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はじめに

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 私は名探偵である。

 自分で敬称するのは馬鹿馬鹿しいが、仕方がない事なのだ。他の探偵たちと差別化を図るために、致し方なくこの肩書きを飲み込んだ。本名は岸快晴だ。

 言ってしまえば名探偵と言うことは、事件を多く解決している、ただそれだけという意味だ。つまり、特徴のない探偵。周囲と比較すると、それは別称ともとらえられなくはない。

 今回、事件に参加した探偵は三人。

 空想探偵、動機探偵、そして名探偵である私だ。
 私たちは、別々の事務所で働いているが、事件を解決するためにしばしば協力をする。協力というよりは、ほとんど勝負に近い。

 集まった探偵のなかで、誰が真実にたどり着くのか。事件を解決した探偵に、依頼料や警察からの協力捜査の謝礼が与えられる。

 副業ではなく主業として探偵をやっている私は、絶対に負けるわけにはいかない。それならば、一人で依頼を受ければいいというものだ。

 しかし、この世の中には難事件があちこちに潜んでいるのだ。私だけでは力不足のケースも多々ある。
 だから私は、頼ることにした。個性あふれる彼ら「探偵,s」たちに。

 これから記載するのは、のちに私が犯人や関係者から聞いた情報をもとに記す、独断と偏見の混じった事件の全貌である。

 事細かに描いていく所存だが、予めご了承いただきたい。
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