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挿話 救出作戦 Part3
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「【サーチングアイ】。初めて聞きました。凄いスキルですね!」
スキルの話になると、気分が一気に高まっていくララク。好奇心溢れる視線で、彼の目を今度はじっと見つめる。
「面白い子だね。普通は、僕に見られるのを嫌がるんだけど」
ぴったしと目線が合うことに慣れていないのか、ギルドリーダーは少し照れくさそうにしていた。
彼の目には、人物の横にスキル画面が常に現れている。そこまではっきりとしたものではないが、充分文字を読むことが出来る解像度だ。
「大変そうだね、それ。私だったら、頭がパンクしそう」
常に誰かの情報が映っていることを想像するだけで、彼女は嫌になってくる。今まで彼女は、戦ってから相手のことを分析するスタイルなので、彼とは真逆といえる。
「まぁ幼い頃からだから慣れたけれどね。名札が常についているようなものなので、人違いはしないし」
冒険者が多く出入りするギルドでは、その顔と名前を覚えるだけでも結構な労力だったりする。
ギルドは冒険者を専属で雇うわけではないので、従業員教育のようなことは基本的にはしない。しかし、ここは専門的なこともあって、ここを拠点としている冒険者も多い。
仕事をしてもらうために、冒険者との適切なコミュニケーションは大事になってくる。
そういう意味では、名前が分かりスキル画面で戦闘力が分かるこの【サーチングアイ】は活用的といえる。
「その目で、この子の資質を見抜いたってことね。ビビるでしょ。私なんか、すぐに理解できなかったもん」
はじめてララクのスキル画面を見せてもらった時のことを思い出す。画面にびっしりと刻まれたスキル名と数字に、実はゼマは酔いそうになっていた。
「あぁ、入ってきた瞬間に見えたからね。何百人、いや何千人とこの目で見てきたけれど、その【追放エナジー】というスキルは初めて見たよ」
「やっぱ、あんたって異常だわ」
ゼマはギルドリーダーの言葉を聞いて、改めてララクのとんでもなさを感じていた。ディバソンの死により、スキル数値が減ったとはいえ、スキル数自体は変わりない。
これから、レベルアップでまだまだ性能アップが見込めることを考えると、のびしろも残されている。
「そうですかね? ただ、死に物狂いで頑張っただけなので」
ララクは【追放エナジー】を得ようと思って、今までの人生を歩んできたわけではない。一人前になるために必死なだけだったので、自分が一番その努力に気がついていなかった。
「出会ったばかりだけれど、君はたぐいまれない才能と精神を持った冒険者さ。ぜひ、詳しく聞きたいところなんだけれど……」
長年自分の知らないスキルに出会ったことがなかったようで、彼もまた好奇心に駆られていた。
しかし、どうやら、彼には別の目的があってララクたちに話しかけたようだ。
「どうか、されたんですか?」
「実は、君たちの実力を見込んで、頼みたいことがあるんだ」
「悪いけど、私たち、これからクエストに行こうと思ってたんだよね。討伐系の」
ゼマは話の内容も聞かずにすぐに断ってしまう。彼女は早く、モンスターを殴りたくて仕方がないようだ。
なのだが、ギルドリーダーは逆にパッと光が差し込んだような笑顔を見せた。
「そうかい、なら丁度いい。実は頼みたいのは、とあるクエストのことなんだ。この近くの森で繁殖しすぎたゴリラたちが森を荒らしていてね、その討伐なんだ」
彼はただ挨拶に来ただけではなく、クエストを受けて貰えないか交渉しに来たようだ。それを聞いたララクに、新たな疑問が浮かんできた。
「他の冒険者ではダメなのでしょうか? どうして、ギルドリーダー自ら、ボクたちに依頼するのですか?」
「順番に説明していくと、これは依頼者のいる正式なクエストなんだ。そして、数日前にとあるパーティーが受理してクエストに向かったんだ」
少し変わった事態な用で、正確に伝えようと、事の発端からギルドリーダーは話し始める。
「なら、別に問題ないじゃん」
ゼマには話が見えなかった。すでに誰かが行っているなら、自分たちが行かなくとも何の問題もない。
逆に、複数のパーティーが同じクエストに行くのは基本的にはないことだ。もともと複数で受けるタイプの合同クエストや、正式な許可をとった同行なら問題はないが。
「それが、そのパーティーが帰ってこないんだ」
その言葉を聞いて、ララクは嫌な予感を感じ取る。それと同時に、ギルドリーダーが自分たちを頼ってきた理由にも見当がついた。
「行方不明、ってことですか?」
「そこまで深刻な物かはまだ分からないけれどね。でも、行き先の森はそれほど遠くなくてね、半日もすれば辿り着くんだ。
もしそのパーティーになんらかなトラブルがあったとすれば、大変なことだ」
トラブル、つまりはモンスターを倒せなかった、ということだ。その他には、魔熊の森の時のように、主のようなモンスターに襲われたなどがある。
スキルの話になると、気分が一気に高まっていくララク。好奇心溢れる視線で、彼の目を今度はじっと見つめる。
「面白い子だね。普通は、僕に見られるのを嫌がるんだけど」
ぴったしと目線が合うことに慣れていないのか、ギルドリーダーは少し照れくさそうにしていた。
彼の目には、人物の横にスキル画面が常に現れている。そこまではっきりとしたものではないが、充分文字を読むことが出来る解像度だ。
「大変そうだね、それ。私だったら、頭がパンクしそう」
常に誰かの情報が映っていることを想像するだけで、彼女は嫌になってくる。今まで彼女は、戦ってから相手のことを分析するスタイルなので、彼とは真逆といえる。
「まぁ幼い頃からだから慣れたけれどね。名札が常についているようなものなので、人違いはしないし」
冒険者が多く出入りするギルドでは、その顔と名前を覚えるだけでも結構な労力だったりする。
ギルドは冒険者を専属で雇うわけではないので、従業員教育のようなことは基本的にはしない。しかし、ここは専門的なこともあって、ここを拠点としている冒険者も多い。
仕事をしてもらうために、冒険者との適切なコミュニケーションは大事になってくる。
そういう意味では、名前が分かりスキル画面で戦闘力が分かるこの【サーチングアイ】は活用的といえる。
「その目で、この子の資質を見抜いたってことね。ビビるでしょ。私なんか、すぐに理解できなかったもん」
はじめてララクのスキル画面を見せてもらった時のことを思い出す。画面にびっしりと刻まれたスキル名と数字に、実はゼマは酔いそうになっていた。
「あぁ、入ってきた瞬間に見えたからね。何百人、いや何千人とこの目で見てきたけれど、その【追放エナジー】というスキルは初めて見たよ」
「やっぱ、あんたって異常だわ」
ゼマはギルドリーダーの言葉を聞いて、改めてララクのとんでもなさを感じていた。ディバソンの死により、スキル数値が減ったとはいえ、スキル数自体は変わりない。
これから、レベルアップでまだまだ性能アップが見込めることを考えると、のびしろも残されている。
「そうですかね? ただ、死に物狂いで頑張っただけなので」
ララクは【追放エナジー】を得ようと思って、今までの人生を歩んできたわけではない。一人前になるために必死なだけだったので、自分が一番その努力に気がついていなかった。
「出会ったばかりだけれど、君はたぐいまれない才能と精神を持った冒険者さ。ぜひ、詳しく聞きたいところなんだけれど……」
長年自分の知らないスキルに出会ったことがなかったようで、彼もまた好奇心に駆られていた。
しかし、どうやら、彼には別の目的があってララクたちに話しかけたようだ。
「どうか、されたんですか?」
「実は、君たちの実力を見込んで、頼みたいことがあるんだ」
「悪いけど、私たち、これからクエストに行こうと思ってたんだよね。討伐系の」
ゼマは話の内容も聞かずにすぐに断ってしまう。彼女は早く、モンスターを殴りたくて仕方がないようだ。
なのだが、ギルドリーダーは逆にパッと光が差し込んだような笑顔を見せた。
「そうかい、なら丁度いい。実は頼みたいのは、とあるクエストのことなんだ。この近くの森で繁殖しすぎたゴリラたちが森を荒らしていてね、その討伐なんだ」
彼はただ挨拶に来ただけではなく、クエストを受けて貰えないか交渉しに来たようだ。それを聞いたララクに、新たな疑問が浮かんできた。
「他の冒険者ではダメなのでしょうか? どうして、ギルドリーダー自ら、ボクたちに依頼するのですか?」
「順番に説明していくと、これは依頼者のいる正式なクエストなんだ。そして、数日前にとあるパーティーが受理してクエストに向かったんだ」
少し変わった事態な用で、正確に伝えようと、事の発端からギルドリーダーは話し始める。
「なら、別に問題ないじゃん」
ゼマには話が見えなかった。すでに誰かが行っているなら、自分たちが行かなくとも何の問題もない。
逆に、複数のパーティーが同じクエストに行くのは基本的にはないことだ。もともと複数で受けるタイプの合同クエストや、正式な許可をとった同行なら問題はないが。
「それが、そのパーティーが帰ってこないんだ」
その言葉を聞いて、ララクは嫌な予感を感じ取る。それと同時に、ギルドリーダーが自分たちを頼ってきた理由にも見当がついた。
「行方不明、ってことですか?」
「そこまで深刻な物かはまだ分からないけれどね。でも、行き先の森はそれほど遠くなくてね、半日もすれば辿り着くんだ。
もしそのパーティーになんらかなトラブルがあったとすれば、大変なことだ」
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