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第一章:毒戦寒流
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「何て真似やってくれたんだよ? 一体全体、どうやって、これ、揉み消す気なんだ?」
共同捜査の相手である警視庁の公安のカルト宗教対策関係の部署と緊急打ち合わせが開かれた時には……午前3時ごろになっていた。
困った事に、私達が起した事故の写真は、携帯電話で撮影した連中の手で……既に何枚もWEBにUPされていたのだ。
……いや、「私達が起した事故」と言うより「私が起した事故」かも知れないが。
「あのねぇ、そっちこそ、何で、正体隠して、ウチの若いのを脅したんですか? しかも、今時、『車庫飛しで家族を別件逮捕』なんて何考えてんですか?」
そう言ったのは、ウチのチーム長。
この「交通事故」に巻き込まれた「謎の男」の正体こそが事態をややこしくしていたのだ。
私と相棒が指示に従わなかった事を知った謎の一団は……岡山の実家に居る私の家族を人質にしようとしたが……一足先に、ウチの「レンジャー隊」が私の実家に到着。
そして、ウチの岡山支部の「レンジャー隊」が見たモノは……何故か、午前0時ごろに逮捕状を手にやって来た、岡山県警の公安関係の部署の刑事達。
容疑は「車庫飛ばし」。
これまた、何故か、ウチの親がちゃんとやっていた筈の車庫証明の記録が岡山県警から消えていたのだ。
「ふざけるな。この場で責められているのは君達だ。岡山県警がやった事に関しては、岡山県警に問合せてくれ」
その時、関口が机の上に置いた手の指を動かす。
仲間内で決めた暗号だ。左手のどの指を曲げているかで子音、右手の指で母音を現わす。
『せいしんそうさ つかわれてる』
それに対して、チーム長が同じ手段で返事をする。
『つきに やられたら かえせ』
「おい……聞いてんの……あの……聞いて……お……おねがいです……聞いて下さい……」
公安の刑事の1人の口調が急に変になる。
どうやら……「精神操作」系の異能力の多くと脳や心に影響を及ぼす「魔法」との違いは……基本的に修行なしで使えるようになったか程度の違いしかなく、原理までほぼ同じらしい。
つまり……そこそこ程度の「精神操作」系の異能力者が、そこそこ以上の「魔法使い」に「精神操作」を行なおうとすれば……「精神操作」が効く前に検知され、少なからぬ確率で「呪詛返し」をやられる。
「すいません……すいません……すいません……すいませえええええんッ‼ 許して許して許して許して許して許して……」
「あ……あの……村上さん……?」
公安の刑事は、急に様子が変になった仲間を見て、途方にくれていた。
「どうやら……公安さんには……何者かに『精神操作』をされてる人が思ってたより多いようですな……。なら、あんな真似せずに、正式ルートでウチに協力を要請してもらえば良かっただけじゃないですかね?」
「ふ……ふざけんな、てめぇ……」
「えっ? 私ら何かやったって言うんですか? 証拠は……おい、他の警察機構にイチャモン付ける気なら証拠出せよ」
「てめぇ、ポッと出のクセに公安に喧嘩売る気か?」
「ややや……やめるんだだだだ……っ。わわわわわわるいのはははおれたちちちだあああ……ごめんなさいいいい……ほらあああ……おまえらもあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれはやくあやまれはやくあやまれはやくあやまれはやくあやまれはやくあやまれ」
「あの……村上さん……」
共同捜査の相手である警視庁の公安のカルト宗教対策関係の部署と緊急打ち合わせが開かれた時には……午前3時ごろになっていた。
困った事に、私達が起した事故の写真は、携帯電話で撮影した連中の手で……既に何枚もWEBにUPされていたのだ。
……いや、「私達が起した事故」と言うより「私が起した事故」かも知れないが。
「あのねぇ、そっちこそ、何で、正体隠して、ウチの若いのを脅したんですか? しかも、今時、『車庫飛しで家族を別件逮捕』なんて何考えてんですか?」
そう言ったのは、ウチのチーム長。
この「交通事故」に巻き込まれた「謎の男」の正体こそが事態をややこしくしていたのだ。
私と相棒が指示に従わなかった事を知った謎の一団は……岡山の実家に居る私の家族を人質にしようとしたが……一足先に、ウチの「レンジャー隊」が私の実家に到着。
そして、ウチの岡山支部の「レンジャー隊」が見たモノは……何故か、午前0時ごろに逮捕状を手にやって来た、岡山県警の公安関係の部署の刑事達。
容疑は「車庫飛ばし」。
これまた、何故か、ウチの親がちゃんとやっていた筈の車庫証明の記録が岡山県警から消えていたのだ。
「ふざけるな。この場で責められているのは君達だ。岡山県警がやった事に関しては、岡山県警に問合せてくれ」
その時、関口が机の上に置いた手の指を動かす。
仲間内で決めた暗号だ。左手のどの指を曲げているかで子音、右手の指で母音を現わす。
『せいしんそうさ つかわれてる』
それに対して、チーム長が同じ手段で返事をする。
『つきに やられたら かえせ』
「おい……聞いてんの……あの……聞いて……お……おねがいです……聞いて下さい……」
公安の刑事の1人の口調が急に変になる。
どうやら……「精神操作」系の異能力の多くと脳や心に影響を及ぼす「魔法」との違いは……基本的に修行なしで使えるようになったか程度の違いしかなく、原理までほぼ同じらしい。
つまり……そこそこ程度の「精神操作」系の異能力者が、そこそこ以上の「魔法使い」に「精神操作」を行なおうとすれば……「精神操作」が効く前に検知され、少なからぬ確率で「呪詛返し」をやられる。
「すいません……すいません……すいません……すいませえええええんッ‼ 許して許して許して許して許して許して……」
「あ……あの……村上さん……?」
公安の刑事は、急に様子が変になった仲間を見て、途方にくれていた。
「どうやら……公安さんには……何者かに『精神操作』をされてる人が思ってたより多いようですな……。なら、あんな真似せずに、正式ルートでウチに協力を要請してもらえば良かっただけじゃないですかね?」
「ふ……ふざけんな、てめぇ……」
「えっ? 私ら何かやったって言うんですか? 証拠は……おい、他の警察機構にイチャモン付ける気なら証拠出せよ」
「てめぇ、ポッと出のクセに公安に喧嘩売る気か?」
「ややや……やめるんだだだだ……っ。わわわわわわるいのはははおれたちちちだあああ……ごめんなさいいいい……ほらあああ……おまえらもあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれはやくあやまれはやくあやまれはやくあやまれはやくあやまれはやくあやまれ」
「あの……村上さん……」
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