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しおりを挟む丁度背中を見せていたゴブリン達がいたので、炎を纏った槍を左上から右下へと振り落とす。1体は魔石となり、もう1体は悲鳴をあげた。
近くにいたゴブリン3体もこちらに振り返り、俺を敵と認識したようだ。ゴブリン達は斧を振りかざし、俺は槍でいなしながら1体ずつ仕留めていく。
最後の1体を倒し終わった瞬間、別のゴブリンが背後から攻撃を仕掛けてきた。
「っ!」
右頬の辺りを少しか掠めたが、避けれたので問題なし。
右足に力を入れ、振り向き様に槍を真横へと遠心力を利用し、叩き切る。ゴブリンは悲鳴を上げ倒れた。
近くにいた冒険者も倒し終わったみたいで、パチリと目が合った。無視するのも悪いかなと思い、ペコリとお辞儀の挨拶をする。すると冒険者は驚いた表情を浮かべ、聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。
「……子供?」と聞き取れたが、これは無視しよう。説明が面倒くさい。
「微力ながら加勢させていただきます。『治癒』」
冒険者に治癒魔法を掛け、再び地面を蹴る。
残り魔物は後8体。ゴブリン2、ゴブリンキング2、オーク2、オーガ2。
「少し離れてください!」
他の魔物達よりちょっと離れていたゴブリン達に槍を数回振り一ヶ所に集めると魔力を練った。
「さてと、始めましょうか」
中二病と呼ばれた俺の実力を見せちゃるからね!
突然ですが、全属性持ちと魔力が多い人の為のお手軽魔法講座。イエイ。
「『四方結界・土壁』」
まず魔物を土壁で四方囲みます。ドンドンと魔物達が暴れますが無視してください。
「『灼熱炎』」
その中に超高熱の炎を入れます。出来れば魔力を多めにいれましょう。
「『上部結界・土壁』」
すぐ蓋を閉じますが、この時ちゃんと空気穴を確保します。
「『爆風』」
箱形の土壁の中に、空気を入れてあげると、あら不思議、ドーンッと大きな音と共に土壁の隙間から炎が立ち上がります。しばらくすると炎がおさまるので静かになったら、解除しましょう。
「『解除』」
魔法はイメージだと誰かが言っていたが、今になって意味がわかる。中二病も役に立つな、うん。
魔物が居た場所を見ると、魔物の跡形もなく、魔石もない。
燃えたか、持っていなかったか、はたまた吹き飛んだか。……地面が黒いのは気にしないでおこう。いつか自然に戻るはず。
ふと、視線を感じて顔をあげると、冒険者達が目を見開いて固まっていた。
「……えっと、怪我した人、いますか?」
俺の声で我に返る冒険者達。数名手を上げたので怖くないですよと言う意味で、ニヘラと笑いながら治癒を掛けた。
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