15 / 59
第二章:未来昔日 ― Days of Future Past ―
(1)
しおりを挟む
結局、あたし達は解放され、勇気の自宅に帰り付いた。何故か、「靖国神社」の「従業員」から奪った銃器をお土産にもらって。
「私達だ」
「次のいちご狩りは?」
「来年の2月」
部屋の中に居た「香港のクソ金持ちの子供」が玄関のドアを開ける。
「正義くん達は?」
荒木田さんは首を横に振った。
「そう……」
「すまん……お前のモバイルPCを使わせてもらえるか? その事で瀾と相談したい事が有る」
「まだ……正義くん達が助かる可能性が有るの?」
「まぁ……何とかな」
「ところで、聞くの忘れてたけど……何で、ここが判ったの?」
「お前が、ここに置いてった鞄」
「えっ?」
「あれに瀾からもらったヌイグルミを入れてただろ……万が一の為に、あの中にGPSを入れてた」
「……ええッ? ちょっと待ってよ……」
「お前のせいで博多で、どんだけの騷ぎが起きたか忘れたのか? その位の用心はするに決ってるだろ」
部屋の中に入ると、「香港のクソ金持ちの子供」は、モバイルPCを鞄から出して立ち上げ、更にビデオ・チャットを起動。
『その顔だと、うまく行かなかったようだな……』
「えっ? こいつが……さっきの電話の相手? どう見ても……中学生……」
勇気が率直かつ喧嘩売ってるようにしか思えない感想を述べる。
たしかに、画面に映っている女の子のは、中学生かまでは不明だけど、少なくとも、あたしより年下っぽい。
『その馬鹿は無視していいか? ともかく、あの後、何が起きた?』
「馬鹿ってなんだよ⁉」
「馬鹿でしょ」
勇気のツッコミに更にツッコミを入れるあたし。
荒木田さんは、これまでの経緯を説明した。今度は、嘘も隠し事も無しで。ただし、「担当弁護士のスタン・ガンさん」は省略。
『その「魔導師」の情報は丸っ切りの嘘とも思えんが……多分、その情報を元に行動すれば、結果として、そいつは、自分の手を汚さずに、利益だけを得る事になるだろうな。「利益」が何かまでは判らんが……』
「だが、手掛かりは……それしか無い。で……私達は、どうやるのが正解だったと思う?」
『すぐに行動した事は正解。でも、考え得る限り巧くやっても合格点ギリギリだっただろう。そもそも、メンバーが……』
『あ~、光さん、どうしたの?』
妙にニヤニヤしながら画面に手を振る荒木田さん。やれやれと云う顔の「香港のクソ金持ちの子供」。
画面の中には、もう1人女の子。先に映ってた方より若干、年齢は高そう。
「いや、ちょっと……面倒事に……」
『暁君が、また、何かやったの?』
「なぁ、その、応援に……」
『治水を、そっちに送れって? すまん、ウチは、今年、初盆で、明日が法事だ。あと、もう1つ』
「何だ?」
『海の真ん中に有る人工の浮島に「水の神」の力を使える奴を送るのか……。治水が何かポカやったら、島ごと沈む』
「じゃあ、そっちの……その……」
『下関と筑豊の「正統日本政府」のシンパに変な動きが有って、使えそうなのは出払ってる……らしい』
「じゃあ、攫われた子供が少年兵として『出荷』されるのも……」
『それと関係が有るかもな……。あと、そっちの港で手荷物検査が有る以上、銃も刃物も無しで、そこそこ戦える人間じゃないと……』
「銃なら有るよ」
あたしは、モバイルPCの画面に映ってる女の子に、「靖国神社」の従業員から奪った銃を見せる。
「これで、ほんの一部」
『なら、心当りを探してみるが……期待はするな。で、話を元に戻そう……。少年兵にされそうな子供は、漁船に偽装した船で「出荷」されると言ったな……。なら、「出荷」日は……明後日……一六日の夜まで延びる可能性が有る』
「どう云う事だ?」
『近隣の海産物の卸売市場は盆の間休みで、一七日から営業。卸し先が営業してないのに、漁船が海に居たら、あからさまに怪しまれる』
「じゃあ……まだ……取り戻すチャンスは有る訳か……」
『ああ。だが、もしやる気なら、その時に、必要なモノが有る。それも、こっちで手配出来なかったら、あと1日2日じゃ入手困難なモノがな……』
「何だ?」
『さっき、当のあんたが言ってたモノだよ。応援だ。あんた達に協力してくれる「そこそこに強いが化物級って程じゃない誰か」だ』
「私達だけじゃ、やっぱり無理か……」
『そうだ。あんた達はゴジラみたいなモノだ。「強い誰か」と戦う事には向いてても、「弱い誰か」を護る事には向いてない。ゴジラには平気でも、人間には致命的な「何か」を見落してしまう危険性が有る』
そうだ……それこそが、この数時間で何度も起きた事だ……。
「なら、方法が有る」
『ちょっと待って、心当りが有るから、今、電話する』
モバイルPCのこっちと向こうで、同時に声。
こっちの声は勇気で……向こうの声は2人目の女の子だった。
『待て‼ 今、誰に電話してる⁉』
『望月君と今村君が、今、「千代田区」の中古電子部品の即売イベントに行ってるでしょ』
「ええっと……あと……こっちには……強化服が1つ有るんだけど……」
『見せてみろ……待て……それ……富士の噴火より前の骨董品だろ‼』
「駄目元で聞くけど……修理する方法なんて……」
『制御コンピュータは生きてるか? あと、3Dプリンタは有るか?』
「えっ?」
『なら、セルフ・チェック・プログラムを走らせて、そのログを送れ。あと、欠けてる装甲がどこか洗い出せ。一〇〇%の性能は望めんし、思いっ切り暴れた後に完全にブッ壊れてる事になる可能性が高いが、それでもいいなら……方法が有るかも知れん』
「そもそも……この……偉そうなチビ……誰なんですか?」
勇気は荒木田さんに聞いた。
「えっと……その……色々とややこしくて……」
「私達だ」
「次のいちご狩りは?」
「来年の2月」
部屋の中に居た「香港のクソ金持ちの子供」が玄関のドアを開ける。
「正義くん達は?」
荒木田さんは首を横に振った。
「そう……」
「すまん……お前のモバイルPCを使わせてもらえるか? その事で瀾と相談したい事が有る」
「まだ……正義くん達が助かる可能性が有るの?」
「まぁ……何とかな」
「ところで、聞くの忘れてたけど……何で、ここが判ったの?」
「お前が、ここに置いてった鞄」
「えっ?」
「あれに瀾からもらったヌイグルミを入れてただろ……万が一の為に、あの中にGPSを入れてた」
「……ええッ? ちょっと待ってよ……」
「お前のせいで博多で、どんだけの騷ぎが起きたか忘れたのか? その位の用心はするに決ってるだろ」
部屋の中に入ると、「香港のクソ金持ちの子供」は、モバイルPCを鞄から出して立ち上げ、更にビデオ・チャットを起動。
『その顔だと、うまく行かなかったようだな……』
「えっ? こいつが……さっきの電話の相手? どう見ても……中学生……」
勇気が率直かつ喧嘩売ってるようにしか思えない感想を述べる。
たしかに、画面に映っている女の子のは、中学生かまでは不明だけど、少なくとも、あたしより年下っぽい。
『その馬鹿は無視していいか? ともかく、あの後、何が起きた?』
「馬鹿ってなんだよ⁉」
「馬鹿でしょ」
勇気のツッコミに更にツッコミを入れるあたし。
荒木田さんは、これまでの経緯を説明した。今度は、嘘も隠し事も無しで。ただし、「担当弁護士のスタン・ガンさん」は省略。
『その「魔導師」の情報は丸っ切りの嘘とも思えんが……多分、その情報を元に行動すれば、結果として、そいつは、自分の手を汚さずに、利益だけを得る事になるだろうな。「利益」が何かまでは判らんが……』
「だが、手掛かりは……それしか無い。で……私達は、どうやるのが正解だったと思う?」
『すぐに行動した事は正解。でも、考え得る限り巧くやっても合格点ギリギリだっただろう。そもそも、メンバーが……』
『あ~、光さん、どうしたの?』
妙にニヤニヤしながら画面に手を振る荒木田さん。やれやれと云う顔の「香港のクソ金持ちの子供」。
画面の中には、もう1人女の子。先に映ってた方より若干、年齢は高そう。
「いや、ちょっと……面倒事に……」
『暁君が、また、何かやったの?』
「なぁ、その、応援に……」
『治水を、そっちに送れって? すまん、ウチは、今年、初盆で、明日が法事だ。あと、もう1つ』
「何だ?」
『海の真ん中に有る人工の浮島に「水の神」の力を使える奴を送るのか……。治水が何かポカやったら、島ごと沈む』
「じゃあ、そっちの……その……」
『下関と筑豊の「正統日本政府」のシンパに変な動きが有って、使えそうなのは出払ってる……らしい』
「じゃあ、攫われた子供が少年兵として『出荷』されるのも……」
『それと関係が有るかもな……。あと、そっちの港で手荷物検査が有る以上、銃も刃物も無しで、そこそこ戦える人間じゃないと……』
「銃なら有るよ」
あたしは、モバイルPCの画面に映ってる女の子に、「靖国神社」の従業員から奪った銃を見せる。
「これで、ほんの一部」
『なら、心当りを探してみるが……期待はするな。で、話を元に戻そう……。少年兵にされそうな子供は、漁船に偽装した船で「出荷」されると言ったな……。なら、「出荷」日は……明後日……一六日の夜まで延びる可能性が有る』
「どう云う事だ?」
『近隣の海産物の卸売市場は盆の間休みで、一七日から営業。卸し先が営業してないのに、漁船が海に居たら、あからさまに怪しまれる』
「じゃあ……まだ……取り戻すチャンスは有る訳か……」
『ああ。だが、もしやる気なら、その時に、必要なモノが有る。それも、こっちで手配出来なかったら、あと1日2日じゃ入手困難なモノがな……』
「何だ?」
『さっき、当のあんたが言ってたモノだよ。応援だ。あんた達に協力してくれる「そこそこに強いが化物級って程じゃない誰か」だ』
「私達だけじゃ、やっぱり無理か……」
『そうだ。あんた達はゴジラみたいなモノだ。「強い誰か」と戦う事には向いてても、「弱い誰か」を護る事には向いてない。ゴジラには平気でも、人間には致命的な「何か」を見落してしまう危険性が有る』
そうだ……それこそが、この数時間で何度も起きた事だ……。
「なら、方法が有る」
『ちょっと待って、心当りが有るから、今、電話する』
モバイルPCのこっちと向こうで、同時に声。
こっちの声は勇気で……向こうの声は2人目の女の子だった。
『待て‼ 今、誰に電話してる⁉』
『望月君と今村君が、今、「千代田区」の中古電子部品の即売イベントに行ってるでしょ』
「ええっと……あと……こっちには……強化服が1つ有るんだけど……」
『見せてみろ……待て……それ……富士の噴火より前の骨董品だろ‼』
「駄目元で聞くけど……修理する方法なんて……」
『制御コンピュータは生きてるか? あと、3Dプリンタは有るか?』
「えっ?」
『なら、セルフ・チェック・プログラムを走らせて、そのログを送れ。あと、欠けてる装甲がどこか洗い出せ。一〇〇%の性能は望めんし、思いっ切り暴れた後に完全にブッ壊れてる事になる可能性が高いが、それでもいいなら……方法が有るかも知れん』
「そもそも……この……偉そうなチビ……誰なんですか?」
勇気は荒木田さんに聞いた。
「えっと……その……色々とややこしくて……」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
Neo Tokyo Site 01:第二部「激突‼ 四大魔法少女+2‼ − Asura : The City of Madness −」
蓮實長治
SF
平行世界の「東京」ではない「東京」で始まる……4人の「魔法少女」と、1人の「魔法を超えた『神の力』の使い手」……そして、もう1人……「『神』と戦う為に作られた『鎧』の着装者」の戦い。
様々な「異能力者」が存在し、10年前に富士山の噴火で日本の首都圏が壊滅した2020年代後半の平行世界。
1930年代の「霧社事件」の際に台湾より持ち出された「ある物」が回り回って、「関東難民」が暮す人工島「Neo Tokyo Site01」の「九段」地区に有る事を突き止めた者達が、「それ」の奪還の為に動き始めるが……。
「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「pixiv」「Novel Days」「GALLERIA」「ノベルアップ+」に同じモノを投稿しています。(pixivとGALLERIAは掲載が後になります)
マスターブルー~完全版~
しんたろう
SF
この作品はエースコンバットシリーズをベースに作った作品です。
お試し小説投稿で人気のあった作品のリメイク版です。
ウスティオ内戦を時代背景に弟はジャーナリストと教育者として、
兄は軍人として、政府軍で父を墜とした黄色の13を追う兄。そしてウスティオ
の内戦を機にウスティオの独立とベルカ侵攻軍とジャーナリストとして、
反政府軍として戦う事を誓う弟。内戦により国境を分けた兄弟の生き方と
空の戦闘機乗り達の人間模様を描く。
【BIO DEFENSE】 ~終わった世界に作られる都市~
こばん
SF
世界は唐突に終わりを告げる。それはある日突然現れて、平和な日常を過ごす人々に襲い掛かった。それは醜悪な様相に異臭を放ちながら、かつての日常に我が物顔で居座った。
人から人に感染し、感染した人はまだ感染していない人に襲い掛かり、恐るべき加速度で被害は広がって行く。
それに対抗する術は、今は無い。
平和な日常があっという間に非日常の世界に変わり、残った人々は集い、四国でいくつかの都市を形成して反攻の糸口と感染のルーツを探る。
しかしそれに対してか感染者も進化して困難な状況に拍車をかけてくる。
さらにそんな状態のなかでも、権益を求め人の足元をすくうため画策する者、理性をなくし欲望のままに動く者、この状況を利用すらして己の利益のみを求めて動く者らが牙をむき出しにしていきパニックは混迷を極める。
普通の高校生であったカナタもパニックに巻き込まれ、都市の一つに避難した。その都市の守備隊に仲間達と共に入り、第十一番隊として活動していく。様々な人と出会い、別れを繰り返しながら、感染者や都市外の略奪者などと戦い、都市同士の思惑に巻き込まれたりしながら日々を過ごしていた。
そして、やがて一つの真実に辿り着く。
それは大きな選択を迫られるものだった。
bio defence
※物語に出て来るすべての人名及び地名などの固有名詞はすべてフィクションです。作者の頭の中だけに存在するものであり、特定の人物や場所に対して何らかの意味合いを持たせたものではありません。
Storm Breakers:第一部「Better Days」
蓮實長治
SF
「いつか、私が『ヒーロー』として1人前になった時、私は滅びに向かう故郷を救い愛する女性を護る為、『ここ』から居なくなるだろう。だが……その日まで、お前の背中は、私が護る」
二〇〇一年に「特異能力者」の存在が明らかになってから、約四十年が過ぎた平行世界。
世界の治安と平和は「正義の味方」達により護られるようになり、そして、その「正義の味方」達も第二世代が主力になり、更に第三世代も生まれつつ有った。
そして、福岡県を中心に活動する「正義の味方」チーム「Storm Breakers」のメンバーに育てられた2人の少女はコンビを組む事になるが……その1人「シルバー・ローニン」には、ある秘密が有った。
その新米ヒーロー達の前に……彼女の「師匠」達の更に親世代が倒した筈の古き時代の亡霊が立ちはだかる。
同じ作者の別の作品と世界設定を共有しています。
「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「pixiv」「Novel Days」「GALLERIA」「ノベルアップ+」に同じモノを投稿しています。(pixivとGALLERIAは掲載が後になります)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第三部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。
一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。
その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。
この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。
そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。
『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。
誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。
SFお仕事ギャグロマン小説。

シーフードミックス
黒はんぺん
SF
ある日あたしはロブスターそっくりの宇宙人と出会いました。出会ったその日にハンバーガーショップで話し込んでしまいました。
以前からあたしに憑依する何者かがいたけれど、それは宇宙人さんとは無関係らしい。でも、その何者かさんはあたしに警告するために、とうとうあたしの内宇宙に乗り込んできたの。
ちょっとびっくりだけど、あたしの内宇宙には天の川銀河やアンドロメダ銀河があります。よかったら見物してってね。
内なる宇宙にもあたしの住むご町内にも、未知の生命体があふれてる。遭遇の日々ですね。
青き戦士と赤き稲妻
蓮實長治
SF
現実と似た歴史を辿りながら、片方は国家と云うシステムが崩れつつ有る世界、もう一方は全体主義的な「世界政府」が地球の約半分を支配する世界。
その2つの平行世界の片方の反体制側が、もう片方から1人の「戦士」を呼び出したのだが……しかし、呼び出された戦士は呼び出した者達の予想と微妙に違っており……。
「なろう」「カクヨム」「pixiv」にも同じものを投稿しています。
同じ作者の「世界を護る者達/第一部:御当地ヒーローはじめました」と同じ世界観の約10年後の話になります。
注:
作中で「検察が警察を監視し、警察に行き過ぎが有れば、これを抑制する。裁判所が検察や警察を監視し、警察・検察にに行き過ぎが有れば、これを抑制する」と云う現実の刑事司法の有り方を否定的に描いていると解釈可能な場面が有りますが、あくまで、「現在の社会で『正しい』とされている仕組み・制度が、その『正しさ』を保証する前提が失なわれ形骸化した状態で存続したなら」と云う描写だと御理解下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる