19 / 70
第2章:ETERNAL 0 or -1.0
(4)
しおりを挟む
「ちょっと見ない内に、面白い顔になりましたね。きっと、その病人肌どもが、世にも恐ろしい人体実験を行なったのでしょう」
聞き覚えのある事……あっ……あの宿屋で出会った自称「旅の画家」。
そいつが引き連れてる奴らは……おい、何の冗談だ? 白人を迫害してる連中がKKKのコスプレをしてるなんて。
あああああ……気付くべきだった。
そう云う事か……。
あのクソみたいに強い娘が居る宿屋を……誰が焼き討ちしたのか?
あの無茶苦茶な戦闘能力のメスガキが……何で、両親を殺した奴じゃなくて、僕に怨みを向けたのか?
「あんたも転生者かッ⁉」
答は簡単だ。あのクソ強い宿屋の娘より更に強い奴が居たんだ……さっきの元力士みたいに……。
次の瞬間、な……なんだ……これ……まるで……ひぎいいいいッ‼
目がくらむと同時に……体に痛みと……そして……体の感覚が無くなり、しかも……痺れ……。
「なるほど……貴方は転生者だったのですね。理由が全て判りました。転生者は、いつも病人肌どもに利用される……。そう、百五十年前に現われて、本人は善意のつもりで、この世界を無茶苦茶にした……西郷隆盛という転生者のように……」
え……? どういう……こ……?
「全員、連行して下さい。殺さずに。徹底的に取調べた上で、地下の病人肌どもが、どんな恐ろしい事を企てているか、全て吐かせてから死刑にしましょう」
し……死刑?
「へへへへへ……心配無いからね……ちょっと君の口を軽くする……おまじない……。本当は可愛い女の子にかける方がボク的には……まあいいや……」
そう言いながら僕に近付いてきたのは……この世界風の服装で眼鏡をかけてない以外は……イ○○ト屋の「オタク」のイラストそのまんまの外見の……。
あ……あのサイコ女が変な事を言っていた。
『悪いな……お前の仲間ほど精神操作や洗脳は得意じゃなくてな……』
どん……ずん……どん……ずん……。
その時……何か覚えが有る地響きが……。
「あれ? 今まで何をやって……?」
テンプレ通りのオタクみたいな感じの奴は……そいつに、そう声をかけ……。
「行け、お前の『固有能力』とやらを見せてみろ」
おい、今度は……さっきのサイコ女の声……。
「はい……御主人様……」
地下の下水道から現われた元力士は、全く感情も人間っぽさも感じられない声で、そう答える。
「何かが変ですッ‼」
「大丈夫だよ、ボクの精神操作能力で……止ま……」
ドオンッ‼
テンプレ通りのオタクみたいな感じの奴は……一瞬で、どこかに飛んで行った。
代りに、そこに居たのは……あの元力士……。
そうか……この元力士の固有能力は……高速移動。
相手の精神操作能力が発動する前に、その相手をお空のお星様にしてしまったらしい。
「おい、その大男を下手に攻撃するなよ。お前らが死ぬぞ」
さっきのサイコ女の声。でも、姿は見えない。
「何を言っているんですか? 彼の能力が効かないなら、物理攻撃です」
自称「旅の画家」の手には……筆とパレット。
「なら、攻撃の種類は、良く選べ。警告はしたぞ」
あれ? 何だ……あの元力士が背負っている革袋?
「そうですか?」
自称・画家は馬鹿にしたような口調。
「最後の警告だ。死にたくない奴は、その大男から、なるべく離れろ。さもなくば、お前らのリーダーのせいで、みんな死ぬぞ」
ごおッ‼
またしても、火事場の馬鹿力が発動する予兆。
何かが……マズい。
「女の分際で、大口を叩いた事ッ‼」
自称・画家は絵の具を筆に付け……。
「後悔するがいいッ‼」
自称・画家が固有能力(多分)を発動しようとする隙を付いて……僕は……聖女様とスナガを再び抱え……。
自称・画家が赤い絵の具で、空中に何かを描く。
僕は……走る走る走る走る走る走る……。何も考えずに走るッ‼
振り向くと……自称・画家の絵筆から、元力士に向けて、バカ太い炎の矢が……。
その時、気付いた……。大男が背負っている革袋は、自称・画家からすると……死角になってい……。
閃光。
爆音。
見えない……聞こえない……。
ま……まさか……でも……何で……こんなポリコレ配慮以外はナーロッパにしか思えない世界に……火薬が有るんだッ⁉
やがて……。
「大丈夫ですか?」
「は……はいッ」
聖女様も耳が回復したらしい。
爆風で吹き飛ばされたけど……大きな怪我は……無……。
「御主人様、オラも大丈夫だ」
お前は、どうでもいい。とっとと死ね。
「おい、聞こえてるか? 現実主義者気取りの間抜け野郎。お前にとっての唯一絶対の神のお出ましだ。地面に膝を付き、手を合わせて祈れ。もっとも、この神様の欠点は公平過ぎる事なんで、信じる者も嫌ってる者も平等に扱うがな」
「な……何が、言いたい、この……中二病野郎……」
クソ……あの自称・画家も……生きてた……。
「判らないか、これが……理不尽で残酷な現実って奴だ。そして、ここにはインフィニティー・ストーンも無ければ……トニー・スタークも居ないぞ」
「な……」
「そうだ、お前の言う通り、私は少しばかり中二病でな……一度、言ってみたかったんだ……こんな感じの状況でな。『誰も運命からは逃れられない。運命は、もう、ここに来ている。私こそが逃がれられぬ運命だ』」
ごめん、僕は、あんたからも、あんたが酷い目に遭わせた自称・画家からも逃れたい。
聞き覚えのある事……あっ……あの宿屋で出会った自称「旅の画家」。
そいつが引き連れてる奴らは……おい、何の冗談だ? 白人を迫害してる連中がKKKのコスプレをしてるなんて。
あああああ……気付くべきだった。
そう云う事か……。
あのクソみたいに強い娘が居る宿屋を……誰が焼き討ちしたのか?
あの無茶苦茶な戦闘能力のメスガキが……何で、両親を殺した奴じゃなくて、僕に怨みを向けたのか?
「あんたも転生者かッ⁉」
答は簡単だ。あのクソ強い宿屋の娘より更に強い奴が居たんだ……さっきの元力士みたいに……。
次の瞬間、な……なんだ……これ……まるで……ひぎいいいいッ‼
目がくらむと同時に……体に痛みと……そして……体の感覚が無くなり、しかも……痺れ……。
「なるほど……貴方は転生者だったのですね。理由が全て判りました。転生者は、いつも病人肌どもに利用される……。そう、百五十年前に現われて、本人は善意のつもりで、この世界を無茶苦茶にした……西郷隆盛という転生者のように……」
え……? どういう……こ……?
「全員、連行して下さい。殺さずに。徹底的に取調べた上で、地下の病人肌どもが、どんな恐ろしい事を企てているか、全て吐かせてから死刑にしましょう」
し……死刑?
「へへへへへ……心配無いからね……ちょっと君の口を軽くする……おまじない……。本当は可愛い女の子にかける方がボク的には……まあいいや……」
そう言いながら僕に近付いてきたのは……この世界風の服装で眼鏡をかけてない以外は……イ○○ト屋の「オタク」のイラストそのまんまの外見の……。
あ……あのサイコ女が変な事を言っていた。
『悪いな……お前の仲間ほど精神操作や洗脳は得意じゃなくてな……』
どん……ずん……どん……ずん……。
その時……何か覚えが有る地響きが……。
「あれ? 今まで何をやって……?」
テンプレ通りのオタクみたいな感じの奴は……そいつに、そう声をかけ……。
「行け、お前の『固有能力』とやらを見せてみろ」
おい、今度は……さっきのサイコ女の声……。
「はい……御主人様……」
地下の下水道から現われた元力士は、全く感情も人間っぽさも感じられない声で、そう答える。
「何かが変ですッ‼」
「大丈夫だよ、ボクの精神操作能力で……止ま……」
ドオンッ‼
テンプレ通りのオタクみたいな感じの奴は……一瞬で、どこかに飛んで行った。
代りに、そこに居たのは……あの元力士……。
そうか……この元力士の固有能力は……高速移動。
相手の精神操作能力が発動する前に、その相手をお空のお星様にしてしまったらしい。
「おい、その大男を下手に攻撃するなよ。お前らが死ぬぞ」
さっきのサイコ女の声。でも、姿は見えない。
「何を言っているんですか? 彼の能力が効かないなら、物理攻撃です」
自称「旅の画家」の手には……筆とパレット。
「なら、攻撃の種類は、良く選べ。警告はしたぞ」
あれ? 何だ……あの元力士が背負っている革袋?
「そうですか?」
自称・画家は馬鹿にしたような口調。
「最後の警告だ。死にたくない奴は、その大男から、なるべく離れろ。さもなくば、お前らのリーダーのせいで、みんな死ぬぞ」
ごおッ‼
またしても、火事場の馬鹿力が発動する予兆。
何かが……マズい。
「女の分際で、大口を叩いた事ッ‼」
自称・画家は絵の具を筆に付け……。
「後悔するがいいッ‼」
自称・画家が固有能力(多分)を発動しようとする隙を付いて……僕は……聖女様とスナガを再び抱え……。
自称・画家が赤い絵の具で、空中に何かを描く。
僕は……走る走る走る走る走る走る……。何も考えずに走るッ‼
振り向くと……自称・画家の絵筆から、元力士に向けて、バカ太い炎の矢が……。
その時、気付いた……。大男が背負っている革袋は、自称・画家からすると……死角になってい……。
閃光。
爆音。
見えない……聞こえない……。
ま……まさか……でも……何で……こんなポリコレ配慮以外はナーロッパにしか思えない世界に……火薬が有るんだッ⁉
やがて……。
「大丈夫ですか?」
「は……はいッ」
聖女様も耳が回復したらしい。
爆風で吹き飛ばされたけど……大きな怪我は……無……。
「御主人様、オラも大丈夫だ」
お前は、どうでもいい。とっとと死ね。
「おい、聞こえてるか? 現実主義者気取りの間抜け野郎。お前にとっての唯一絶対の神のお出ましだ。地面に膝を付き、手を合わせて祈れ。もっとも、この神様の欠点は公平過ぎる事なんで、信じる者も嫌ってる者も平等に扱うがな」
「な……何が、言いたい、この……中二病野郎……」
クソ……あの自称・画家も……生きてた……。
「判らないか、これが……理不尽で残酷な現実って奴だ。そして、ここにはインフィニティー・ストーンも無ければ……トニー・スタークも居ないぞ」
「な……」
「そうだ、お前の言う通り、私は少しばかり中二病でな……一度、言ってみたかったんだ……こんな感じの状況でな。『誰も運命からは逃れられない。運命は、もう、ここに来ている。私こそが逃がれられぬ運命だ』」
ごめん、僕は、あんたからも、あんたが酷い目に遭わせた自称・画家からも逃れたい。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説


中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
恋愛
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる