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第38話 連携
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「どうする? もう炎は消えそうだけど」
「もう一度炎系統のスキルを当ててれば瀕死まで持っていけそう。でも、警戒心が強まっているはずですから、そう簡単にはいかないと思います」
「だろうね。私の攻撃も、もしかしたらもう当たらないかもね。この武器が伸びるってことは理解しただろうし」
「……」
ララクは今までの戦いを思い出していた。
相手は風と翼を使った強力なスキルで相手を近づかせない。運よく近づけたとしても、【ソニックバード】のような高速移動で避けられる。
(有効的なのは炎系統。それと……)
ララクの視線の先にはゼマの持ったアイアンロッドがあった。【伸縮自在】の効果はまだ付与されたままだ。
「そうか。これなら一瞬で相手を倒せるかもです」
「おっけー、とりあえずやってみるしかないね」
ララクは思いついた作戦を彼女に伝える。
そして、攻撃の準備を始める。
その頃、火だるま状態になっていたシームルグが戦闘に復帰した。
縦横無尽に旋回することで、炎を取り払うことに成功していた。
だが、白い羽毛は表面がかなり焼けてしまっている。飛行することは問題ないなさそうだが、羽を使ったスキルの性能はかなり下がることだろう。
「ジャララァァァァァアア」
怒りが頂点に達したようで、シームルグのトサカが赤く腫れあがっていく。
自分をこんな目に合わせた敵を睨みつける。
が、シームルグには冒険者が不可解な行動をしているようにしか見えなかった。
「ねぇ、ほんとにこれでいいの?」
「たぶん、大丈夫です」
ゼマは三度《みたび》、突きを行う姿勢に入った。
先ほどと違うのは、棒の先にララクが乗っているということだ。
小さな足を、細長い棒の上に乗せて立っていたのだ。
「あんた、よく乗れるね」
「バランス力はあるので」
曲芸師ビビルリが持つバッシブスキル【バランス力上昇】をララクは受け継いでいた。
「そちらこそ、重くないですが?」
「舐めて貰っちゃ困るね。あんた1人ぐらい、楽勝よ」
自分の武器に人が乗っていることは違和感しかないが、真面目な作戦だと言い聞かせて、それ以上ツッコむのはやめる。
人が乗れるのは、刃のない棒ならではだろう。
「それじゃあ、行きます。まずは【サンダーボルト】!」
ララクは雷系統のスキルを発動した。
シームルグの頭上に、何のまえぶれもなく暗雲が立ち込める。
雲の中で雷が暴れており、それは真下にいる怪鳥に向かって撃ち落とされる。
落雷を生み出し攻撃する雷系統の強力なスキルだ。
「ジャアッ」
だが、それをシームルグはギリギリで回避する。風系統同様、雷系統は速度の速いスキルが多い。
が、【サンダーボルト】は暗雲を作り出す必要があるので、それを見て雷の出どころを先読みしていれば、避けれないことはない。
空を飛ぶ鳥にとって、雷は危険な存在だ。
だからこそ、避け方というものを分かっていたのだ。
しかし、この攻撃は陽動に過ぎない。
「今です!」
「落ちるなよっ! はぁぁ、【刺突】!」
ゼマが渾身の突きを放った。
そしてその勢いを乗せて、アイアンロッドは敵に向かって伸びていく。
その上には、ララクがバランスを何とか保ちながら乗っかている。
スピードとしては【ソニックバード】と同等程度でている。
ララクは不意を突いたとはいえ、ゼマの攻撃をシームルグが避けれなかったことを思い出した。
そこで【伸縮自在】の効果を改めて確認した。
【伸縮自在】
効果……対象に魔力を使用することで伸縮できる力を与える。伸びる距離は魔力によって変動し、伸縮速度は事前動作によって変動する。
この事前動作というのは、つまるところゼマが行った突きのことだ。魔力消費だけで伸縮は可能だが、スピードや威力を上乗せするには助走が必要ということなのだ。
(だから一瞬でシームルグの元まで到達したんだ。これを利用すれば近づくことが出来る)
そう考えたララクは、この作戦をゼマに伝えたのだ。
「はぁぁぁぁ」
地上から空中へと、斜めにララクとロッドは伸びていく。
シームルグは【サンダーボルト】を避けたばかりなので、僅かな隙が出来ていた。
そこにゴールデンソードを使って斬撃を叩きこもうとしていた。
しかし、その隙を打ち消すようにシームルグが【ソニックバード】を発動する。
紙一重でララクの攻撃を避けたのだ。
「まだだ!」
シームルグは安堵したかもしれないが、戦いは終わっていない。
攻撃が当たらなかったので、シームルグの横をアイアンロードは通り過ぎていく。
しかしララクは諦めていない。
といよりは、避けられるのは織り込み済みだった。
ララクはシームルグが自分の攻撃を避けた瞬間、鉄棒を思いっきり蹴っ飛ばし、伸び進む方向とは別の方向に飛び出したのだ。
つまり、急な方向転換を行ったのだ。
その先にいたのは、【ソニックバード】で間一髪避けたばかりのシームルグだ。
「捉えた! 【フレイムスラッシュ】」
斬撃に炎系統の効果を乗せて切り裂くスキルだ。
金色の剣が真紅の炎を宿したのだ。
「ジュエェェェェェ」
避け切ったと思い込んだシームルグの右翼が、ゴールデンソードによって斬りつけられた。
さすがに翼を体から切断はできないと思い、つけねではなく右翼中央を狙った。
炎を刃を喰らったその翼には切り込みが入り、縦に下半分ほどが引き裂かれていった。
翼を損傷したシームルグは滞空状態を維持することが出来なかった。
ララクのようにスキルで浮いているわけではないので、翼にダメージを受ければ空にいられなくなるのだ。
なんとか翼を広げて舞い上がろうとするも、みるみる高度が下がっていく。
その際に、姿勢を保てずに体が軽くひっくり返って、背中が地面を向いて腹の部分が手を向くという、通常の逆になってしまった。
これはララクにとって好都合な展開だった。
「よし、次で決める」
ララクは剣先を下にして、それを振り上げる。【空中浮遊】の効果を使用していないので、彼の体はそのまま落下していく。
そしてその先に待つのは、上手く飛べなくなってしまったシームルグだ。
狙うのは左胸。
「【刺突・火炎】」
振り上げた剣に再び火炎が纏わりつく。そしてその火炎剣を、落下中に下へと突き刺した。
「ギョエエエエエ」
山にある自然を揺らすほど、けたましく断末魔を叫ぶシームルグ。突きに炎系統の力が加わったスキルは、大怪鳥の心臓にクリンヒットした。
腹の固い鱗を貫通し、心臓に突き刺さったのだ。
「もう一度炎系統のスキルを当ててれば瀕死まで持っていけそう。でも、警戒心が強まっているはずですから、そう簡単にはいかないと思います」
「だろうね。私の攻撃も、もしかしたらもう当たらないかもね。この武器が伸びるってことは理解しただろうし」
「……」
ララクは今までの戦いを思い出していた。
相手は風と翼を使った強力なスキルで相手を近づかせない。運よく近づけたとしても、【ソニックバード】のような高速移動で避けられる。
(有効的なのは炎系統。それと……)
ララクの視線の先にはゼマの持ったアイアンロッドがあった。【伸縮自在】の効果はまだ付与されたままだ。
「そうか。これなら一瞬で相手を倒せるかもです」
「おっけー、とりあえずやってみるしかないね」
ララクは思いついた作戦を彼女に伝える。
そして、攻撃の準備を始める。
その頃、火だるま状態になっていたシームルグが戦闘に復帰した。
縦横無尽に旋回することで、炎を取り払うことに成功していた。
だが、白い羽毛は表面がかなり焼けてしまっている。飛行することは問題ないなさそうだが、羽を使ったスキルの性能はかなり下がることだろう。
「ジャララァァァァァアア」
怒りが頂点に達したようで、シームルグのトサカが赤く腫れあがっていく。
自分をこんな目に合わせた敵を睨みつける。
が、シームルグには冒険者が不可解な行動をしているようにしか見えなかった。
「ねぇ、ほんとにこれでいいの?」
「たぶん、大丈夫です」
ゼマは三度《みたび》、突きを行う姿勢に入った。
先ほどと違うのは、棒の先にララクが乗っているということだ。
小さな足を、細長い棒の上に乗せて立っていたのだ。
「あんた、よく乗れるね」
「バランス力はあるので」
曲芸師ビビルリが持つバッシブスキル【バランス力上昇】をララクは受け継いでいた。
「そちらこそ、重くないですが?」
「舐めて貰っちゃ困るね。あんた1人ぐらい、楽勝よ」
自分の武器に人が乗っていることは違和感しかないが、真面目な作戦だと言い聞かせて、それ以上ツッコむのはやめる。
人が乗れるのは、刃のない棒ならではだろう。
「それじゃあ、行きます。まずは【サンダーボルト】!」
ララクは雷系統のスキルを発動した。
シームルグの頭上に、何のまえぶれもなく暗雲が立ち込める。
雲の中で雷が暴れており、それは真下にいる怪鳥に向かって撃ち落とされる。
落雷を生み出し攻撃する雷系統の強力なスキルだ。
「ジャアッ」
だが、それをシームルグはギリギリで回避する。風系統同様、雷系統は速度の速いスキルが多い。
が、【サンダーボルト】は暗雲を作り出す必要があるので、それを見て雷の出どころを先読みしていれば、避けれないことはない。
空を飛ぶ鳥にとって、雷は危険な存在だ。
だからこそ、避け方というものを分かっていたのだ。
しかし、この攻撃は陽動に過ぎない。
「今です!」
「落ちるなよっ! はぁぁ、【刺突】!」
ゼマが渾身の突きを放った。
そしてその勢いを乗せて、アイアンロッドは敵に向かって伸びていく。
その上には、ララクがバランスを何とか保ちながら乗っかている。
スピードとしては【ソニックバード】と同等程度でている。
ララクは不意を突いたとはいえ、ゼマの攻撃をシームルグが避けれなかったことを思い出した。
そこで【伸縮自在】の効果を改めて確認した。
【伸縮自在】
効果……対象に魔力を使用することで伸縮できる力を与える。伸びる距離は魔力によって変動し、伸縮速度は事前動作によって変動する。
この事前動作というのは、つまるところゼマが行った突きのことだ。魔力消費だけで伸縮は可能だが、スピードや威力を上乗せするには助走が必要ということなのだ。
(だから一瞬でシームルグの元まで到達したんだ。これを利用すれば近づくことが出来る)
そう考えたララクは、この作戦をゼマに伝えたのだ。
「はぁぁぁぁ」
地上から空中へと、斜めにララクとロッドは伸びていく。
シームルグは【サンダーボルト】を避けたばかりなので、僅かな隙が出来ていた。
そこにゴールデンソードを使って斬撃を叩きこもうとしていた。
しかし、その隙を打ち消すようにシームルグが【ソニックバード】を発動する。
紙一重でララクの攻撃を避けたのだ。
「まだだ!」
シームルグは安堵したかもしれないが、戦いは終わっていない。
攻撃が当たらなかったので、シームルグの横をアイアンロードは通り過ぎていく。
しかしララクは諦めていない。
といよりは、避けられるのは織り込み済みだった。
ララクはシームルグが自分の攻撃を避けた瞬間、鉄棒を思いっきり蹴っ飛ばし、伸び進む方向とは別の方向に飛び出したのだ。
つまり、急な方向転換を行ったのだ。
その先にいたのは、【ソニックバード】で間一髪避けたばかりのシームルグだ。
「捉えた! 【フレイムスラッシュ】」
斬撃に炎系統の効果を乗せて切り裂くスキルだ。
金色の剣が真紅の炎を宿したのだ。
「ジュエェェェェェ」
避け切ったと思い込んだシームルグの右翼が、ゴールデンソードによって斬りつけられた。
さすがに翼を体から切断はできないと思い、つけねではなく右翼中央を狙った。
炎を刃を喰らったその翼には切り込みが入り、縦に下半分ほどが引き裂かれていった。
翼を損傷したシームルグは滞空状態を維持することが出来なかった。
ララクのようにスキルで浮いているわけではないので、翼にダメージを受ければ空にいられなくなるのだ。
なんとか翼を広げて舞い上がろうとするも、みるみる高度が下がっていく。
その際に、姿勢を保てずに体が軽くひっくり返って、背中が地面を向いて腹の部分が手を向くという、通常の逆になってしまった。
これはララクにとって好都合な展開だった。
「よし、次で決める」
ララクは剣先を下にして、それを振り上げる。【空中浮遊】の効果を使用していないので、彼の体はそのまま落下していく。
そしてその先に待つのは、上手く飛べなくなってしまったシームルグだ。
狙うのは左胸。
「【刺突・火炎】」
振り上げた剣に再び火炎が纏わりつく。そしてその火炎剣を、落下中に下へと突き刺した。
「ギョエエエエエ」
山にある自然を揺らすほど、けたましく断末魔を叫ぶシームルグ。突きに炎系統の力が加わったスキルは、大怪鳥の心臓にクリンヒットした。
腹の固い鱗を貫通し、心臓に突き刺さったのだ。
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