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第58話 団体戦
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ここはキューシャ平原。冒険者ギルド「平原の狩人」でのクエストは、ほとんどがここが指定されている。
以前、疾風怒濤がオーク退治を行ったのもこの平原である。
その際は夜だったが、今日は朝方だ。
遮蔽物がないので、朝日が大量に刺し込んでいる。もしも、【条件強化・朝日】というものがあれば、ここほどその効果を発揮できる場所もないだろう。
そんな平原に、2つの冒険者パーティーがやってきている。
クエストのためではなく、勝負を行うためだ。
オークを討伐したことで、首都の近くには魔物はほとんどいない。さらに誰にも迷惑をかけないので、デフェロットはここを指定した。
「ちょっとデフェロット、クマひどくない?」
目の冴えているレニナが、目の下が黒ずんでいるデフェロットに声をかける。
「気にすんな。体調は万全だ」
デフェロットは肩を回しだす。装備も整えて、準備万端だ。
「大方、楽しみすぎて眠れなかったのだろう」
宿屋で同室だったガッディアは、彼があまり寝つけていなかったことを知っていた。
「分かります。次の日に何かあると、眠れませんよね」
緊張しいのジュタもそういった経験が何度もあるようだ。
「ようやくお前を倒せるぜ。おいララク、準備はいいな?」
疾風怒濤とハンドレッドは少し離れて対面している。それぞれ、軽く体を動かして、戦闘準備をしていた。
「はい、ボクも体調は万全です」
「私も。あんたのこと、ボコボコにしてあげる」
好意的な態度をとる2人だったが、ゼマはわざとらしくデフェロットにウィンクをする。どうもこれが彼には気色悪いらしく、かなり顔が引きつっていた。
「マジであいつ苦手だぜ」
「お前が得意な相手などいないだろう」
ほとんどの相手と適切なコミュニケーションをとれないことをガッディアは知っているので、静かにツッコんだ。
「じゃあ、ルールの確認をしましょうか。まず、ボクとゼマさんのコンビと、デフェロットさんとガッディアさんのコンビでの2対2の戦い」
「ああ。時間制限はなし。相手が気絶、それか降参したら負けでいいだろ。お前がぶっ倒れるまで叩きのめしてやるよ」
やる気十分のデフェロットは、始まる前から対戦相手を挑発している。
「あの、もちろん致命傷を与えるのは無しですよ?」
「そんなの分かってるよ。まぁ、手が滑ってやりすぎるかもしれねぇから、早めに降参すんだな」
「りょうかいです」
戦闘前のあおりも、ララクにはあまり効果がない。だが、自信満々のデフェロットを見て、ますますその理由が気になっていた。
「おいジュタ、戦闘開始の合図だけ言ってくれ」
「僕ですか? は、はい」
ジュタとレニナは戦わないので離れた位置で観戦することになっている。スタートは大事なので、デフェロットではなく第三者に言って貰うのが公平だ。
「そ、それでは皆さん、戦う準備はよろしいでしょうか?」
戦わないジュタが一番緊張しているように見える。
彼の言葉を聞いた4人は、それぞれ武器を構える。
ガッディアはハンマーと大盾を構えており、デフェロットは黒剣のヘルソードを抜いた。
ララクはまだ武器を作り出さずにいた。相手の出方を見てから創造するようだ。
ゼマはアイアンロッドを両手で握り始める。
4人の準備が出来たことを確認すると、ジュタは合図を出す。
「それでは、戦闘開始です!」
ついに、疾風怒濤とハンドレッドのパーティー戦が始まった。
以前、疾風怒濤がオーク退治を行ったのもこの平原である。
その際は夜だったが、今日は朝方だ。
遮蔽物がないので、朝日が大量に刺し込んでいる。もしも、【条件強化・朝日】というものがあれば、ここほどその効果を発揮できる場所もないだろう。
そんな平原に、2つの冒険者パーティーがやってきている。
クエストのためではなく、勝負を行うためだ。
オークを討伐したことで、首都の近くには魔物はほとんどいない。さらに誰にも迷惑をかけないので、デフェロットはここを指定した。
「ちょっとデフェロット、クマひどくない?」
目の冴えているレニナが、目の下が黒ずんでいるデフェロットに声をかける。
「気にすんな。体調は万全だ」
デフェロットは肩を回しだす。装備も整えて、準備万端だ。
「大方、楽しみすぎて眠れなかったのだろう」
宿屋で同室だったガッディアは、彼があまり寝つけていなかったことを知っていた。
「分かります。次の日に何かあると、眠れませんよね」
緊張しいのジュタもそういった経験が何度もあるようだ。
「ようやくお前を倒せるぜ。おいララク、準備はいいな?」
疾風怒濤とハンドレッドは少し離れて対面している。それぞれ、軽く体を動かして、戦闘準備をしていた。
「はい、ボクも体調は万全です」
「私も。あんたのこと、ボコボコにしてあげる」
好意的な態度をとる2人だったが、ゼマはわざとらしくデフェロットにウィンクをする。どうもこれが彼には気色悪いらしく、かなり顔が引きつっていた。
「マジであいつ苦手だぜ」
「お前が得意な相手などいないだろう」
ほとんどの相手と適切なコミュニケーションをとれないことをガッディアは知っているので、静かにツッコんだ。
「じゃあ、ルールの確認をしましょうか。まず、ボクとゼマさんのコンビと、デフェロットさんとガッディアさんのコンビでの2対2の戦い」
「ああ。時間制限はなし。相手が気絶、それか降参したら負けでいいだろ。お前がぶっ倒れるまで叩きのめしてやるよ」
やる気十分のデフェロットは、始まる前から対戦相手を挑発している。
「あの、もちろん致命傷を与えるのは無しですよ?」
「そんなの分かってるよ。まぁ、手が滑ってやりすぎるかもしれねぇから、早めに降参すんだな」
「りょうかいです」
戦闘前のあおりも、ララクにはあまり効果がない。だが、自信満々のデフェロットを見て、ますますその理由が気になっていた。
「おいジュタ、戦闘開始の合図だけ言ってくれ」
「僕ですか? は、はい」
ジュタとレニナは戦わないので離れた位置で観戦することになっている。スタートは大事なので、デフェロットではなく第三者に言って貰うのが公平だ。
「そ、それでは皆さん、戦う準備はよろしいでしょうか?」
戦わないジュタが一番緊張しているように見える。
彼の言葉を聞いた4人は、それぞれ武器を構える。
ガッディアはハンマーと大盾を構えており、デフェロットは黒剣のヘルソードを抜いた。
ララクはまだ武器を作り出さずにいた。相手の出方を見てから創造するようだ。
ゼマはアイアンロッドを両手で握り始める。
4人の準備が出来たことを確認すると、ジュタは合図を出す。
「それでは、戦闘開始です!」
ついに、疾風怒濤とハンドレッドのパーティー戦が始まった。
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