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寄進やお布施のノルマきついんですか?
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教えてもらった次の場所に移動すると
「あっちゃー」
そこには壊滅したパーティの死体と略奪だけがあった。死体と生き残りの数を見ると20人前後だろう。生き残りの女らはゴブリンらの性欲処理の道具に変わっていた。ただそれだけだ僕には何の問題にもならない。勇名を求める新人パーティが壊滅したなど世界から見れば何の問題にもならないからだ。
ただそれだけだ。同情する義理はないし憐れむ意味も持ってない。幸福と不幸の天秤の傾きが自分たちでは戻せなかった。努力していたし準備も怠りなかった、でも結果はこれだ。
ハズレの場所だったがまぁいい。さっさと始末するか。剣を抜いて近づく。
『が、ぁぅ』
相手はいまだに凌辱行為に夢中でこちらへの関心が薄い。ホブの頭部を即座に叩き割る。それだもなお振り返ろうとしないゴブリンどもに対して必殺の一撃を次々叩き込んで皆殺し。時間にして1分もかからなかった。
『あ、あぁぁ』
女らは凌辱が突然終わったことで半ば放心していた。ちっ、説明も面倒なので《暗示》で人形に変えてしまう。死体は14体もあり面倒だが教会まで運ぶしかないな。プレートを回収し死体袋にズタズタの手足やらとともに放り込んでしまう。
教会に《蘇生》の使い手がいるかは分からないが助かる見込みがないわけではないし最悪埋葬すればいいだけだ。それも寄進次第ではあるけど。
死体袋《収納》し教会のある場所まで向かう。出迎えてくれた神官は最初にこやかだったが大量の死体袋ボロを着せた女達を出すと顔を歪ませた。
「凌辱された女らと死体袋、後のことはよろしく」
「後のこと、とは」
この神官は経験が足りないのか問うてくる。この状況で説明が必要なのか、人の営みとやらは本当に面倒だね。
「寄進のあてがあるなら助けるなりなんなり、そうでないなら墓に埋めるなり、女らは人道的にあつかうなり」
「いや、それではあまりにも無体な」
この神官は死体袋と凌辱された女らを見てまだ「ほかに言い方があるだろ」などと姿勢を示すが要するに人の死や不幸に慣れてないだけでありそれを目の前に用意されて混乱してるのだろう。神官なら堂々としてなければいけないのに。
怯えた神官はか細い声で質問してきた
「き、寄進は、いかほどで」
僕の言ったことをまるで理解してないに苛立ちを覚える。この言葉だけでもうこいつは無能だと判断した。どんな神に仕えてるかは知らないがわざわざ死体と不幸な目にあった女を連れてきてもらった相手に言う最初の言葉が寄進とは。
人の道を説き善行を積むことを信条としている神官だが運営にはお金が必要であり奇跡をおこなう対価として寄進がある。少なくとも命を懸けて戦う手合いは必要じゃなくとも寄進を行うのは常識だ。いつ奇跡が必要になるのかわからないためである。悔い改めた後ならちゃんと奇跡を起こしてくれるのだから。
だが、目の前の神官はいきなり寄進を求めた。多分あまり裕福ではなく寄進のノルマがあるからだろうが、この状況でいうべきことではないのことは確かだ。
どうする、こいつを追い返すか。そう考えていると神官の背後から妙齢の女性神官が出てきた。
「あらぁ、どうしたのかしら」
「あ、いえ、これはその」
慌てる神官。後ろの女のほうが立場は上のようだ。
「無作法者が表れてどうしたものかと」
大慌てで返答しているが女神官は目の前にある死体袋の数と虚ろ気な女らを見てただ事ならぬと理解したようだ。
「だめよぉ。わざわざ冒険者らの遺体と生き残りを連れて帰ってきてくれたんだからぁ。そんな対応をしては神は落胆するわよ」
最初に対応していた神官を諫める。対応の仕方を間違えている、と。先の神官よりもずっとマシのようだ。
「で、ですが。寄進なき者に奇跡は」
神官は反発する。女神官は柔らかに叱る
「そういう考えがあるからあなたはいまだに下に見られるのよ。寄進は大切だけど順序を間違えれば教会は皆守銭奴だと勘違いされて信心を失うわよ」
金を出しても信心なき者に奇跡は使わない。
神官の主張はそれだ。無頼漢の冒険者などに奇跡はもったいない。使うのは高貴な相手だけ。それは信仰なのだと思い込んでいるのだろう。
実際には脅威が襲い掛かるのを防いでいるのは冒険者らだ。その彼らが奇跡を求めているのに何を躊躇う必要がある。
「し、しかし」
なおも反論しようとするが。
「それなら」
あなたが異端者らを討伐してくれるのかしら。女神官は残酷な言葉を言い放つ。それで神官は絶望の表情になった。この神官にはまだ強い奇跡は与えられてないのだろう。それにもかかわらず出る言葉は寄進だけ。神官の服を着た凡人とさして変わらない。
それなのに討伐に行け、そう言われれば待っているのは死だけだ。
「己の未熟さが分かったかしら」
「…」
あったのは沈黙だけ。トボトボと建物の中に戻る。
「ごめんなさいね。彼はまだ配属されたばかりで対応が稚拙なのよ。許してもらえないかしら」
欠伸をしながら対応する。こちらとしてはちゃんとした対応をしてくれれば別に問題ないのだから別に問題はない。
《放出》で彼らの装備や冒険者プレートを地面に放り出す。ガラガラという音と大量の装備が出てくる。
「こっちではどれがどれだからわかない。後のことは頼む」
「わかったわ」
最後に寄進、という形で金塊を5つ取り出す。前回オーガを倒したときに換金用に貰っておいたのだ。それを彼女の手に握らせる。
「まあ、大変羽振りがいいのね。そういう話と理解が早い冒険者は大歓迎ですよ」
満面の笑みを浮かべる。彼らにとっては貴金属、相応の価値がある。僕にとってはただの換金用の金属の塊に過ぎないがしかるべき場所にもっていけば相当な金額になる。闇市場は基本的に物々交換で金銀などは重いし運ぶのに手間がかかるからだ。
ただの面倒な後始末のはずが意外な収入へとつながり女神官は僕に祈りの言葉を唱えてくれた。
「あなた様の旅路が少しでも健やかで幸せなこととなりますように」
神様など信じてはいないが神官の祈りの言葉は無駄ではない。そう考えて次の場所に向かう。
略奪と殲滅、ささやかな人助けと死体運び、最後に装備品や遺物の回収、それだけが仕事だった。
「もうお戻りとは仕事が早いねぇ」
「教会の連中が寄進とお布施を払えってうるさくて」
教会に死体袋と被害者を持っていくたびに「金を支払え」って未熟な神官が出てきてさ、それに対してしかめっ面するとこれだから野蛮人共は、などと言ってくる。それなら神の僕たるお前らが倒しに行けよと。そう思うのだ。まったくもって面倒だった。
なので、中に無理矢理乗り込んで「埋葬しろ」ごり押ししたのだ。そのたびに金塊を握らせる作業の繰り返しである。
「ま、教会共の常套手段だね。金がないと自由がないのはどこでも変わらんさ」
僕に神に祈る心は持っていないが金金金とうるさいのは世界の常識のようだ。倒したモンスターの死体を広場に出してこれで目標額まで届いた。老婆から品物を受けとる。
それを《収納》ですべて仕舞い込んでから旅を再開することにした。
「あっちゃー」
そこには壊滅したパーティの死体と略奪だけがあった。死体と生き残りの数を見ると20人前後だろう。生き残りの女らはゴブリンらの性欲処理の道具に変わっていた。ただそれだけだ僕には何の問題にもならない。勇名を求める新人パーティが壊滅したなど世界から見れば何の問題にもならないからだ。
ただそれだけだ。同情する義理はないし憐れむ意味も持ってない。幸福と不幸の天秤の傾きが自分たちでは戻せなかった。努力していたし準備も怠りなかった、でも結果はこれだ。
ハズレの場所だったがまぁいい。さっさと始末するか。剣を抜いて近づく。
『が、ぁぅ』
相手はいまだに凌辱行為に夢中でこちらへの関心が薄い。ホブの頭部を即座に叩き割る。それだもなお振り返ろうとしないゴブリンどもに対して必殺の一撃を次々叩き込んで皆殺し。時間にして1分もかからなかった。
『あ、あぁぁ』
女らは凌辱が突然終わったことで半ば放心していた。ちっ、説明も面倒なので《暗示》で人形に変えてしまう。死体は14体もあり面倒だが教会まで運ぶしかないな。プレートを回収し死体袋にズタズタの手足やらとともに放り込んでしまう。
教会に《蘇生》の使い手がいるかは分からないが助かる見込みがないわけではないし最悪埋葬すればいいだけだ。それも寄進次第ではあるけど。
死体袋《収納》し教会のある場所まで向かう。出迎えてくれた神官は最初にこやかだったが大量の死体袋ボロを着せた女達を出すと顔を歪ませた。
「凌辱された女らと死体袋、後のことはよろしく」
「後のこと、とは」
この神官は経験が足りないのか問うてくる。この状況で説明が必要なのか、人の営みとやらは本当に面倒だね。
「寄進のあてがあるなら助けるなりなんなり、そうでないなら墓に埋めるなり、女らは人道的にあつかうなり」
「いや、それではあまりにも無体な」
この神官は死体袋と凌辱された女らを見てまだ「ほかに言い方があるだろ」などと姿勢を示すが要するに人の死や不幸に慣れてないだけでありそれを目の前に用意されて混乱してるのだろう。神官なら堂々としてなければいけないのに。
怯えた神官はか細い声で質問してきた
「き、寄進は、いかほどで」
僕の言ったことをまるで理解してないに苛立ちを覚える。この言葉だけでもうこいつは無能だと判断した。どんな神に仕えてるかは知らないがわざわざ死体と不幸な目にあった女を連れてきてもらった相手に言う最初の言葉が寄進とは。
人の道を説き善行を積むことを信条としている神官だが運営にはお金が必要であり奇跡をおこなう対価として寄進がある。少なくとも命を懸けて戦う手合いは必要じゃなくとも寄進を行うのは常識だ。いつ奇跡が必要になるのかわからないためである。悔い改めた後ならちゃんと奇跡を起こしてくれるのだから。
だが、目の前の神官はいきなり寄進を求めた。多分あまり裕福ではなく寄進のノルマがあるからだろうが、この状況でいうべきことではないのことは確かだ。
どうする、こいつを追い返すか。そう考えていると神官の背後から妙齢の女性神官が出てきた。
「あらぁ、どうしたのかしら」
「あ、いえ、これはその」
慌てる神官。後ろの女のほうが立場は上のようだ。
「無作法者が表れてどうしたものかと」
大慌てで返答しているが女神官は目の前にある死体袋の数と虚ろ気な女らを見てただ事ならぬと理解したようだ。
「だめよぉ。わざわざ冒険者らの遺体と生き残りを連れて帰ってきてくれたんだからぁ。そんな対応をしては神は落胆するわよ」
最初に対応していた神官を諫める。対応の仕方を間違えている、と。先の神官よりもずっとマシのようだ。
「で、ですが。寄進なき者に奇跡は」
神官は反発する。女神官は柔らかに叱る
「そういう考えがあるからあなたはいまだに下に見られるのよ。寄進は大切だけど順序を間違えれば教会は皆守銭奴だと勘違いされて信心を失うわよ」
金を出しても信心なき者に奇跡は使わない。
神官の主張はそれだ。無頼漢の冒険者などに奇跡はもったいない。使うのは高貴な相手だけ。それは信仰なのだと思い込んでいるのだろう。
実際には脅威が襲い掛かるのを防いでいるのは冒険者らだ。その彼らが奇跡を求めているのに何を躊躇う必要がある。
「し、しかし」
なおも反論しようとするが。
「それなら」
あなたが異端者らを討伐してくれるのかしら。女神官は残酷な言葉を言い放つ。それで神官は絶望の表情になった。この神官にはまだ強い奇跡は与えられてないのだろう。それにもかかわらず出る言葉は寄進だけ。神官の服を着た凡人とさして変わらない。
それなのに討伐に行け、そう言われれば待っているのは死だけだ。
「己の未熟さが分かったかしら」
「…」
あったのは沈黙だけ。トボトボと建物の中に戻る。
「ごめんなさいね。彼はまだ配属されたばかりで対応が稚拙なのよ。許してもらえないかしら」
欠伸をしながら対応する。こちらとしてはちゃんとした対応をしてくれれば別に問題ないのだから別に問題はない。
《放出》で彼らの装備や冒険者プレートを地面に放り出す。ガラガラという音と大量の装備が出てくる。
「こっちではどれがどれだからわかない。後のことは頼む」
「わかったわ」
最後に寄進、という形で金塊を5つ取り出す。前回オーガを倒したときに換金用に貰っておいたのだ。それを彼女の手に握らせる。
「まあ、大変羽振りがいいのね。そういう話と理解が早い冒険者は大歓迎ですよ」
満面の笑みを浮かべる。彼らにとっては貴金属、相応の価値がある。僕にとってはただの換金用の金属の塊に過ぎないがしかるべき場所にもっていけば相当な金額になる。闇市場は基本的に物々交換で金銀などは重いし運ぶのに手間がかかるからだ。
ただの面倒な後始末のはずが意外な収入へとつながり女神官は僕に祈りの言葉を唱えてくれた。
「あなた様の旅路が少しでも健やかで幸せなこととなりますように」
神様など信じてはいないが神官の祈りの言葉は無駄ではない。そう考えて次の場所に向かう。
略奪と殲滅、ささやかな人助けと死体運び、最後に装備品や遺物の回収、それだけが仕事だった。
「もうお戻りとは仕事が早いねぇ」
「教会の連中が寄進とお布施を払えってうるさくて」
教会に死体袋と被害者を持っていくたびに「金を支払え」って未熟な神官が出てきてさ、それに対してしかめっ面するとこれだから野蛮人共は、などと言ってくる。それなら神の僕たるお前らが倒しに行けよと。そう思うのだ。まったくもって面倒だった。
なので、中に無理矢理乗り込んで「埋葬しろ」ごり押ししたのだ。そのたびに金塊を握らせる作業の繰り返しである。
「ま、教会共の常套手段だね。金がないと自由がないのはどこでも変わらんさ」
僕に神に祈る心は持っていないが金金金とうるさいのは世界の常識のようだ。倒したモンスターの死体を広場に出してこれで目標額まで届いた。老婆から品物を受けとる。
それを《収納》ですべて仕舞い込んでから旅を再開することにした。
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