒の家に連れ込まれる、まるで監禁だった。
「モンスターを呼び出したってことはテイマーで間違いないですね」
「うん」
「でもモンスターにあんなスキルがあるなんてβ版には出てなかったわ」
「そもそもテイマーが趣味的過ぎたことが原因だけど」
「俺もかなりやりこんだがゲーム開始初期ではこんな素材は絶対手に入らんぞ」
「私もです、こんな高品質な薬草は複数先の場所のドロップですし」
円陣を組んでヒソヒソ話をしている。
「えっと・・・説明を・・・お願いします」
「待たせたわね」
佇まいを直して名前を聞く。姉妹のお姉さんはリリアーヌ、リリアンテ、青年はアッシュ、小さな女の子はミミという名前だそうだ。リリアーヌさんは金属装備を、リリアンテさんは骨製品を、アッシュさんは木材職人を、ミミちゃんは薬草などを扱っているそうだ。
僕とは違いβ版からの付き合いでかなりゲームをやりこんでいたらしい。正式版でも同じように組んで商売をしている。
「単刀直入に言うわね、私たちと手を組まない」
「どういうことですか」
「私たちは生産系のスキル構成で戦闘能力は皆無、でも良質な素材を手に入れるには次の場所まで進まないといけないんだけど最前線で戦うプレイヤーでも進み方は遅い。いくらスキルをあげても装備が貧弱じゃデスペナをもらうことは必死。これでもβ版ではかなりの性能の装備を作っていて経験は豊富なんだけどどうしても素材が手に入らない」
つまり装備の性能は頭打ちということなのだろう。
「素材の入手が非常に難しくて装備を作るのに苦労してたんだけどあなたさえいれば問題を解決できるのよ。そっちがどんなスキル構成かは知らないけどよほどアイテム増加などに振り込んでるみたいだし低品質素材を高品質に変えるモンスターを複数持っているなんて現時点ではどこにもいない。だから手を貸して欲しいのよ」
「はぁ」
「もちろん見返りはちゃんとするぞ」
自分らの知識や経験は優先的に提供するし装備なども整えると。
「おねがいします!」
年上らしき全員から頭を下げられる。
「でも、設定では上等な素材を扱うスキルレベルがないと劣化するって書いてあるのですが」
「たしかに。私たちのスキルレベルでは扱うのは難しい。でも劣化するといっても極端に落ちるわけではないし落ちたとしてもどこの装備屋よりも遥かに高くなるわ」
話し振りからすると稼ぎは稼ぎとするけど馬鹿げた金額を取るようなそぶりはない。このゲームを一人でやるのは限界があるから誰かしらフレンドが欲しかったのだ。
「分かりました」
彼ら全員とフレンド登録をした。いきなり4人もだとは。
まず最初にしたのはモンスターの説明だった。彼らのことを教えると「こんなモンスターをテイムしてるのか」と呆れられた。
「早速お願いします」
すぐさま素材の変化を開始する。まずは最低品質の鉄鉱石を1000個ヒマワリに渡す。マスターである僕か許可を与えた人でないと渡せないので彼女らを登録しておく。体内に飲み込むと体をプルプルと震わせる
ランには皮や骨などを渡しアジサイには木材や薬草を同じようにわたす。最低品質の物を同じ個数渡して変化させる。二体は周囲が見えないほど術をかけ続ける。
個数が多いのでMPとSTが徐々に減っていく。10分ほどかけて完成したものが出てきた。鉄鉱石が中品質鉄鉱石が700個上品質鉄鉱石が300個出てきた。ほかの二体も同じぐらいの割合で出てくる。元が元なのでこれ以上を望むのは難しいだろう。
「これが限界」
「いやいやいや、これだけでも十分すぎるわ」
3体のステータスは大きく差があり金属だけを行うヒマワリよりもランやアジサイのほうが消耗が大きかった。それでもヒマワリは50分の1だし他の2対も40分の1だから数回は連続して行える。
「まさかゲーム開始してすぐにこんな素材が手に入るなんて!」
全員目をキラキラさせていた。
入れる素材を変えて同じ事を10回ほど行う。
「これだけあれば上等な装備が数多く作れます」
受けとった素材などは彼らに渡したが変化させるとサイズが変わるそうなので数が多すぎて持ちきれないらしい。お金があれば店舗や倉庫なども手に入るように出来ているがまだゲームを始めたばかりなので最前線で稼いでるのならともかく生産系は自転車操業の人が多いそうだ。この人たちはもう少しで店舗を構えられるそうだがそこまで稼いでいるプレイヤーはあまりいない。それだけ職人として優れているという証拠だと思う。
倉庫が使えるらしいので素材などはほぼ全て入れてしまうそうだ。
「容量がほぼ一杯になってしまいますね」
「だいじょうぶですか」
「気になさらなくても大丈夫です」
かなりの量とサイズなのだがなんとか入ったらしい。
「それでは制作に取り掛かりましょう」
彼らはそれぞれ仕事に取り掛かるそうだ。用があれば呼ぶそうなのでその間は自由にしていていいそうだ。
しばらくしてから同じ場所に行くと大行列が出来ていた。
「高品質の武器や防具や回復用のポーションまで大量にありますよ~」
前に来たときは同じ露店で雑多に売っていたが個別に露店を出しており4軒出されていた。
「武器をくれ」「こっちは防具だ」「こっちには弓矢を」「ポーション30個」
店員さんが違っていて販売してくれるNPCを雇ったらしい。チラッと見たが性能だけで他の店の3倍以上の差があった。これならこの大行列も頷ける
これならば経営は安心できると感じたのでまた森へ向かうことにした。
あれから戦闘を繰り返してスキルが上がっていく。ステータスがわずかながら上昇するがモンスターたちのほうが遥かに高くなっている。なので少し奥のほうに行くことにしたのだ。
「こんな場所もあったんだ」
そこは大きめの川だった。魚とかいるみたいだが僕には取れそうに無い。
「マスター、川の中には銅やスズなどが大量に沈んでいます」
ヒマワリから素材が沈んでいることを教えられる。確か銅とスズも素材だったな。
「取ってこれる?」
「お任せください」
ヒマワリは川の中に入る。しばらく川の底の移動を繰り返してから戻ってきた。銅やスズなどを大量に確保していた。確か胴やスズって混ぜ合わると青銅って合金になると教科書に書いてあった。また川の近くには麻に近い植物も大量に生えている。これも加工すれば布地なるんじゃないかな。
そう考えて町で買った採集用の鉈や鎌を装備して刈り取る。植物はピフカ草という名前だった。大量にあるのでザクザク刈り取る。
ここで少し現実世界の情報を見て青銅と麻のことを調べてどのように加工するのかを調べて頭の中で考えてからヒマワリに銅とスズをアジサイにピフカ草をそれぞれ渡す。
二体に思い描く形を伝えて変化させることにした。20分ぐらいすると思い描いていた青銅と麻に近い布地のロールが出来上がった。
「ご苦労様」
2体をナデナデする。
これは結構な値段で売れると考えて同じ作業を何度も繰り返して量を確保してから町に戻る。
「そろそろ装備をどうにかしないとなぁ」
特に困るということは無いのだがやっぱりファンタジー的な服を着てみたいと思うのが本音だ。今度頼むことにしようかな。
周囲には数多くのアイテムがあってそれらを採集する。
「こっちは食用に使えてこっちは毒があるのか」
野草や果物、キノコらしいアイテムを大量に手に入れる。そのままでも食べられるがバッドステータスを引き起こすものが結構多かった。
「料理とかに使えそうだけど」
料理のスキルを取りたいがSPが無いのでもうちょっと後になってしまうな。食材はあって困ることはないと考えてひたすら採集する。
「っと、空腹度が高くなってるな」
空腹度が高くなるとステータスなどが下がり動けなくなってしまう、さらにそのままでいると町へ死に戻りしてしまうのだ。NPCから買った食事を取り出して食事をする。
「皆、ごはんだよ~」
モンスターたちに料理を渡す。ごく簡単なサンドイッチだ。しばらくのんびりとしてまた進むとモンスターとの戦闘になる。鹿に近い姿のモンスターですぐさま倒してしまう。肉とか毛皮などが大量に手に入った。
「そろそろ帰ろうかな」
ゲームしてると時間の感覚が判断しにくい。昼と夜のサイクルが短いのだ。もう夕暮れになる頃だと考えたので戻ることにした。【ワープ】を唱えて町へ一瞬で戻る。そうしてログアウトした。
戦闘で使える陰陽術には一定の範囲を沼に変化させる《沼地》とDEFを上げる《土護法》と相手の動きを拘束する《蔦蔓》とHPを回復させる《治癒水》とステータスを下げる《腐酸》と火の矢を飛ばす《火飛矢》のアーツが使える。
呪術はバッドステータスを回復させる《祝印》とバッドステータスを引き起こす《呪印》が使える。
何度もモンスターと戦い薬草や鉱石等を手に入れて経験地とアイテムを稼いで最初の町に戻った。モンスターはテイムしていれば中にいれることが出来るのだが外で待ってもらうことにした。
入手アイテムを一部効果《下級薬草1500個》《中級薬草1000個》《下級鉄鉱石1000個》《林檎1000個》《野苺1000個》・・・・・・etc
「うん、一杯稼げた」
入手したアイテムの数は馬鹿らしいほどに多い。これを売ればお金不足も解消するだろう。
「さて、どこで売ろうかな」
説明ではNPCとPCの両者に売れるとなっている。NPCは固定価格で売るとアイテムはゲーム内では消失するがPCだと値段に差がありそれを素材に加工も出来るようになっている。
ゲームは始まったばかりだというのにもう露店を出しているプレイヤーもいた。
いくつかあるけど女の人が多い露店を一つ発見したので交渉することにした。
「いらっしゃいませ!」
店員を青年が一人と僕と同じ小さな女の子が一人と姉妹らしいお姉さんが二人だった。
「えっと素材などを売りたいんだけど」
「買取ですね。わかりました」
そして素材を出すのだが、
「お客様は最前線のプレイヤーですか?」
なぜか難しい顔をしていた。
「違うよ、今日ゲームを始めたばかりで最初の森しか入ったことがない」
「またまたぁ、可愛い顔して凄腕なんでしょう。もしかしてβ版では有名人?」
「だから違いますって」
「でもこの素材の量はそうだとしか思えないんだけど」
出した素材は20種類をそれぞれ400個ずつ、合計で8000個。確かのこの数字ではちょっとおかしくも感じてしまう。
「残念だけどこんな量は買い取れないですね」
その3分の1なら買い取れると。数字を変えて売り渡し販売額は25000Gとなった。
その日はそれでログアウトした。次の日も森で素材を手に入れてまた同じところに売りにいった。
「あら、昨日の」
お姉さんたちは顔を覚えてくれていた。
「また素材を売りに来ました」
「う~ん、今はこの辺りで手に入る素材は余っているから買取額が低くなるわよ」
「そうなんですか」
「ゲームとはいて流通と供給の天秤があるのよ、欲しいのは次の町から手に入る素材ね」
なるほど。
「まだ私たち生産者の間では次の町まで行っているプレイヤーはいないからね」
「じゃあ素材を変化させれば買ってくれるんですね」
全員が『え?』という顔になった。
「出てきて!ヒマワリ、ラン、アジサイ」
外に置いてきているモンスターを呼び出す。花が好きなのでモンスター全てに花の名前をつけた。
「テイマーなのか!」
「じゃあ早速変化させます」
まずは彼らに素材を渡す。ヒマワリには鉱鉱石、ランには皮や骨など、アジサイには薬草などを渡す。ヒマワリは体内に飲み込みランとアジサイは何か術をかける。
1分ほどで渡した素材を返してくれる。
「これで買い取ってくれますか」
「うそ?マジで!」
お姉さんたちは変化させた素材を見て驚いていた。すると、
「ミミ!露店は大至急閉店よ!こっちのほうが一大事だわ」
全員が露店をすぐさま畳んで僕を連れ去った。
「一体なんなの?」
「拉致したことはごめんなさい」
一軒の家に連れ込まれる、まるで監禁だった。
「モンスターを呼び出したってことはテイマーで間違いないですね」
「うん」
「でもモンスターにあんなスキルがあるなんてβ版には出てなかったわ」
「そもそもテイマーが趣味的過ぎたことが原因だけど」
「俺もかなりやりこんだがゲーム開始初期ではこんな素材は絶対手に入らんぞ」
「私もです、こんな高品質な薬草は複数先の場所のドロップですし」
円陣を組んでヒソヒソ話をしている。
「えっと・・・説明を・・・お願いします」
「待たせたわね」
佇まいを直して名前を聞く。姉妹のお姉さんはリリアーヌ、リリアンテ、青年はアッシュ、小さな女の子はミミという名前だそうだ。リリアーヌさんは金属装備を、リリアンテさんは骨製品を、アッシュさんは木材職人を、ミミちゃんは薬草などを扱っているそうだ。
僕とは違いβ版からの付き合いでかなりゲームをやりこんでいたらしい。正式版でも同じように組んで商売をしている。
「単刀直入に言うわね、私たちと手を組まない」
「どういうことですか」
「私たちは生産系のスキル構成で戦闘能力は皆無、でも良質な素材を手に入れるには次の場所まで進まないといけないんだけど最前線で戦うプレイヤーでも進み方は遅い。いくらスキルをあげても装備が貧弱じゃデスペナをもらうことは必死。これでもβ版ではかなりの性能の装備を作っていて経験は豊富なんだけどどうしても素材が手に入らない」
つまり装備の性能は頭打ちということなのだろう。
「素材の入手が非常に難しくて装備を作るのに苦労してたんだけどあなたさえいれば問題を解決できるのよ。そっちがどんなスキル構成かは知らないけどよほどアイテム増加などに振り込んでるみたいだし低品質素材を高品質に変えるモンスターを複数持っているなんて現時点ではどこにもいない。だから手を貸して欲しいのよ」
「はぁ」
「もちろん見返りはちゃんとするぞ」
自分らの知識や経験は優先的に提供するし装備なども整えると。
「おねがいします!」
年上らしき全員から頭を下げられる。
「でも、設定では上等な素材を扱うスキルレベルがないと劣化するって書いてあるのですが」
「たしかに。私たちのスキルレベルでは扱うのは難しい。でも劣化するといっても極端に落ちるわけではないし落ちたとしてもどこの装備屋よりも遥かに高くなるわ」
話し振りからすると稼ぎは稼ぎとするけど馬鹿げた金額を取るようなそぶりはない。このゲームを一人でやるのは限界があるから誰かしらフレンドが欲しかったのだ。
「分かりました」
彼ら全員とフレンド登録をした。いきなり4人もだとは。
まず最初にしたのはモンスターの説明だった。彼らのことを教えると「こんなモンスターをテイムしてるのか」と呆れられた。
「早速お願いします」
すぐさま素材の変化を開始する。まずは最低品質の鉄鉱石を1000個ヒマワリに渡す。マスターである僕か許可を与えた人でないと渡せないので彼女らを登録しておく。体内に飲み込むと体をプルプルと震わせる
ランには皮や骨などを渡しアジサイには木材や薬草を同じようにわたす。最低品質の物を同じ個数渡して変化させる。二体は周囲が見えないほど術をかけ続ける。
個数が多いのでMPとSTが徐々に減っていく。10分ほどかけて完成したものが出てきた。鉄鉱石が中品質鉄鉱石が700個上品質鉄鉱石が300個出てきた。ほかの二体も同じぐらいの割合で出てくる。元が元なのでこれ以上を望むのは難しいだろう。
「これが限界」
「いやいやいや、これだけでも十分すぎるわ」
3体のステータスは大きく差があり金属だけを行うヒマワリよりもランやアジサイのほうが消耗が大きかった。それでもヒマワリは50分の1だし他の2対も40分の1だから数回は連続して行える。
「まさかゲーム開始してすぐにこんな素材が手に入るなんて!」
全員目をキラキラさせていた。
入れる素材を変えて同じ事を10回ほど行う。
「これだけあれば上等な装備が数多く作れます」
受けとった素材などは彼らに渡したが変化させるとサイズが変わるそうなので数が多すぎて持ちきれないらしい。お金があれば店舗や倉庫なども手に入るように出来ているがまだゲームを始めたばかりなので最前線で稼いでるのならともかく生産系は自転車操業の人が多いそうだ。この人たちはもう少しで店舗を構えられるそうだがそこまで稼いでいるプレイヤーはあまりいない。それだけ職人として優れているという証拠だと思う。
倉庫が使えるらしいので素材などはほぼ全て入れてしまうそうだ。
「容量がほぼ一杯になってしまいますね」
「だいじょうぶですか」
「気になさらなくても大丈夫です」
かなりの量とサイズなのだがなんとか入ったらしい。
「それでは制作に取り掛かりましょう」
彼らはそれぞれ仕事に取り掛かるそうだ。用があれば呼ぶそうなのでその間は自由にしていていいそうだ。
しばらくしてから同じ場所に行くと大行列が出来ていた。
「高品質の武器や防具や回復用のポーションまで大量にありますよ~」
前に来たときは同じ露店で雑多に売っていたが個別に露店を出しており4軒出されていた。
「武器をくれ」「こっちは防具だ」「こっちには弓矢を」「ポーション30個」
店員さんが違っていて販売してくれるNPCを雇ったらしい。チラッと見たが性能だけで他の店の3倍以上の差があった。これならこの大行列も頷ける
これならば経営は安心できると感じたのでまた森へ向かうことにした。
あれから戦闘を繰り返してスキルが上がっていく。ステータスがわずかながら上昇するがモンスターたちのほうが遥かに高くなっている。なので少し奥のほうに行くことにしたのだ。
「こんな場所もあったんだ」
そこは大きめの川だった。魚とかいるみたいだが僕には取れそうに無い。
「マスター、川の中には銅やスズなどが大量に沈んでいます」
ヒマワリから素材が沈んでいることを教えられる。確か銅とスズも素材だったな。
「取ってこれる?」
「お任せください」
ヒマワリは川の中に入る。しばらく川の底の移動を繰り返してから戻ってきた。銅やスズなどを大量に確保していた。確か胴やスズって混ぜ合わると青銅って合金になると教科書に書いてあった。また川の近くには麻に近い植物も大量に生えている。これも加工すれば布地なるんじゃないかな。
そう考えて町で買った採集用の鉈や鎌を装備して刈り取る。植物はピフカ草という名前だった。大量にあるのでザクザク刈り取る。
ここで少し現実世界の情報を見て青銅と麻のことを調べてどのように加工するのかを調べて頭の中で考えてからヒマワリに銅とスズをアジサイにピフカ草をそれぞれ渡す。
二体に思い描く形を伝えて変化させることにした。20分ぐらいすると思い描いていた青銅と麻に近い布地のロールが出来上がった。
「ご苦労様」
2体をナデナデする。
これは結構な値段で売れると考えて同じ作業を何度も繰り返して量を確保してから町に戻る。
「そろそろ装備をどうにかしないとなぁ」
特に困るということは無いのだがやっぱりファンタジー的な服を着てみたいと思うのが本音だ。今度頼むことにしようかな。
周囲には数多くのアイテムがあってそれらを採集する。
「こっちは食用に使えてこっちは毒があるのか」
野草や果物、キノコらしいアイテムを大量に手に入れる。そのままでも食べられるがバッドステータスを引き起こすものが結構多かった。
「料理とかに使えそうだけど」
料理のスキルを取りたいがSPが無いのでもうちょっと後になってしまうな。食材はあって困ることはないと考えてひたすら採集する。
「っと、空腹度が高くなってるな」
空腹度が高くなるとステータスなどが下がり動けなくなってしまう、さらにそのままでいると町へ死に戻りしてしまうのだ。NPCから買った食事を取り出して食事をする。
「皆、ごはんだよ~」
モンスターたちに料理を渡す。ごく簡単なサンドイッチだ。しばらくのんびりとしてまた進むとモンスターとの戦闘になる。鹿に近い姿のモンスターですぐさま倒してしまう。肉とか毛皮などが大量に手に入った。
「そろそろ帰ろうかな」
ゲームしてると時間の感覚が判断しにくい。昼と夜のサイクルが短いのだ。もう夕暮れになる頃だと考えたので戻ることにした。【ワープ】を唱えて町へ一瞬で戻る。そうしてログアウトした。
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