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異常体(バケモン)には異常体(バケモン)をぶつけんだよッ!!!!
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その時……周囲の景色が崩れ始める。
と言っても、雑な造形のダンジョン内の大広間にも、地下世界に有る闘技場にも見える場所だったが……。
強制異世界転移か……。
もっとも、この多元宇宙の創造主は、私が生まれる前から想像力が枯渇気味で、どこの世界も大して変らないらしいが……。
とか、馬鹿な事を考えた次の瞬間、考えを改めらざるを得なくなった。
中々の新機軸だ。一般市民同士が殺し合っている町とは……。
だが、良く見てみれば……なるほど。
どうやら、一般市民の中にアンデッド化した奴が出て、そいつらが人間のままの一般市民を襲っているらしい。
気休め程度にしかならないが、気配を隠す魔法が封じられた呪符を取り出し……。
いや、待てよ。
残り枚数を数え……瞬時に決断。呪符を発動させるのをやめる。
ベルト代りに腰に巻いている伸縮自在の魔法の投げ縄を外し、居酒屋らしい2階建の建物の煙突に向い投げる。
そして、瞬時に長さを縮め、屋根の上に移動。
屋根づたいに、騷ぎの震源地を探す。
人口密度ならぬゾンビ密度が多い方向に当りを付け、屋根から屋根へと、その方向に向う。
辿り着いたのは……王宮か領主の館らしい建物の前に有る広場。
流石に、ここには、身を隠せるような場所は無さそうだ。
「ざぁ~こ、ざぁ~こ、ざぁ~こ」
また私の派生体と殺し合いか……。
うんざりした気分になってる中、聞こえてきたのは、私の派生体の決め台詞から、少しばかりズレた代物だった。
「ねえ、本気出せば瞬殺出来る相手にボロ負けする気分はどう、勇者御一行様? あんた達は、どう頑張っても、今の百倍千倍強くなれても、心が雑魚だから自分達より遥かに弱いあたしにボロ負けする運命なんだよ♥」
私は「気配を隠す」呪符と、もう1種類の呪符を発動させながら……違和感を感じていた。
ありがちな私の派生体にしては……露出度が少ない。
黒いフード付のマント。黒い長手袋。黒いストッキングに黒いブーツ。
完全に黒一色と言う訳ではなく、所々に可愛さアピールらしいヒラヒラやら、ピンク色の線や模様が入ってはいるが……。
「ずいぶん細い手足だな。最近は拒食症の奴が流行なのか?」
「また、雑魚か。それで気配を消してるつもり?」
そいつの手からは穢れきった臭気さえ感じそうな魔力の奔流。
その魔力流が、ゾンビの内の1匹を破壊した瞬間……。
と言っても、雑な造形のダンジョン内の大広間にも、地下世界に有る闘技場にも見える場所だったが……。
強制異世界転移か……。
もっとも、この多元宇宙の創造主は、私が生まれる前から想像力が枯渇気味で、どこの世界も大して変らないらしいが……。
とか、馬鹿な事を考えた次の瞬間、考えを改めらざるを得なくなった。
中々の新機軸だ。一般市民同士が殺し合っている町とは……。
だが、良く見てみれば……なるほど。
どうやら、一般市民の中にアンデッド化した奴が出て、そいつらが人間のままの一般市民を襲っているらしい。
気休め程度にしかならないが、気配を隠す魔法が封じられた呪符を取り出し……。
いや、待てよ。
残り枚数を数え……瞬時に決断。呪符を発動させるのをやめる。
ベルト代りに腰に巻いている伸縮自在の魔法の投げ縄を外し、居酒屋らしい2階建の建物の煙突に向い投げる。
そして、瞬時に長さを縮め、屋根の上に移動。
屋根づたいに、騷ぎの震源地を探す。
人口密度ならぬゾンビ密度が多い方向に当りを付け、屋根から屋根へと、その方向に向う。
辿り着いたのは……王宮か領主の館らしい建物の前に有る広場。
流石に、ここには、身を隠せるような場所は無さそうだ。
「ざぁ~こ、ざぁ~こ、ざぁ~こ」
また私の派生体と殺し合いか……。
うんざりした気分になってる中、聞こえてきたのは、私の派生体の決め台詞から、少しばかりズレた代物だった。
「ねえ、本気出せば瞬殺出来る相手にボロ負けする気分はどう、勇者御一行様? あんた達は、どう頑張っても、今の百倍千倍強くなれても、心が雑魚だから自分達より遥かに弱いあたしにボロ負けする運命なんだよ♥」
私は「気配を隠す」呪符と、もう1種類の呪符を発動させながら……違和感を感じていた。
ありがちな私の派生体にしては……露出度が少ない。
黒いフード付のマント。黒い長手袋。黒いストッキングに黒いブーツ。
完全に黒一色と言う訳ではなく、所々に可愛さアピールらしいヒラヒラやら、ピンク色の線や模様が入ってはいるが……。
「ずいぶん細い手足だな。最近は拒食症の奴が流行なのか?」
「また、雑魚か。それで気配を消してるつもり?」
そいつの手からは穢れきった臭気さえ感じそうな魔力の奔流。
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