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第66話 防御
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冒険者パーティー・ハンドレッドの2人が作戦を共有しあっていると、疾風怒濤の2人の状況もあちらから確認できるようになっていた。
爆発は収まり、煙の中から依然として盾を構え続けている守護戦士 ガッディアの姿が現れる。
その下には、双剣を構えたデフェロットが待機していた。
爆発によるダメージは、ガッディアにはあまり効果はなかった。爆発した際は、鎧が赤く変色していたかもしれないが、今はゼマと同じように無傷に近い。
ただ、デフェロットのほうは全身に焦げ跡のようなものが出来ている。
【バーストスパーク】は広範囲の爆発なので、一方向しか守れない盾では全てをカバーできない。その割には爆発の跡が薄いので、炎耐性が強いのかもしれない。
「やっぱ、あいつのスキルも侮れねぇな」
「ああ。俺たちとララクは、どちらもレベル以上の力を持っている。この勝負、最後まで何が起きるか分からないぞ」
この世界はある程度、レベル差によって勝負の決着は予想がつくものだ。しかし、同じレベルであっても種族によって全体性能の差がでる場合もある。
それに、特殊なスキル効果によって、レベル以上の力を出すケースもある。
それが、デフェロットの【キズナ変化】とララクの【追放エナジー】が該当する。
【キズナ変化】によって種族が変わった2人だが、レベルがそのままなので通常はそこまで格段に戦闘力が上がることはないだろう。
しかし、【キズナ変化】の力は対象者を別の種族に変えるというわけではない。
現に、2人の装備にも変化が起きている。
つまり、『別の種族になった』のではなく『オンリーワンの特別な姿に変化した』ということなのだ。
「認めたくねぇが、あの女も面倒くせぇ。2人でいっきに叩くぞ」
「りょうかいだ」
ゼマをちゃちゃっと倒してガッディアに合流する予定が、随分と狂ってしまっている。
シンプルではあるが、2人同時に突撃する作戦を実行することにしたようだ。
「いくぞ、ガッディア!」
「ああ!」
リーダーの合図とともに、2人は対戦相手に向かって移動を開始する。
デフェロットは【ターボライド】を発動する。ガッディアは【シールドアタック】で距離を詰めるようだ。
スキルを発動した2人のトップスピードであれば、すぐにララクたちへと接近することが出来るだろう。
だが、ララクはこれを妨害しようと新たなスキルを発動する。
「テンズ【グランドウォール】」
ララクは手のひらを地面に接地させる。すると、彼の体にある魔力が平原の大地に流れていく。
このスキルは、地面を操って土で出来た巨大な壁を作り出すことができる。
頑丈さは、使用者の魔力によって変化する。
そのスキルを、ララクは一度に10回使用したのだ。
この壁は、デフェロットたちの行く手を阻んでいく。
1人に対して、5つの壁が彼らの進路を妨害する。
「小細工しやがってっ!」
目の前に出現したその壁にぶつかりそうになるも、デフェロットは一瞬で軌道を変えて上空に移動していく。だが、それを予期していたかのように、壁の上から別の壁が生えてきた。
「あー、めんどくせぇな!」
愚痴を言いながら【ターボライド】で推進していくが、5枚の壁に阻まれて前へと進めずに、どんどん高度があがっていく。
それに対して、ガッディアは正面突破だ。
ララクの作り出した【グランドウォール】は頑丈なことに間違いはないが、それを【シールドアタック】で粉砕しながら前へと進んでいった。
壁が次々と破壊されていき、ついに5枚目の土壁を破壊した。
ガッディアはそこにララクたちがいると思い込んでいた。
しかし、壁の先にあったのは、また別の壁、のようなものだった。
「盾、だと!?」
一瞬しか全体像は見えなかったが、ガッディアの盾と同じぐらいの大盾だった。銀色に輝ている盾で、ガッディアの突進の勢いを殺そうと、進路をふさいでいた。
これは、【シールドクリエイト・ハード】で作り出した盾だ。
だが、クリエイト系のスキルは物を作り出すだけで操ることは出来ない。その代わりに、1つの物だけではなく用途に合った物を作り出せるのが利点だ。
なので、盾で攻撃を受け場合はある程度の攻撃は耐えられるかもしれないが、なにか支えがないとすぐに吹っ飛ばされる。
しかし、ガッディアがその大盾に突進し続けても、それがその場所から離れることはなかった。一度、大きく後ろへと追いやられたが、何かに引っ掛かっているのか、盾はそれ以上後ろに下がらない。
「こ、これは!?」
【シールドアタック】はシールドで突進するスキルなので、盾が大きすぎると視界がかなり悪くなる。
なので、すぐにガッディアは気づかなかった。
ララクの作り出したシールドに、鎖が取り付けられていることを。
その鎖は、【チェインホールド】で作りだし操っているものだ。
盾の後ろ側についており、4つの角それぞれに大量の鎖が繋がっている。出どころは、地面からだ。
上の2つは地面からかなり長めの鎖で、下の2つは地面に近いので短くなっている。
それが支えになって、【シールドアタック】をかろうじて止めていたのだ。
爆発は収まり、煙の中から依然として盾を構え続けている守護戦士 ガッディアの姿が現れる。
その下には、双剣を構えたデフェロットが待機していた。
爆発によるダメージは、ガッディアにはあまり効果はなかった。爆発した際は、鎧が赤く変色していたかもしれないが、今はゼマと同じように無傷に近い。
ただ、デフェロットのほうは全身に焦げ跡のようなものが出来ている。
【バーストスパーク】は広範囲の爆発なので、一方向しか守れない盾では全てをカバーできない。その割には爆発の跡が薄いので、炎耐性が強いのかもしれない。
「やっぱ、あいつのスキルも侮れねぇな」
「ああ。俺たちとララクは、どちらもレベル以上の力を持っている。この勝負、最後まで何が起きるか分からないぞ」
この世界はある程度、レベル差によって勝負の決着は予想がつくものだ。しかし、同じレベルであっても種族によって全体性能の差がでる場合もある。
それに、特殊なスキル効果によって、レベル以上の力を出すケースもある。
それが、デフェロットの【キズナ変化】とララクの【追放エナジー】が該当する。
【キズナ変化】によって種族が変わった2人だが、レベルがそのままなので通常はそこまで格段に戦闘力が上がることはないだろう。
しかし、【キズナ変化】の力は対象者を別の種族に変えるというわけではない。
現に、2人の装備にも変化が起きている。
つまり、『別の種族になった』のではなく『オンリーワンの特別な姿に変化した』ということなのだ。
「認めたくねぇが、あの女も面倒くせぇ。2人でいっきに叩くぞ」
「りょうかいだ」
ゼマをちゃちゃっと倒してガッディアに合流する予定が、随分と狂ってしまっている。
シンプルではあるが、2人同時に突撃する作戦を実行することにしたようだ。
「いくぞ、ガッディア!」
「ああ!」
リーダーの合図とともに、2人は対戦相手に向かって移動を開始する。
デフェロットは【ターボライド】を発動する。ガッディアは【シールドアタック】で距離を詰めるようだ。
スキルを発動した2人のトップスピードであれば、すぐにララクたちへと接近することが出来るだろう。
だが、ララクはこれを妨害しようと新たなスキルを発動する。
「テンズ【グランドウォール】」
ララクは手のひらを地面に接地させる。すると、彼の体にある魔力が平原の大地に流れていく。
このスキルは、地面を操って土で出来た巨大な壁を作り出すことができる。
頑丈さは、使用者の魔力によって変化する。
そのスキルを、ララクは一度に10回使用したのだ。
この壁は、デフェロットたちの行く手を阻んでいく。
1人に対して、5つの壁が彼らの進路を妨害する。
「小細工しやがってっ!」
目の前に出現したその壁にぶつかりそうになるも、デフェロットは一瞬で軌道を変えて上空に移動していく。だが、それを予期していたかのように、壁の上から別の壁が生えてきた。
「あー、めんどくせぇな!」
愚痴を言いながら【ターボライド】で推進していくが、5枚の壁に阻まれて前へと進めずに、どんどん高度があがっていく。
それに対して、ガッディアは正面突破だ。
ララクの作り出した【グランドウォール】は頑丈なことに間違いはないが、それを【シールドアタック】で粉砕しながら前へと進んでいった。
壁が次々と破壊されていき、ついに5枚目の土壁を破壊した。
ガッディアはそこにララクたちがいると思い込んでいた。
しかし、壁の先にあったのは、また別の壁、のようなものだった。
「盾、だと!?」
一瞬しか全体像は見えなかったが、ガッディアの盾と同じぐらいの大盾だった。銀色に輝ている盾で、ガッディアの突進の勢いを殺そうと、進路をふさいでいた。
これは、【シールドクリエイト・ハード】で作り出した盾だ。
だが、クリエイト系のスキルは物を作り出すだけで操ることは出来ない。その代わりに、1つの物だけではなく用途に合った物を作り出せるのが利点だ。
なので、盾で攻撃を受け場合はある程度の攻撃は耐えられるかもしれないが、なにか支えがないとすぐに吹っ飛ばされる。
しかし、ガッディアがその大盾に突進し続けても、それがその場所から離れることはなかった。一度、大きく後ろへと追いやられたが、何かに引っ掛かっているのか、盾はそれ以上後ろに下がらない。
「こ、これは!?」
【シールドアタック】はシールドで突進するスキルなので、盾が大きすぎると視界がかなり悪くなる。
なので、すぐにガッディアは気づかなかった。
ララクの作り出したシールドに、鎖が取り付けられていることを。
その鎖は、【チェインホールド】で作りだし操っているものだ。
盾の後ろ側についており、4つの角それぞれに大量の鎖が繋がっている。出どころは、地面からだ。
上の2つは地面からかなり長めの鎖で、下の2つは地面に近いので短くなっている。
それが支えになって、【シールドアタック】をかろうじて止めていたのだ。
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