世界を護る者達:毒戰寒流

蓮實長治

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第三章:ピースブレイカー

アータヴァカ/関口 陽(ひなた) (3)

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『臨時のバイト有るんだけどやります?』
 九州こっちに越してきてから入った地元の魔法使い同業者のSNSコミュニティで手が空いてる奴を募集してた。
 内容を見てみると……昨日のアレか……。
 繁華街にヤバい魔力・霊力で汚染された心霊災害地帯が出現したんで「浄化」系の能力・技術を持ってる奴を募集していた。
 瀾の方は、ノートPC立ち上げて……「工房」の奴と何かを話している。
 流石に疲れてるんで、バイトの件は断わる。
「お前のバイク、予備部品から新しいの作って、今日中にテスト終るってさ」
「じゃあ、いつまでに届くんだ?」
「明日、取りに来いって」
「おい、たしか、『工房』は北九州だろ?」
「大野城の山の方だ」
「はあ?」
「複数のチームが合同で使ってる射撃訓練場 兼 飛び道具のテスト場が有る。昨日の『鬼』向けの武器の試作品が、いくつか出来たんで、専門家の意見を聞きたいってさ。明日の夕方以降。私も学校が終ったら付き合う」
「もう……か?」
「弾の方を工夫するらしい。まずは、『工房』の在庫に有った変な銃弾ややじりを片っ端から試したそうだ」
「でもさ……簡単に行くのか?」
「難しいな……例えば……私が、あの『鬼』を守ってた女なら、次回に現われる時は『鬼』に防弾衣でも着けさせる。でも、『鬼』に対処する方としては、たった、それだけの事で想定しないといけないケースの数が一気に増える」
「ああ、くそ……そうだ」
「いい事でも思い付いたのか?」
「よし、朝飯、食いに行こう」
「ああ、まずは脳に糖分補給だな……あと、覚醒作用が有るカフェインも有った方がいい」
 瀾は……そう答えた……が……。
「おい、頼むから、わざとクソ真面目な表情かおで、クソくだんね~冗談言う癖、何とかしろ」
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