6 / 113
第6話 戦いの結末
しおりを挟む
ララクがスキル確認している間に、ケルベアスの首は元通りになっていた。
「ララク! また突進がくるぞ!」
ガッディアの言う通り、ケルベアスは再び突進しようとしている。しかし、赤いオーラは出ていないのでスキルではない通常攻撃のようだ。
おそらく、【サーチング】で自分のスキルがバレたことを知っているからだろう。
脳が3つあるので、これぐらいは頭が回るようだ。
「大丈夫ですよ」
ケルベアスが走り始めようとした瞬間、その脚が地面から離れなくなったのだ。前に進もうと思っても、何かの抵抗を受けて前進できない。
「グルルゥゥゥ」
ケルベアスの4本脚には、紫色の鎖が大量に巻きつけられていた。その鎖は地面から植物のように生えており、標的を捉えて離さない。
これもまた、ララクが獲得したスキルの1つだ。
「【ポイズンチェイン】便利だなぁ、これ」
これは、魔毒使い・キンディンスと鉄鎖《てっさ》のアルバリオのスキルが組み合わさって出来たものだ。
【ポイズンチェイン】
獲得条件……【クイックポイズン】【チェインホールド】を所持。
効果……即効性の毒が塗られた鎖を生成し、相手を拘束することが出来る。
効果説明通り、この鎖には体を蝕む毒が付着している。しかも、即効性が高く相手の動きを鈍くする。
そのため、鎖で相手を拘束しやすくできるので、相性が良かった。
「グルルルルゥゥ」
唸るケルベアス。4本の足が、つま先から徐々に紫色に変色していく。
ケルベアスは何度も脚を持ち上げて振り解こうとするが、鎖の強度は高かった。
当分は身動きが出来なさそうなことを確認をすると、ララクはさらに追撃することにしたようだ。
「まずは【空中浮遊】」
ララクの体がふわっと浮き始める。レニナが使用していたスキルだ。
「それと【分身】」
その後、ララクの体が分裂して3人に増えていく。
増えた2人も、創成したゴールデンソードを構えており、さらに宙に浮いている。
「ラ、ララクが増えやがった!」
次々、スキルを組み合わせていくその姿に、デフェロットは目を疑う。
【分身】のスキルは、瞬影忍者《しゅんえいにんじゃ》・カケルが持つ希少スキルだ。なので、聞いたことはあっても実際に目にするのは初めてだったのだろう。
「よし、行くよ。ボクたち!」
ララクと分身体たちはケルベアスを目指して空を飛行していく。
そして彼らは、それぞれケルベアスの3つある頭の上空で停空した。
「よし、【ウィンドスラッシュ】だ」
今度は、確実に首を切り落とすために、【エアスラッシュ】ではなく、その複合版を発動する。
【ウィンドスラッシュ】
獲得条件……【ウィンドカッター】【エアスラッシュ】を所持。
効果……剣の斬撃を実体化させて放つことが出来る。さらに、風の効果を付与させる。このスキルの威力は、剣による攻撃の威力によっても変化する。
スキルを発動するために、3人のララクは剣を振り上げる。
しかし、頭上に移動してきたララクを見て、森の主がただ黙って見ているはずもなかった。まだ、鎖は解けていないが、脚以外ならば問題なく動かせる。
そしてケルベアスには、この状態でも発動できるスキルがあった。
「グルォォォォォォォォォォ!!」
ケルベアスは3つの口で大量に空気を吸い込む。すると、異常に肺が膨張し始める。それは外からでも分かるほどだ。
そしてその後、3頭同時に強力な咆哮を放った。
これがケルベアスのみが所持しているスキル【ケルベアスの咆哮】である。シンプルなものだが、この巨体でしかも3つ同時に繰り出されるため、音と衝撃波は凄まじかった。
「っく、ぐぅぅ」
頭の上にいたララクたちは、それをもろに食らってしまう。【空中浮遊】で、なんとか吹っ飛ばされないように、とどまり続けようとする。
しかし、台風に連れ去られるかのように、ララクたちの体は後ろへと下がっていく。
「だったら、【聴覚保護】! さらに【ウェイトアップ】」
このままでは【ウィンドスラッシュ】を発動できないと思い、それを補助するためのスキルを発動する。
【ウェイトアップ】を使うことで、ララクたちの体は吹っ飛ばされるどころか、下へと重力に引っ張られていく。
そしてその勢いを使って、【ウィンドスラッシュ】を発動することに成功する。
「はぁぁぁ、はぁ!」
ララク、そして分身体2人はほぼ同時に風の力が加わった斬撃を放つ。
風力によって、斬撃は加速していく。
さらに、【ウィンドスラッシュ】はこれを発動するために行う攻撃の剣速が速いほど、攻撃力とスピードがあがっていく。
パッシブスキル【剣適正】により剣速が、さらに【ウェイトアップ】で重さが増えたことにより振り下ろすスピードが上昇していた。
咆哮に抗いながら出したとはいえ、その効果は絶大だった。
放たれた3つの斬撃は、綺麗な切り口でケルベアスの頭全てを切断して見せた。
大量の黒血が森に流れていった。
「ララク! また突進がくるぞ!」
ガッディアの言う通り、ケルベアスは再び突進しようとしている。しかし、赤いオーラは出ていないのでスキルではない通常攻撃のようだ。
おそらく、【サーチング】で自分のスキルがバレたことを知っているからだろう。
脳が3つあるので、これぐらいは頭が回るようだ。
「大丈夫ですよ」
ケルベアスが走り始めようとした瞬間、その脚が地面から離れなくなったのだ。前に進もうと思っても、何かの抵抗を受けて前進できない。
「グルルゥゥゥ」
ケルベアスの4本脚には、紫色の鎖が大量に巻きつけられていた。その鎖は地面から植物のように生えており、標的を捉えて離さない。
これもまた、ララクが獲得したスキルの1つだ。
「【ポイズンチェイン】便利だなぁ、これ」
これは、魔毒使い・キンディンスと鉄鎖《てっさ》のアルバリオのスキルが組み合わさって出来たものだ。
【ポイズンチェイン】
獲得条件……【クイックポイズン】【チェインホールド】を所持。
効果……即効性の毒が塗られた鎖を生成し、相手を拘束することが出来る。
効果説明通り、この鎖には体を蝕む毒が付着している。しかも、即効性が高く相手の動きを鈍くする。
そのため、鎖で相手を拘束しやすくできるので、相性が良かった。
「グルルルルゥゥ」
唸るケルベアス。4本の足が、つま先から徐々に紫色に変色していく。
ケルベアスは何度も脚を持ち上げて振り解こうとするが、鎖の強度は高かった。
当分は身動きが出来なさそうなことを確認をすると、ララクはさらに追撃することにしたようだ。
「まずは【空中浮遊】」
ララクの体がふわっと浮き始める。レニナが使用していたスキルだ。
「それと【分身】」
その後、ララクの体が分裂して3人に増えていく。
増えた2人も、創成したゴールデンソードを構えており、さらに宙に浮いている。
「ラ、ララクが増えやがった!」
次々、スキルを組み合わせていくその姿に、デフェロットは目を疑う。
【分身】のスキルは、瞬影忍者《しゅんえいにんじゃ》・カケルが持つ希少スキルだ。なので、聞いたことはあっても実際に目にするのは初めてだったのだろう。
「よし、行くよ。ボクたち!」
ララクと分身体たちはケルベアスを目指して空を飛行していく。
そして彼らは、それぞれケルベアスの3つある頭の上空で停空した。
「よし、【ウィンドスラッシュ】だ」
今度は、確実に首を切り落とすために、【エアスラッシュ】ではなく、その複合版を発動する。
【ウィンドスラッシュ】
獲得条件……【ウィンドカッター】【エアスラッシュ】を所持。
効果……剣の斬撃を実体化させて放つことが出来る。さらに、風の効果を付与させる。このスキルの威力は、剣による攻撃の威力によっても変化する。
スキルを発動するために、3人のララクは剣を振り上げる。
しかし、頭上に移動してきたララクを見て、森の主がただ黙って見ているはずもなかった。まだ、鎖は解けていないが、脚以外ならば問題なく動かせる。
そしてケルベアスには、この状態でも発動できるスキルがあった。
「グルォォォォォォォォォォ!!」
ケルベアスは3つの口で大量に空気を吸い込む。すると、異常に肺が膨張し始める。それは外からでも分かるほどだ。
そしてその後、3頭同時に強力な咆哮を放った。
これがケルベアスのみが所持しているスキル【ケルベアスの咆哮】である。シンプルなものだが、この巨体でしかも3つ同時に繰り出されるため、音と衝撃波は凄まじかった。
「っく、ぐぅぅ」
頭の上にいたララクたちは、それをもろに食らってしまう。【空中浮遊】で、なんとか吹っ飛ばされないように、とどまり続けようとする。
しかし、台風に連れ去られるかのように、ララクたちの体は後ろへと下がっていく。
「だったら、【聴覚保護】! さらに【ウェイトアップ】」
このままでは【ウィンドスラッシュ】を発動できないと思い、それを補助するためのスキルを発動する。
【ウェイトアップ】を使うことで、ララクたちの体は吹っ飛ばされるどころか、下へと重力に引っ張られていく。
そしてその勢いを使って、【ウィンドスラッシュ】を発動することに成功する。
「はぁぁぁ、はぁ!」
ララク、そして分身体2人はほぼ同時に風の力が加わった斬撃を放つ。
風力によって、斬撃は加速していく。
さらに、【ウィンドスラッシュ】はこれを発動するために行う攻撃の剣速が速いほど、攻撃力とスピードがあがっていく。
パッシブスキル【剣適正】により剣速が、さらに【ウェイトアップ】で重さが増えたことにより振り下ろすスピードが上昇していた。
咆哮に抗いながら出したとはいえ、その効果は絶大だった。
放たれた3つの斬撃は、綺麗な切り口でケルベアスの頭全てを切断して見せた。
大量の黒血が森に流れていった。
0
お気に入りに追加
1,163
あなたにおすすめの小説
結界師、パーティ追放されたら五秒でざまぁ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「こっちは上を目指してんだよ! 遊びじゃねえんだ!」
「ってわけでな、おまえとはここでお別れだ。ついてくんなよ、邪魔だから」
「ま、まってくださ……!」
「誰が待つかよバーーーーーカ!」
「そっちは危な……っあ」

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」
リーリエは喜んだ。
「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」
もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。
水垣するめ
恋愛
主人公のミア・スコットは幼い頃から家の仕事をさせられていた。
兄と妹が優秀すぎたため、ミアは「無能」とレッテルが貼られていた。
しかし幼い頃から仕事を行ってきたミアは仕事の腕が鍛えられ、とても優秀になっていた。
それは公爵家の仕事を一人で回せるくらいに。
だが最初からミアを見下している両親や兄と妹はそれには気づかない。
そしてある日、とうとうミアを家から追い出してしまう。
自由になったミアは人生を謳歌し始める。
それと対象的に、ミアを追放したスコット家は仕事が回らなくなり没落していく……。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる