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第28話 面談
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「ぶは~。酒うま~」
大ジョッキに入った泡たっぷりのビールを、ゼマ・ウィンビーは一気に飲み干した。
「お姉さん、お代わり。後、チーズとベーコンちょうだい」
「かしこまりました」
冒険者ギルドの酒場エリアには、専属のウェイターが存在する。彼女たちに頼めば、酒とつまみを持ってきてくれる。もちろん、最後には金を払う。
ゼマのアルコール耐性は凄まじく、すでに3杯を飲み干している。が、微かに頬が赤くなっているだけで意識ははっきりしている。
おそらく、スキルというよりは素でアルコールに強い体なのだろう。
「ねぇ、本当に奢ってもらっていいの? 見ての通り、私飲むよ?」
自慢げに空になったジョッキを、一緒に座っているララクに見せつけてくる。彼女は飲むだけではなく、食欲もそれなりにあった。さっきからつまみを大量に追加していた。
「えぇ、まぁ。懐は温かいので」
正直、こんなに食べるとは思っていなかったようだ。パーティー契約をする前に人となりを知ろうと、食事の席を設けたのだが、ララクのイメージしていたものとは少し違った。
「っそ。まぁ、私も稼いでないわけじゃないんだけど、豪遊しすぎるとすぐに無くなっちゃうからさ。ありがたいよ」
軽くララクと話していると、すぐにビールが卓に運ばれてきた。そしてそのあとに、燻製ベーコンと、3種のチーズの盛り合わせが運ばれてきた。
ララクもつまんではいるが、ほとんどはゼマの胃袋に入っていた。
「あの、ゼマさんは最近まではどんなパーティーに所属していたんですか?」
ララクはゼマの顔を一度も見かけたことはなかった。なので、普段はこのギルドを利用していない冒険者なのではないかと考えていた。この国には他にもたくさんの街とギルドが存在する。
なので、彼女の経歴が気になっていた。いわば、加入前の面接のようなものなのだが、ゼマからは緊張感というものが一切感じられない。
「ん? パーティー? 組んでいないよ?」
とぼけた表情でビールを喉に流し込んでいく。酒場には、簡単なカクテルなどもあるが、彼女はビールが一番気に入っているようだ。
「え、ソロってことですか?」
「そんなに珍しい? あんただってソロじゃん」
ゼマの言った通り、ソロの冒険者自体は数は少ないがちらほら存在する。実力がある者、固定のパーティーはなく定期的に雇われる者、金がなく報酬を1人締めしたい者、など理由は様々だ。
「そうですけど……ゼマさんってヒーラーですよね? 失礼ですけど、1人でモンスターを倒せるんですか?」
ララクのイメージするヒーラーとは、回復に専念している者、だった。パーティーには役割があり、前衛で戦う戦士などをサポートするのが一般的だ。
「余裕よ余裕。ほら、その武器。【棒適正】持ってるから、近接も出来んのよ」
4人テーブルの余った椅子に立てかけられた、鉄製の長い棒にゼマは視線を移した。
「なるほど、戦闘も回復も自分1人でやってしまうと」
個体にもよるが、だいたいの生物は1つの戦闘スタイルにスキルが偏ることが多い。なので、一般的には冒険者はパーティーを組むことが多い。それぞれの弱点を補うためだ。
しかし、ゼマのようにオールラウンダーなスキル構成の者も中にはいた。
「っそ。あんたこそ、回復スキルないのによくソロでやってたね。ポーションでまかなってたの?」
「いえ、一応【ヒーリング】は持っているんですけど、効果が弱くて。たぶん、【回復力上昇】を持っていないからだと思います」
「ふーん、そうなんだ。ちなみに、私はちゃんと【回復力上昇】持ってるよ。
てことは、ソロでやってたんだけど、回復が間に合わないからヒーラーを募集したってこと?」
「いや、まだソロになってから攻撃を受けたことがなくて、回復が間に合わないかどうかは分からないんですけど」
つい最近戦闘を行った魔天狼はララクに膝をつかせただけで、攻撃スキルを当ててはいなかった。月の力を利用した【ムーンレーザー】や【ムーンストライク】を危うさはあったものの回避しきっていた。
「なにそれ、あんたそんなに強いの? あーでも、ケルベアスとか倒したんだっけ。なら、あながち嘘ってわけでもなさそうね」
受付嬢が書いたヒーラー募集の概要に、今までララクが倒してきたモンスターについても書かれてあった。
「でも、回復スキルはほとんど持っていないですし今後も増えない、と思います。なので、将来的にはヒーラーが必要かな、って思ったんです。
そして、案の定前回の戦いで苦戦しまして。だから、戦力増強をしたいなって考えていました」
ララクは最悪、テレポートを行えばすぐに逃げることが出来る。しかし、それでは討伐クエストの場合は意味がない。ララクが治療してまた戻ってくる頃には、敵を見失っているか敵も体力を回復している可能性がある。
なので、一番は戦場に居続けるのが最良だった。
「そういうこと。じゃ、私が最適かもね。戦闘も回復も出来るなんて、最高の仲間でしょ?」
ナチュラルに自画自賛するゼマ。自慢げではなく、さも当然化のような口ぶりだった。腕っぷしには自信があるようだ。
「で、すね。あの、ゼマさんのレベルっていくつなんですか?」
「45かな?」
「あ、結構高いんですね」
40を超えていればベテランの冒険者だ。さらに60を超えれば達人の領域といえるだろう。その上は、冒険者の中でも僅かな者しか到達できない高みとされている。
「あんたは?」
「47,ですね」
実は魔天狼との戦いで1つだけレベルが上昇していた。【追放エナジー】獲得前が40で、シーサーペント討伐後が46だった。
魔天狼を絶命までさせれば50まで上がったかもしれない。しかし、戦闘だけで終わったのであまり経験値を得れなかったのだ。残酷な話ではなるが、強者の命を奪うほどレベルは上がりやすい。
「まじかよ、私よりちょっと高いじゃん。あんた、若いのにどんだけ冒険したのよ」
レベルを上げるためには、クエストを何度もこなす必要がある。なので、必然的に若いと経験が浅くレベルがあまりあがっていないのが普通だ。20代ぐらいが一番、身体的にも戦闘回数的にも伸びしろがあるといえるだろう。
「あの頃は、ちょっと必死でして」
レベルが上がれば自分にも新スキルが備わる、と思っていた以前のララクは、何度追放されようとも見境なしにパーティーに加入していた。ほぼ休みなしに働いていたので、レベルだけはベテランの域まで上昇していた。
「そう。そっか、レベル的には私の方が低いのか……。じゃあ、こうしない?」
ララクの実力を何となく察したゼマは、ある提案をする。
「こうするとは?」
「1回だけパーティー組んでクエスト受けてみない? お試し期間って感じで。それで私が必要ないって感じたら、契約を解消して私たちの関係は終了」
かなりドライな提案だった。普通は加入希望者から提案するような内容ではなかった。しかし、他のパーティーの場合でも加入場合は、試行期間を設けることがある。
「……お試し、期間ですか」
ララクはその言葉に敏感に反応した。
何を隠そう、彼はそれが原因で何度もパーティーを早々に追放になっている。それに比べて、デフェロットたちの【疾風怒濤】や【ダブランファミリー】は、比較的長い期間在籍していたのだった。
「なに、なんかあるの? 私的には、あんたが満足いっていないのにダラダラ仲間でいるのは嫌だからさ。
それに、私もあんたの実力を確かめたいからね」
そもそもゼマはソロで活動していたので、そこまでパーティーに固執しているわけではないように思える。
「分かりました。ゼマさんがそう言うならそうしましょう。じゃあ、契約しますか」
「おっけー。契約なんて久しぶり」
2人は利き手を出して紋章を近づかせる。
「えーと、ララク・ストリーンとゼマ・ウィンビーのパーティー契約を結ぶ」
紋章に向かってララクがそう宣言する。リーダーになったのは初めてなので、この口上を述べるのは初めてだった。
2つの紋章から光の線が出現し、それが1つに交わった。しばらくすると、紋章の光は消えていった。
これで、正式にパーティー契約を結んだことになった。
「よろしく、お願いします。ゼマさん」
「ま、お試しだけど。ララク、よろしくね」
一時的ではあるものの、ララクがリーダーを務める冒険者パーティー【ハンドレッド】が誕生したのだった。
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「お姉さん、お代わり。後、チーズとベーコンちょうだい」
「かしこまりました」
冒険者ギルドの酒場エリアには、専属のウェイターが存在する。彼女たちに頼めば、酒とつまみを持ってきてくれる。もちろん、最後には金を払う。
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おそらく、スキルというよりは素でアルコールに強い体なのだろう。
「ねぇ、本当に奢ってもらっていいの? 見ての通り、私飲むよ?」
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正直、こんなに食べるとは思っていなかったようだ。パーティー契約をする前に人となりを知ろうと、食事の席を設けたのだが、ララクのイメージしていたものとは少し違った。
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軽くララクと話していると、すぐにビールが卓に運ばれてきた。そしてそのあとに、燻製ベーコンと、3種のチーズの盛り合わせが運ばれてきた。
ララクもつまんではいるが、ほとんどはゼマの胃袋に入っていた。
「あの、ゼマさんは最近まではどんなパーティーに所属していたんですか?」
ララクはゼマの顔を一度も見かけたことはなかった。なので、普段はこのギルドを利用していない冒険者なのではないかと考えていた。この国には他にもたくさんの街とギルドが存在する。
なので、彼女の経歴が気になっていた。いわば、加入前の面接のようなものなのだが、ゼマからは緊張感というものが一切感じられない。
「ん? パーティー? 組んでいないよ?」
とぼけた表情でビールを喉に流し込んでいく。酒場には、簡単なカクテルなどもあるが、彼女はビールが一番気に入っているようだ。
「え、ソロってことですか?」
「そんなに珍しい? あんただってソロじゃん」
ゼマの言った通り、ソロの冒険者自体は数は少ないがちらほら存在する。実力がある者、固定のパーティーはなく定期的に雇われる者、金がなく報酬を1人締めしたい者、など理由は様々だ。
「そうですけど……ゼマさんってヒーラーですよね? 失礼ですけど、1人でモンスターを倒せるんですか?」
ララクのイメージするヒーラーとは、回復に専念している者、だった。パーティーには役割があり、前衛で戦う戦士などをサポートするのが一般的だ。
「余裕よ余裕。ほら、その武器。【棒適正】持ってるから、近接も出来んのよ」
4人テーブルの余った椅子に立てかけられた、鉄製の長い棒にゼマは視線を移した。
「なるほど、戦闘も回復も自分1人でやってしまうと」
個体にもよるが、だいたいの生物は1つの戦闘スタイルにスキルが偏ることが多い。なので、一般的には冒険者はパーティーを組むことが多い。それぞれの弱点を補うためだ。
しかし、ゼマのようにオールラウンダーなスキル構成の者も中にはいた。
「っそ。あんたこそ、回復スキルないのによくソロでやってたね。ポーションでまかなってたの?」
「いえ、一応【ヒーリング】は持っているんですけど、効果が弱くて。たぶん、【回復力上昇】を持っていないからだと思います」
「ふーん、そうなんだ。ちなみに、私はちゃんと【回復力上昇】持ってるよ。
てことは、ソロでやってたんだけど、回復が間に合わないからヒーラーを募集したってこと?」
「いや、まだソロになってから攻撃を受けたことがなくて、回復が間に合わないかどうかは分からないんですけど」
つい最近戦闘を行った魔天狼はララクに膝をつかせただけで、攻撃スキルを当ててはいなかった。月の力を利用した【ムーンレーザー】や【ムーンストライク】を危うさはあったものの回避しきっていた。
「なにそれ、あんたそんなに強いの? あーでも、ケルベアスとか倒したんだっけ。なら、あながち嘘ってわけでもなさそうね」
受付嬢が書いたヒーラー募集の概要に、今までララクが倒してきたモンスターについても書かれてあった。
「でも、回復スキルはほとんど持っていないですし今後も増えない、と思います。なので、将来的にはヒーラーが必要かな、って思ったんです。
そして、案の定前回の戦いで苦戦しまして。だから、戦力増強をしたいなって考えていました」
ララクは最悪、テレポートを行えばすぐに逃げることが出来る。しかし、それでは討伐クエストの場合は意味がない。ララクが治療してまた戻ってくる頃には、敵を見失っているか敵も体力を回復している可能性がある。
なので、一番は戦場に居続けるのが最良だった。
「そういうこと。じゃ、私が最適かもね。戦闘も回復も出来るなんて、最高の仲間でしょ?」
ナチュラルに自画自賛するゼマ。自慢げではなく、さも当然化のような口ぶりだった。腕っぷしには自信があるようだ。
「で、すね。あの、ゼマさんのレベルっていくつなんですか?」
「45かな?」
「あ、結構高いんですね」
40を超えていればベテランの冒険者だ。さらに60を超えれば達人の領域といえるだろう。その上は、冒険者の中でも僅かな者しか到達できない高みとされている。
「あんたは?」
「47,ですね」
実は魔天狼との戦いで1つだけレベルが上昇していた。【追放エナジー】獲得前が40で、シーサーペント討伐後が46だった。
魔天狼を絶命までさせれば50まで上がったかもしれない。しかし、戦闘だけで終わったのであまり経験値を得れなかったのだ。残酷な話ではなるが、強者の命を奪うほどレベルは上がりやすい。
「まじかよ、私よりちょっと高いじゃん。あんた、若いのにどんだけ冒険したのよ」
レベルを上げるためには、クエストを何度もこなす必要がある。なので、必然的に若いと経験が浅くレベルがあまりあがっていないのが普通だ。20代ぐらいが一番、身体的にも戦闘回数的にも伸びしろがあるといえるだろう。
「あの頃は、ちょっと必死でして」
レベルが上がれば自分にも新スキルが備わる、と思っていた以前のララクは、何度追放されようとも見境なしにパーティーに加入していた。ほぼ休みなしに働いていたので、レベルだけはベテランの域まで上昇していた。
「そう。そっか、レベル的には私の方が低いのか……。じゃあ、こうしない?」
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それに、私もあんたの実力を確かめたいからね」
そもそもゼマはソロで活動していたので、そこまでパーティーに固執しているわけではないように思える。
「分かりました。ゼマさんがそう言うならそうしましょう。じゃあ、契約しますか」
「おっけー。契約なんて久しぶり」
2人は利き手を出して紋章を近づかせる。
「えーと、ララク・ストリーンとゼマ・ウィンビーのパーティー契約を結ぶ」
紋章に向かってララクがそう宣言する。リーダーになったのは初めてなので、この口上を述べるのは初めてだった。
2つの紋章から光の線が出現し、それが1つに交わった。しばらくすると、紋章の光は消えていった。
これで、正式にパーティー契約を結んだことになった。
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