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第一章:傷城
ニルリティ/高木 瀾(らん) (6)
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私が狼男のパンチを躱した瞬間、大型の金属の腕が、狼男の腕を掴んだ。
レンジャー隊のパワー型の背中に装備されている機械腕だ。
一般的な回転式電磁モーターで駆動し、護国軍鬼や水城のような人工筋肉式に比べ、精密動作や反応速度で劣るが、パワーでは勝る。
だが……。
「え? 何でだ?」
機械腕が取り付けられているレンジャー隊の副指揮官とパワー型のハイブリッド型は体ごと宙に浮く。
機械腕を狼男の手から離すが……既に狼男は機械腕を握り返していた。
これでは……狼男にパワーで勝っていても、そのパワーを巧く活用出来ない。
私は軍刀から手を離し、たまたま、側に転がっていた機動隊員の盾を手にし、狼男との間合を詰める。
ゴオッ……‼
盾を防具ではなく、武器として横方向に振り回すが、狼男には避けられ……。
だが、その時、狼男は機械腕から手を離してしまい……。
ゴオッ……‼
もう1つの盾が狼男の脳天に撃ち込まれ……。
「中々いいね、これ……ん?」
そう言ったのは、レンジャー隊の副指揮官兼パワー型だが……。
「って、そんなの有りかよッ?」
その盾は、狼男の頭に当ってなどいなかった。
それどころか、私がさっきまで使っていた軍刀で両断されていた。
「あんな物騒な刀、敵にくれてやるか、フツ~?」
「うっかりしてた。量産品なんでな」
「残念だったな。仲良く死ね」
狼男は軍刀を振り降し……。
私は、左腕の隠し刃を展開、狼男の刃に側面から当て軌道を逸らす。
「打撃も駄目、斬撃も駄目、絞め技も駄目なら……残る手は……」
私は鎧の余剰エネルギー排出口を全開にして、横斜め前に高速移動。
続いて、足の隠し杭をアスファルトに撃ち込み方向転換。
「関節技か……」
「あっ?」
狼男の背後に回り込んだ私は狼男を足で胴絞め。
背後から狼男の口に両手を無理矢理入れ……。
「おい、手伝え」
「それ、関節技って呼ばねえよ」
「あががががが……」
ツッコミと共に、機械腕が狼男の口に侵入した。
レンジャー隊のパワー型の背中に装備されている機械腕だ。
一般的な回転式電磁モーターで駆動し、護国軍鬼や水城のような人工筋肉式に比べ、精密動作や反応速度で劣るが、パワーでは勝る。
だが……。
「え? 何でだ?」
機械腕が取り付けられているレンジャー隊の副指揮官とパワー型のハイブリッド型は体ごと宙に浮く。
機械腕を狼男の手から離すが……既に狼男は機械腕を握り返していた。
これでは……狼男にパワーで勝っていても、そのパワーを巧く活用出来ない。
私は軍刀から手を離し、たまたま、側に転がっていた機動隊員の盾を手にし、狼男との間合を詰める。
ゴオッ……‼
盾を防具ではなく、武器として横方向に振り回すが、狼男には避けられ……。
だが、その時、狼男は機械腕から手を離してしまい……。
ゴオッ……‼
もう1つの盾が狼男の脳天に撃ち込まれ……。
「中々いいね、これ……ん?」
そう言ったのは、レンジャー隊の副指揮官兼パワー型だが……。
「って、そんなの有りかよッ?」
その盾は、狼男の頭に当ってなどいなかった。
それどころか、私がさっきまで使っていた軍刀で両断されていた。
「あんな物騒な刀、敵にくれてやるか、フツ~?」
「うっかりしてた。量産品なんでな」
「残念だったな。仲良く死ね」
狼男は軍刀を振り降し……。
私は、左腕の隠し刃を展開、狼男の刃に側面から当て軌道を逸らす。
「打撃も駄目、斬撃も駄目、絞め技も駄目なら……残る手は……」
私は鎧の余剰エネルギー排出口を全開にして、横斜め前に高速移動。
続いて、足の隠し杭をアスファルトに撃ち込み方向転換。
「関節技か……」
「あっ?」
狼男の背後に回り込んだ私は狼男を足で胴絞め。
背後から狼男の口に両手を無理矢理入れ……。
「おい、手伝え」
「それ、関節技って呼ばねえよ」
「あががががが……」
ツッコミと共に、機械腕が狼男の口に侵入した。
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