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短編 冒険者ギルドと部族氏族の人々
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「どうあっても引く気はないということですか」
「そうだ。小難しい言葉をこねくり回して理解不能なのはそちらなのだからな」
冒険者ギルドに押しかけて来た部族連中は蛮族根性丸出しであり力こそが正義だと自負している。先祖の功績は確かに認めるところだがそれに胡坐をかき傲慢な性格になっていた。
これはもう酷い目に会ってもらわなければ心を入れ替えることは不可能と判断し決闘を行うことにした。
相手は一族でも屈強で知られる戦士だ。こちらが出すのは今一番の実績を叩き出しているパーティのリーダー、ピュアブリングだ。
「いいですか。相手を殺してはいけませんからね」
「なんで。決闘に生死は問わずと決まっているはずでしょ?」
確かにそうなのだが相手を殺害してしまうと後始末で問題が大きくなる。瀕死までは追い込んでもいいが死亡はだめだと、ややこしい条件を付けざるを得ない。
「ふーん、じゃ先に確認を取るね」
決闘の最中どれだけ悲惨な出来事が起ころうともその責任を僕に問わない、後始末はそちらで全責任を持つ、今後部族氏族が横槍を入れてこないように上手く交渉する等。まぁ、それぐらいは当然の主張だろう。
「ハハハっ。冒険者ギルドの精鋭が何者かは知らんが無傷で帰れると思うなよ」
「……ええ、無傷で済ますつもりはこちらもありませんから」
部族の豪傑というがピュアブリングの実績の前では何も見えなくなるほどだ。せめてもの慈悲で命の保証だけは先にしておく。命の保証はするが体の安全の保障はどこにも約束する気はない。さっさとこの問題を解決しないと面倒なことばかりが溜まってしまう。
そして、決闘当日となる。
相手は戦斧と古式ゆかしい戦士の装備一式、それに対してピュアブリングは頭に小さめの帽子を被りフリフリヒラヒラの女子用の服に革の靴といういで立ちである。持っているのは鉄の剣だ。どう考えてもアンバランスだが彼らしくていいと思う。
「お前ら、我らをなめておるのか?。あのような貧弱な訳の分からんのが代表とは冒険者ギルドとは名ばかりの育児施設だな」
相手の代表者が隣にいて何か五月蠅いことを言っているが好きにしていればいい。もう賽は投げられたのだ。後のことは彼に全てを任せる約束なので見守ることにする。敵は今日地獄を見ることになるだろう。
決闘開始の鐘がなる。
相手は初対面の相手なのにも関わらず愚直な全力攻撃を仕掛けてきた。それが一番敵を倒せるという自信があるのだろうが初見でそれはちょっと早計だろ。そう思えた。
ピュアブリングは慌てず騒がずその攻撃が目前まで迫るのを待っていた。それが振り下ろされようとする直前相手の体の反対側を突くと相手は後方にあっけなくのけぞった。
「ねぇ、もうおしまいなの?」
少年とも少女ともとれるあどけない質問。それが逆に戦闘の恐怖を煽る。
「な、なんで我らが精鋭があっけなく倒されるのだ?摩訶不思議な術を使うとは卑怯だぞ!」
はぁー、あんな全力攻撃の反対側を押せば仰け反り倒れるのは当たり前だろうが。そんなことすらも理解できないらしい。
戦士は初手が失敗したことを考えしばし様子見をする。だけども、それもほんの僅か。再び戦斧による全力攻撃を繰り出す。ばーか、先の攻防での失敗をまるで学んでないことが丸見えだ。
ピュアブリングは素早く懐に潜り込み武器を振う勢いを利用して相手を投げ飛ばす。戦士の巨体が子供同然の相手に宙をまわされて地面に叩きつけられる。
地面に叩きつけられ空を見上げる戦士、ピュアブリングはその顔を覗きこんで。
「ねぇ、もうおしまいなの?」
感情のない顔で質問してくる。
相手はさらに激高しありったけを全身全霊で攻撃を繰り出すが結果は変わらなかった。
「ねぇ、もうおしまいなの?」
さすがにここまで来るともう実力差は歴然なのだが相手側はまだ諦めてない。
「何をしておる!さっさとそいつを始末しろ!」
怒りの声を上げて叫び散らす相手側。もういい加減に止めないと悲惨な運命が待っていることに気づいてない。
相手は武器を捨てて体格差を利用して握り潰そうと考え抱き着く。だけども、それはまるで巨木を抱きしめてるかのようにビクともしない。
ピュアブリングはブチっと、力ずくで両腕を振りほどき掌底打で相手を吹き飛ばす。それに近づいてからの一言。
「ねぇ、もうおしまいなの?」
ここに至り相手の戦士は底知れぬ恐怖の権化たる敵を相手にしていること悟り戦意が失せていくが未だに勝利を信じる相手側はまだ降伏しない。
(終わったわね。もうこうなったら相手には地獄で苦しんでもらうしかないか。慈悲は支払い終わったのだから)
ここまでピュアブリングはなるべくわかりやすい決着の方を取っていた。だが、こうなったら相手から降伏宣言を出す気がないことを理解し。
「まだあきらめないの?だったら、がんぐはがんぐらしくわたしがたのしくあそばせてもらうわ」
僕という呼称がわたしへと変化した。それは単純な違いではないことに気づくには手遅れだった。ピュアブリングはここでようやく剣を抜きそれを軽い感じで恐ろしい威力と速度で振うと戦士の両手両足が吹っ飛んだ
その後魔術による強制的な出血予防をした後、地獄が誕生した。
素手で体の中身を玩具と呼んだように弄りまくる。相手はそのたびに声にならない絶叫と悲鳴を上げる。体の中の物をまるで見本品でも見せるかのように外に引きずり出し並べていく。相手はそれでもなお意識を失うことが出来ず死ぬことが許されない。
関係者全員が言葉を失い地獄の中を見せつけられる。
『……ウェっ』
相手側はもはや戦意も憎悪も無くし地獄を眺めるしかなかった。思わず汚物を口から吐き出しそうになる。
「もうこれいじょうは、いいでしょうか」
さすがにこうなってくるとは冒険者ギルド側も考えてはいなかったからだ。実力差を分からせれば降伏させるのは難しくないと、打算を踏んでいたが相手が頑強に敗北を認めないのではどうしようもない。
あれは戦闘でも決闘でもない。ただ人の肉体を利用した玩具遊びである。そこに善意も悪意もない、己の楽しみのために人形を破壊するだけの存在。
ピュアブリングのパーティもまたここに集まっていた。
「あはははははっ、やっぱりがんぐあそびはこうでないとね。世界はなんてこんなにもすばらしいことにあふれているのかしら。人殺しがなんだというの、ジンタイ実験がなんだというの、ぜんあくの概念とやらが殺し合いになんのいみがあるのかしら。この世にはこんとんとあくいが溢れているわ。さいこうにたのしぃわぁ」
『……こんなの、見てられない。彼があそこまで残虐だったなんて……』
彼のことについてはある程度理解していたつもりだがここまで残虐性を見たのは初めてだったのだろう。その彼が残虐にならなければ勝敗が付かないと一線を越えさせたのはもちろん相手側にある。
さっさと敗北を受け入れればここまで悲惨な目には合わずに済んだはずだ。
もう相手は何も出来ないことは明白なので無理矢理審判は勝利宣言をする。
「ふん、まったくもってあそびがいのないがんぐね。まぁ、ちょっとはたのしめたわ《最上位回復》」
彼はあれだけバラバラにぶちまけられた体を全て元通りにしておしまいとした。
「そうだ。小難しい言葉をこねくり回して理解不能なのはそちらなのだからな」
冒険者ギルドに押しかけて来た部族連中は蛮族根性丸出しであり力こそが正義だと自負している。先祖の功績は確かに認めるところだがそれに胡坐をかき傲慢な性格になっていた。
これはもう酷い目に会ってもらわなければ心を入れ替えることは不可能と判断し決闘を行うことにした。
相手は一族でも屈強で知られる戦士だ。こちらが出すのは今一番の実績を叩き出しているパーティのリーダー、ピュアブリングだ。
「いいですか。相手を殺してはいけませんからね」
「なんで。決闘に生死は問わずと決まっているはずでしょ?」
確かにそうなのだが相手を殺害してしまうと後始末で問題が大きくなる。瀕死までは追い込んでもいいが死亡はだめだと、ややこしい条件を付けざるを得ない。
「ふーん、じゃ先に確認を取るね」
決闘の最中どれだけ悲惨な出来事が起ころうともその責任を僕に問わない、後始末はそちらで全責任を持つ、今後部族氏族が横槍を入れてこないように上手く交渉する等。まぁ、それぐらいは当然の主張だろう。
「ハハハっ。冒険者ギルドの精鋭が何者かは知らんが無傷で帰れると思うなよ」
「……ええ、無傷で済ますつもりはこちらもありませんから」
部族の豪傑というがピュアブリングの実績の前では何も見えなくなるほどだ。せめてもの慈悲で命の保証だけは先にしておく。命の保証はするが体の安全の保障はどこにも約束する気はない。さっさとこの問題を解決しないと面倒なことばかりが溜まってしまう。
そして、決闘当日となる。
相手は戦斧と古式ゆかしい戦士の装備一式、それに対してピュアブリングは頭に小さめの帽子を被りフリフリヒラヒラの女子用の服に革の靴といういで立ちである。持っているのは鉄の剣だ。どう考えてもアンバランスだが彼らしくていいと思う。
「お前ら、我らをなめておるのか?。あのような貧弱な訳の分からんのが代表とは冒険者ギルドとは名ばかりの育児施設だな」
相手の代表者が隣にいて何か五月蠅いことを言っているが好きにしていればいい。もう賽は投げられたのだ。後のことは彼に全てを任せる約束なので見守ることにする。敵は今日地獄を見ることになるだろう。
決闘開始の鐘がなる。
相手は初対面の相手なのにも関わらず愚直な全力攻撃を仕掛けてきた。それが一番敵を倒せるという自信があるのだろうが初見でそれはちょっと早計だろ。そう思えた。
ピュアブリングは慌てず騒がずその攻撃が目前まで迫るのを待っていた。それが振り下ろされようとする直前相手の体の反対側を突くと相手は後方にあっけなくのけぞった。
「ねぇ、もうおしまいなの?」
少年とも少女ともとれるあどけない質問。それが逆に戦闘の恐怖を煽る。
「な、なんで我らが精鋭があっけなく倒されるのだ?摩訶不思議な術を使うとは卑怯だぞ!」
はぁー、あんな全力攻撃の反対側を押せば仰け反り倒れるのは当たり前だろうが。そんなことすらも理解できないらしい。
戦士は初手が失敗したことを考えしばし様子見をする。だけども、それもほんの僅か。再び戦斧による全力攻撃を繰り出す。ばーか、先の攻防での失敗をまるで学んでないことが丸見えだ。
ピュアブリングは素早く懐に潜り込み武器を振う勢いを利用して相手を投げ飛ばす。戦士の巨体が子供同然の相手に宙をまわされて地面に叩きつけられる。
地面に叩きつけられ空を見上げる戦士、ピュアブリングはその顔を覗きこんで。
「ねぇ、もうおしまいなの?」
感情のない顔で質問してくる。
相手はさらに激高しありったけを全身全霊で攻撃を繰り出すが結果は変わらなかった。
「ねぇ、もうおしまいなの?」
さすがにここまで来るともう実力差は歴然なのだが相手側はまだ諦めてない。
「何をしておる!さっさとそいつを始末しろ!」
怒りの声を上げて叫び散らす相手側。もういい加減に止めないと悲惨な運命が待っていることに気づいてない。
相手は武器を捨てて体格差を利用して握り潰そうと考え抱き着く。だけども、それはまるで巨木を抱きしめてるかのようにビクともしない。
ピュアブリングはブチっと、力ずくで両腕を振りほどき掌底打で相手を吹き飛ばす。それに近づいてからの一言。
「ねぇ、もうおしまいなの?」
ここに至り相手の戦士は底知れぬ恐怖の権化たる敵を相手にしていること悟り戦意が失せていくが未だに勝利を信じる相手側はまだ降伏しない。
(終わったわね。もうこうなったら相手には地獄で苦しんでもらうしかないか。慈悲は支払い終わったのだから)
ここまでピュアブリングはなるべくわかりやすい決着の方を取っていた。だが、こうなったら相手から降伏宣言を出す気がないことを理解し。
「まだあきらめないの?だったら、がんぐはがんぐらしくわたしがたのしくあそばせてもらうわ」
僕という呼称がわたしへと変化した。それは単純な違いではないことに気づくには手遅れだった。ピュアブリングはここでようやく剣を抜きそれを軽い感じで恐ろしい威力と速度で振うと戦士の両手両足が吹っ飛んだ
その後魔術による強制的な出血予防をした後、地獄が誕生した。
素手で体の中身を玩具と呼んだように弄りまくる。相手はそのたびに声にならない絶叫と悲鳴を上げる。体の中の物をまるで見本品でも見せるかのように外に引きずり出し並べていく。相手はそれでもなお意識を失うことが出来ず死ぬことが許されない。
関係者全員が言葉を失い地獄の中を見せつけられる。
『……ウェっ』
相手側はもはや戦意も憎悪も無くし地獄を眺めるしかなかった。思わず汚物を口から吐き出しそうになる。
「もうこれいじょうは、いいでしょうか」
さすがにこうなってくるとは冒険者ギルド側も考えてはいなかったからだ。実力差を分からせれば降伏させるのは難しくないと、打算を踏んでいたが相手が頑強に敗北を認めないのではどうしようもない。
あれは戦闘でも決闘でもない。ただ人の肉体を利用した玩具遊びである。そこに善意も悪意もない、己の楽しみのために人形を破壊するだけの存在。
ピュアブリングのパーティもまたここに集まっていた。
「あはははははっ、やっぱりがんぐあそびはこうでないとね。世界はなんてこんなにもすばらしいことにあふれているのかしら。人殺しがなんだというの、ジンタイ実験がなんだというの、ぜんあくの概念とやらが殺し合いになんのいみがあるのかしら。この世にはこんとんとあくいが溢れているわ。さいこうにたのしぃわぁ」
『……こんなの、見てられない。彼があそこまで残虐だったなんて……』
彼のことについてはある程度理解していたつもりだがここまで残虐性を見たのは初めてだったのだろう。その彼が残虐にならなければ勝敗が付かないと一線を越えさせたのはもちろん相手側にある。
さっさと敗北を受け入れればここまで悲惨な目には合わずに済んだはずだ。
もう相手は何も出来ないことは明白なので無理矢理審判は勝利宣言をする。
「ふん、まったくもってあそびがいのないがんぐね。まぁ、ちょっとはたのしめたわ《最上位回復》」
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