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取り戻されし古き善き時代
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「門からの『力』の流入量は、この10分間で、少なくとも50%減少しています」
私は、上司に報告した。
「ようやく……元の世界が取り戻されるのか……。私が君ぐらいの年齢だった頃は……当り前だった、あの平和な世界が……」
私が子供の頃……そして、私の上司が若かった頃……現在「門」と呼ばれている「それ」が地球上に出現し……そして、そこから溢れ出る「力」は一部の人々に奇妙な能力を与えた。
瞬く間に世界は一変した。
他人を証拠も残さずに殺せる者。他人に死んだ方がマシな苦痛を与える事が出来る者。どこにでも居る平凡な人間に見えて、一度、暴れ出せば軍や警察の特殊部隊を数十人単位で投入せねば鎮圧出来ないほどの戦闘能力を持つ者。
そんな人々が世界中に現われた……。
誰が化物かも判らない相互不信の時代は20年ほど続き……そして……。
「『力』の流入量は……検出限界未満です……。門は閉じました」
これで……異能力を持つ者達は……何の力もない普通の人間に戻るだろう。
「君が打ち立てた理論のお蔭だよ……。これで……自分の身近な者が、自分をいつでも好きに殺せる化物かも知れない……そんな疑心暗鬼に囚われ続ける時代は終った」
「ありがとうございま……」
だが、次の瞬間、上司の手が私の尻を撫で回し始めた。
「本当にこの時を待っていたよ……。これまでは、こんな事をやるのは命懸けだったが……これからは、そうじゃない。本当に善い時代が戻ってきてくれたよ。おっと、セクハラとして上に報告しようなんて考えたら……君の今後のキャリアは無いモノと思ってくれたまえ」
私は、上司に報告した。
「ようやく……元の世界が取り戻されるのか……。私が君ぐらいの年齢だった頃は……当り前だった、あの平和な世界が……」
私が子供の頃……そして、私の上司が若かった頃……現在「門」と呼ばれている「それ」が地球上に出現し……そして、そこから溢れ出る「力」は一部の人々に奇妙な能力を与えた。
瞬く間に世界は一変した。
他人を証拠も残さずに殺せる者。他人に死んだ方がマシな苦痛を与える事が出来る者。どこにでも居る平凡な人間に見えて、一度、暴れ出せば軍や警察の特殊部隊を数十人単位で投入せねば鎮圧出来ないほどの戦闘能力を持つ者。
そんな人々が世界中に現われた……。
誰が化物かも判らない相互不信の時代は20年ほど続き……そして……。
「『力』の流入量は……検出限界未満です……。門は閉じました」
これで……異能力を持つ者達は……何の力もない普通の人間に戻るだろう。
「君が打ち立てた理論のお蔭だよ……。これで……自分の身近な者が、自分をいつでも好きに殺せる化物かも知れない……そんな疑心暗鬼に囚われ続ける時代は終った」
「ありがとうございま……」
だが、次の瞬間、上司の手が私の尻を撫で回し始めた。
「本当にこの時を待っていたよ……。これまでは、こんな事をやるのは命懸けだったが……これからは、そうじゃない。本当に善い時代が戻ってきてくれたよ。おっと、セクハラとして上に報告しようなんて考えたら……君の今後のキャリアは無いモノと思ってくれたまえ」
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