62 / 113
第61話 炎と風
しおりを挟む
「この姿になった俺は、止まらねぇぜ!」
魔人、となったデフェロットはいつもよりもテンションがハイになっているようにも見える。
元々、バトルジャンキーというほどではないが、好戦的な性格ではあるが。
魔人という種族は、その名の通り魔力に優れた人間である。見た目は今のデフェロットのように、少し人間とは違った部分がある。
身体能力も高く優秀な種族だが、人間のほうが生産業や武器の扱いが長けているとされている。
なので、魔人は武器系統のスキルを獲得できない個体が多い。
だが、魔人となったデフェロットは色の違う双剣を構えている。
これは、元々彼が【剣適正】などのスキルを所持している影響だと思われる。
「いくぜ、ララク!」
デフェロットはその場で地面を力強く蹴って、真上に軽くジャンプをした。そしてさらにそこからスキルを発動した。
「【フレイムライド】」
彼の両足の裏が一気に発火しだす。それは外に向かって放出されており、これを推進力として利用することが出来る。
細かい爆発音を轟かせながら、その炎を利用してララクの元へと飛んでいく。
超加速をして近づいたデフェロットは、燃えるような赤い剣をララクへと振り下ろしていく。
「っは、速いですね」
ララクはゴールデンソードを使ってそれを防ぐ。空を飛んでいるデフェロットは上空から剣を叩きつけているので、その重みが乗ってララクが押され始める。
つばぜり合いになると、デフェロットの持つ赤き剣から炎が発生しだす。剣の刃を包むように、火炎が燃え盛る。
この剣は、炎魔剣と呼ばれるもので、外からスキルを発動しなくても魔力を込めれば炎系統の効果を得ることが出来る。
仕組みとしては、ゼマの持つ【伸縮自在】が付与されたアイアンロッドに酷似している。
「離れなさいよっ!」
それを見たゼマは、【伸縮自在】を使って伸びる突きを放った。真っすぐ伸びたそれを、デフェロットは上空に移動することで難なくかわす。
「遅いぜっ! 【フレイムスラッシュ・瞬炎】」
今度は、もう1つの剣でスキルを発動した。緑色に輝くこの片刃の剣は、風魔剣。こちらは、風系統の力を宿している。
そして彼が放ったスキルの詳細はこうだ。
【フレイムスラッシュ・瞬炎《しゅんえん》】
獲得条件……【フレイムスラッシュ】と【ウィンドスラッシュ】を所持する。
効果……風の力で増幅した炎の斬撃を相手に飛ばす
簡単に言えば、【エアスラッシュ】の炎系統バージョンといったところだ。
しかし、斬撃には見えず、半月型の揺らめく炎がララクを襲う。
元々風の力が加わっているスキルなのだが、これをさらに風魔剣で放つことにより、炎の威力とスピードが格段にあがる。
「【ウォーターボール】っ!」
ララクは超巨大な水の球体を作り出す。普通はこれを相手に放つのだが、ララクたちの体を完全に隠しており、ある種の盾のようになっていた。
炎系統のスキルに水系統のスキルは強い。
デフェロットが発動した【フレイムスラッシュ・瞬炎】とララクの【ウォーターボール】がぶつかり合った。
やはり、徐々に炎の力が弱まっていく。
それを見たデフェロットは、炎魔剣を使ってスキルを発動した。
「【ウィンドスラッシュ・熱風】」
今度は炎の剣から、突風が吹き荒れた。さらに風系統のスキルは、白か緑色で発現することが多いが、これは橙色に近い明るい色をしている。
スキル名通り、この風は熱を持っている。炎魔剣で発動したことにより、その火力が底上げされていた。
その熱風も【ウォーターボール】にぶつかっていった。すると、熱風を受けた箇所が「ジュジュッ」と音をたてはじめる。
相当な高熱なようで、急速に沸騰し始めたのだ。そして、すぐに蒸発していく。
さらに、風力によって水の球が球体を維持できずにいた。四方八方へと水しぶきをあげていき、しまいには魔力で形を保てずに爆散していった。
その水しぶきを避けようと、ララクとゼマは後ろへと下がった。
その瞬間、地上にいたあの男が動き出した。
魔人、となったデフェロットはいつもよりもテンションがハイになっているようにも見える。
元々、バトルジャンキーというほどではないが、好戦的な性格ではあるが。
魔人という種族は、その名の通り魔力に優れた人間である。見た目は今のデフェロットのように、少し人間とは違った部分がある。
身体能力も高く優秀な種族だが、人間のほうが生産業や武器の扱いが長けているとされている。
なので、魔人は武器系統のスキルを獲得できない個体が多い。
だが、魔人となったデフェロットは色の違う双剣を構えている。
これは、元々彼が【剣適正】などのスキルを所持している影響だと思われる。
「いくぜ、ララク!」
デフェロットはその場で地面を力強く蹴って、真上に軽くジャンプをした。そしてさらにそこからスキルを発動した。
「【フレイムライド】」
彼の両足の裏が一気に発火しだす。それは外に向かって放出されており、これを推進力として利用することが出来る。
細かい爆発音を轟かせながら、その炎を利用してララクの元へと飛んでいく。
超加速をして近づいたデフェロットは、燃えるような赤い剣をララクへと振り下ろしていく。
「っは、速いですね」
ララクはゴールデンソードを使ってそれを防ぐ。空を飛んでいるデフェロットは上空から剣を叩きつけているので、その重みが乗ってララクが押され始める。
つばぜり合いになると、デフェロットの持つ赤き剣から炎が発生しだす。剣の刃を包むように、火炎が燃え盛る。
この剣は、炎魔剣と呼ばれるもので、外からスキルを発動しなくても魔力を込めれば炎系統の効果を得ることが出来る。
仕組みとしては、ゼマの持つ【伸縮自在】が付与されたアイアンロッドに酷似している。
「離れなさいよっ!」
それを見たゼマは、【伸縮自在】を使って伸びる突きを放った。真っすぐ伸びたそれを、デフェロットは上空に移動することで難なくかわす。
「遅いぜっ! 【フレイムスラッシュ・瞬炎】」
今度は、もう1つの剣でスキルを発動した。緑色に輝くこの片刃の剣は、風魔剣。こちらは、風系統の力を宿している。
そして彼が放ったスキルの詳細はこうだ。
【フレイムスラッシュ・瞬炎《しゅんえん》】
獲得条件……【フレイムスラッシュ】と【ウィンドスラッシュ】を所持する。
効果……風の力で増幅した炎の斬撃を相手に飛ばす
簡単に言えば、【エアスラッシュ】の炎系統バージョンといったところだ。
しかし、斬撃には見えず、半月型の揺らめく炎がララクを襲う。
元々風の力が加わっているスキルなのだが、これをさらに風魔剣で放つことにより、炎の威力とスピードが格段にあがる。
「【ウォーターボール】っ!」
ララクは超巨大な水の球体を作り出す。普通はこれを相手に放つのだが、ララクたちの体を完全に隠しており、ある種の盾のようになっていた。
炎系統のスキルに水系統のスキルは強い。
デフェロットが発動した【フレイムスラッシュ・瞬炎】とララクの【ウォーターボール】がぶつかり合った。
やはり、徐々に炎の力が弱まっていく。
それを見たデフェロットは、炎魔剣を使ってスキルを発動した。
「【ウィンドスラッシュ・熱風】」
今度は炎の剣から、突風が吹き荒れた。さらに風系統のスキルは、白か緑色で発現することが多いが、これは橙色に近い明るい色をしている。
スキル名通り、この風は熱を持っている。炎魔剣で発動したことにより、その火力が底上げされていた。
その熱風も【ウォーターボール】にぶつかっていった。すると、熱風を受けた箇所が「ジュジュッ」と音をたてはじめる。
相当な高熱なようで、急速に沸騰し始めたのだ。そして、すぐに蒸発していく。
さらに、風力によって水の球が球体を維持できずにいた。四方八方へと水しぶきをあげていき、しまいには魔力で形を保てずに爆散していった。
その水しぶきを避けようと、ララクとゼマは後ろへと下がった。
その瞬間、地上にいたあの男が動き出した。
10
お気に入りに追加
1,171
あなたにおすすめの小説

スローライフとは何なのか? のんびり建国記
久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。
ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。
だけどまあ、そんな事は夢の夢。
現実は、そんな考えを許してくれなかった。
三日と置かず、騒動は降ってくる。
基本は、いちゃこらファンタジーの予定。
そんな感じで、進みます。

固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

【スキルコレクター】は異世界で平穏な日々を求める
シロ
ファンタジー
神の都合により異世界へ転生する事になったエノク。『スキルコレクター』というスキルでスキルは楽々獲得できレベルもマックスに。『解析眼』により相手のスキルもコピーできる。
メニューも徐々に開放されていき、できる事も増えていく。
しかし転生させた神への謎が深まっていき……?どういった結末を迎えるのかは、誰もわからない。
無限の成長 ~虐げられし少年、貴族を蹴散らし頂点へ~
りおまる
ファンタジー
主人公アレクシスは、異世界の中でも最も冷酷な貴族社会で生まれた平民の少年。幼少の頃から、力なき者は搾取される世界で虐げられ、貴族たちにとっては単なる「道具」として扱われていた。ある日、彼は突如として『無限成長』という異世界最強のスキルに目覚める。このスキルは、どんなことにも限界なく成長できる能力であり、戦闘、魔法、知識、そして社会的な地位ですらも無限に高めることが可能だった。
貴族に抑圧され、常に見下されていたアレクシスは、この力を使って社会の底辺から抜け出し、支配層である貴族たちを打ち破ることを決意する。そして、無限の成長力で貴族たちを次々と出し抜き、復讐と成り上がりの道を歩む。やがて彼は、貴族社会の頂点に立つ。

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる