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しおりを挟む外に出ると、入口に二重結界防御を掛け、100メートル先の結界魔法を解除する。次第に魔物がウジャウジャと入口に集まりだした。しばらく経ってからまた100メートル先に結界防御を掛け、皆の準備が整ったのを確認し、アークの指示で入口の二重結界防御を弱体化させる。
これを同じことを5回ほど繰り返し、今日はここまでにしようと、明日に持ち越しになった。俺たちはダンジョンからちょっと離れた所にテントを張り、食事を取りながら話していた。
「アーク、状況は?」
「あぁ、何とも言えないが若干だが奥にいる魔物が減った気がする」
「だが、明日になれば増える可能性もあるな」
「その時は……」
ニルク、アーク、ガルバの順に話をしていたが、俺はもう限界にきていた。
「うぅ……眠ぃ……」
今日は俺、ちょー頑張ったよ。防御魔法も回復魔法も攻撃魔法も結構使った。木の上で皆のフォローを頑張った。アークから心配だからとMPポーションを貰い幾つか飲んだのでお腹空いてないし、もう寝てもいいよね?
ご飯を食べながら、うつらうつらしていると、横にいたバルトの肩に頭をぶつける。
「ん……ごめん……」
「気にしなくていい。先に寝るか?」
「んー、俺、いらなそう?」
「あぁ」
「じゃぁ、寝る」
バルトがアークに声をかけると、皆からおやすみの言葉をもらい、フラフラしながらテントに向かった。
テントに入ろうとした時、後ろから手が伸びてきて、入り口の布が持ち上がる。
「フラフラしているが、大丈夫か?」
どうやらバルトが心配してついてきてくれたみたいだ。
「ん」
返事をしたが眠すぎて目がうっすらしか開かない。
「ほら、後少しだから頑張れ」
フラフラとテントに入りバタリと倒れ込む。
「ちゃんと毛布を掛けないと風邪引くぞ」
「ん……」
分かってるけど眠い。
動かない俺を見るなりバルトが毛布を掛けてくれた。
暖かい。
モソモソと仰向けになる。うっすらと目を開けるとバルトがいた。
思わずムフフと笑うと、微かだがバルトも笑った気がした。
子供がされるように胸をポンポンポンと叩かれる。
「おやすみ……ジン」
「ん……おやすみ……バル」
毛布の暖かさとリズムよく叩かれる振動に、いつの間にか眠りについた。
静まり返るテントの中、俺は先程眠りについた少年を見つめたまま、ジンとの出会いを思い出していた。
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