脱税してるクソを○せッ!!

蓮實長治

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脱税してるクソを○せッ!!

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「ねえ、何で、誰もこれ問題にしないんですかねえ?」
 会社の食堂で同じ課の先輩に、スマホの画面を見せながらそう言った。
「これの何が問題なんだよ?」
 スマホの画面に表示されているのは、内閣改造の結果、閣僚の8割がカルト宗教「シン家族学会」の信者になった、と云うニュースだった。
「だって……8割ですよ」
「偶然の範囲内だよ」
「それでも異常でしょう」
「まぁ、考えモノだよなあ……」
「でしょう?」
「ああ、そうだよなぁ……」
「やっぱり8割は多すぎますよね?」
「君の言う通り、8割は少な過ぎるな」
「えっ?」
「えっ?」
「『えっ?』って何が『えっ?』なんですか?」
「いや、そもそも何で、閣僚の8割が『シン家族学会』の信者だと問題だと思ったの?」
 子供の頃の嫌な思い出が脳裏に浮かぶ。
 あの教団のせいで、私の家は……。
「だって、あれ、カルトでしょ?」
「はぁ? それ、君の感想だよね?」
「『それ、君の感想だよね?』で相手を論破したつもりになるなんて……」
「いや、君の感想だよ。そして、それは少数意見だよ。だって、
「へっ?」
「あ……あのさ……まさか……加入してないの?」
「えええ……あああ……は……はい……そうですけど……えっと……」
「おい、みんな、ここに十分の一税を『学会』に納めてないクソが居るぞ」
「ふざけんな‼」
「何だと‼」
「みんな苦しい生活から税金を捻出してるのに……」
「何てやつだ?」
「え……えっと……みなさん……冷静に……お……おちつ……」
 ゴンっ‼
 次の瞬間、何か重くて固いモノが私の側頭部に激突し……
    わた
  し
       は意識をう
  し
 な
     い
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