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第三章 糞蠅/Breathless
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あああああ~ッ‼
くそ、くそ、くそ……。
これだから、「正義は必ず暴走する」「自分の正義を盲信する奴は、どこまでも残酷になれる」とか言われてるんだッ‼
あの「正義の味方」を名乗る暴徒どもは……独り善がりな「正義」に取り憑かれ……世にも恐しい真似をしやがった。
俺を助けるフリをして……あの時、俺が携帯電話を落したのに、何も言わなかったのだ。
ちくしょう……「正義の暴徒」どもによる俺への包囲網はどんどん狭まりつつある。
何とか……しなければ……なんとか……。
「あの~、緒方さん。緒方さんの携帯電話、見付かりましたけど……」
何とかマンションに戻ると、山下がそう言い出した。
「へっ?」
「ここです」
山下は、自分の携帯電話の画面を見せる。
「ちょっと待て、ここって……? よし、今から行くぞ」
「い……いや、待って下さい、もうすぐ夜の一一時っすよ」
「うるさい。行くぞ、車を出せ」
そして、車の運転を快諾してくれた山下と共に、俺の携帯電話のGPSが指し示している場所に向かった。
「あ……あの……何で、あそこで落した緒方さんの携帯電話が、ここに有るんですか?」
「古川のおっちゃんが拾ってくれたんだろ」
「い……いや、どうやって?」
「でも、ここに有るんだろ。それ以外、考えられない」
「でも……」
「だから、古川のおっちゃんに話を聞けば、全て判る筈だ」
「あ……あの……どちら様ですか?」
何故か、俺が落した携帯電話が有るらしい場所……。
それは、市長派の市議会議員の中の長老格である古川のおっちゃんの自宅だった。
だが、当の古川のおっちゃんの家の前で、車から降りた俺達に背後から声をかけた者が居た。
「そっちこそ、先に名乗……ん?」
一瞬、お巡りかと思った。
だが、そいつらの片方が着ている制服は……警察のものに似ているが、ビミョ~に違う。
そして、警官の制服に似てる服を着てる奴以外に、もう1人。
こっちは作業着みたいな服装だ。
「警備会社の者です。詳細は言えませんが、この近辺で、ウチの会社と契約してるお宅で異変が起きた可能性が……」
「異変って何だ?」
「会社の規則により言えません」
「そうか……」
「で、貴方がたこそ、どなたですか?」
「俺は、この久留米市の次期市ちょ……」
「あああああッ‼」
何故か、山下が大声で俺の声を遮る。
「何だ、おい?」
「何なんですか?」
「あ……あの……この市の市長の選挙事務所の者で、この辺りに住んでる市会議員の方に用事が……」
「その市会議員って、古川亮さんでしょうか?」
「へっ?」
「あの……何で、こんな時間に、市長さんの選挙事務所の方が……」
「あ……あの、ウチの事務所の者が、市会議員の古川さんのお宅に携帯電話を忘れてしまって、取りに来たんです……は……はい」
おい、山下、山下のクセに、何、俺に無断で話を進めてる?
「えっと……あの……お宅で異変が起きた可能性が有るお客様は……その……市議会議員の古川さんなんですが……」
くそ、くそ、くそ……。
これだから、「正義は必ず暴走する」「自分の正義を盲信する奴は、どこまでも残酷になれる」とか言われてるんだッ‼
あの「正義の味方」を名乗る暴徒どもは……独り善がりな「正義」に取り憑かれ……世にも恐しい真似をしやがった。
俺を助けるフリをして……あの時、俺が携帯電話を落したのに、何も言わなかったのだ。
ちくしょう……「正義の暴徒」どもによる俺への包囲網はどんどん狭まりつつある。
何とか……しなければ……なんとか……。
「あの~、緒方さん。緒方さんの携帯電話、見付かりましたけど……」
何とかマンションに戻ると、山下がそう言い出した。
「へっ?」
「ここです」
山下は、自分の携帯電話の画面を見せる。
「ちょっと待て、ここって……? よし、今から行くぞ」
「い……いや、待って下さい、もうすぐ夜の一一時っすよ」
「うるさい。行くぞ、車を出せ」
そして、車の運転を快諾してくれた山下と共に、俺の携帯電話のGPSが指し示している場所に向かった。
「あ……あの……何で、あそこで落した緒方さんの携帯電話が、ここに有るんですか?」
「古川のおっちゃんが拾ってくれたんだろ」
「い……いや、どうやって?」
「でも、ここに有るんだろ。それ以外、考えられない」
「でも……」
「だから、古川のおっちゃんに話を聞けば、全て判る筈だ」
「あ……あの……どちら様ですか?」
何故か、俺が落した携帯電話が有るらしい場所……。
それは、市長派の市議会議員の中の長老格である古川のおっちゃんの自宅だった。
だが、当の古川のおっちゃんの家の前で、車から降りた俺達に背後から声をかけた者が居た。
「そっちこそ、先に名乗……ん?」
一瞬、お巡りかと思った。
だが、そいつらの片方が着ている制服は……警察のものに似ているが、ビミョ~に違う。
そして、警官の制服に似てる服を着てる奴以外に、もう1人。
こっちは作業着みたいな服装だ。
「警備会社の者です。詳細は言えませんが、この近辺で、ウチの会社と契約してるお宅で異変が起きた可能性が……」
「異変って何だ?」
「会社の規則により言えません」
「そうか……」
「で、貴方がたこそ、どなたですか?」
「俺は、この久留米市の次期市ちょ……」
「あああああッ‼」
何故か、山下が大声で俺の声を遮る。
「何だ、おい?」
「何なんですか?」
「あ……あの……この市の市長の選挙事務所の者で、この辺りに住んでる市会議員の方に用事が……」
「その市会議員って、古川亮さんでしょうか?」
「へっ?」
「あの……何で、こんな時間に、市長さんの選挙事務所の方が……」
「あ……あの、ウチの事務所の者が、市会議員の古川さんのお宅に携帯電話を忘れてしまって、取りに来たんです……は……はい」
おい、山下、山下のクセに、何、俺に無断で話を進めてる?
「えっと……あの……お宅で異変が起きた可能性が有るお客様は……その……市議会議員の古川さんなんですが……」
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