上 下
2 / 8

Side B:(1)

しおりを挟む
「あのなぁ、あいつの言う事を真に受けて、変な夢を見るんじゃねぇ。この稼業は、そんなに甘くねぇんだ」
 ガルダスさんは愛用の戦斧と槍と弩弓クロスボウの手入れをしながら、弟子入りを願ったボクにそう言った。
「ど……どう言う事ですか?」
「なぁ、あいつの愛用の武器は何だ?」
「えっと……長剣と弓矢です」
「ヤツが使ってる長剣は……文字通りの『諸刃の剣』だよな……。『腕がねぇヤツが使えば、自分が怪我をする』って喩えに使われる代物しろもんだろ?」
「ええ……」
「弓だってそうだ。マトモに使えるようになるまでは、結構な訓練が要る。だから、俺は、若い頃からコレを使ってるんだ」
 そう言って、ガルダスさんは愛用の弩弓クロスボウに視線を向けた。
「弓をちゃんと使える同業が居たとするなら……そいつの前の稼業は……猟師や専門の弓兵か……」
「あとは……辺境の遊牧民……」
「もう1つ有るだろ……。ちゃんとした弓術を身に付けられるような生まれ育ちが……」
「えっ?」
「あいつの……いつもの悪い癖だ……。若い頃……芝居やらを良く観に行ける御身分だったんで、話を作るのも巧いんだよ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

fの幻話

ちゃあき
ファンタジー
令嬢フィオナは悪魔と噂される富豪シノムと結婚する事になった。彼は予想に反して若く優しい男だったが、暮らしはじめた城でアンネースという美しい女性と出会う。 彼女の存在を誰も知らない。彼女は幽霊かも知れない。 それをきっかけにシノムと城に関する過去と秘密が明らかになっていく。 具体的な性描写はありませんが大人のファンタジックな御伽噺のようなお話です。 Δ 異.世.界や心.霊(魔.物・怪.物)ものではなく、SFファンタジー寄りのミステリーになります。おとな向けです。 Δ昔のヨーロッパ風の架空の国が舞台になっています。言語・文化・人物など特定のモデルはありません。歴史上の事実(出来事)へのオマージュや主張、批判などはありません。 タイトルを変更しました(元百年~というお話です) 念のためR15ですが今後も直接的な性描写はありません。

ああ、もういらないのね

志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。 それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。 だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥ たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。

剣豪エルフは弟子がほしい!

水母すい
ファンタジー
 ──拝啓、追放されました。  「剣士は二人もいらない」と、理不尽すぎる理由で冒険者パーティを追放された三流剣士の俺。受け入れてくれるパーティも働き口もなく果てにはギャンブルに手を染めていた俺だったが、あるときエルフの少女(?)に窮地を救われる。  そして、俺を助けた見返りとして彼女はこう言った。 「君、私の弟子になってくれない?」    行く宛てがない元剣士の俺と、ハイスペックで自由人すぎるエルフの彼女。そんな俺たちの奇妙すぎる二人旅は、彼女の暇つぶしから始まった⋯⋯。 *予告無しのタイトル変更あり *毎日更新がんばります

Cheeze Scramble

神山 備
ファンタジー
 あたし神部千鶴は、大阪の電機メーカーに勤める22歳。ヘタの横好きで小説を書いてせっせと賞に応募してたけど、一次にも引っかからへん。で、『残念会』と称して一人カラオケボックスで歌いまくっていたら、床が抜けて……落ちたところは下の階やのうてなんと異世界。帰る方法がわからへんあたしは、そこにいた魔法使いフレン・ギィ・ラ・ロッシュの弟子になるんやけど、いきなりアクシデント発生。魔法が使われへん。それも、魔力はめっちゃあんのに、滑舌が悪いから魔法が使えんて、そんなんアリ!? たまたま持ってた電子メモにしゃべらすことができて、魔法を使えるようになったけど、あれもってへんかったらあたしどうなってたやろ。そんなあたしとフレンの師弟(その内夫婦になるけど)異世界ボケツッコミ漫才譚。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

異世界楽々通販サバイバル

shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。 近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。 そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。 そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。 しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。 「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

巫女と連続殺人と幽霊と魔法@群像のパラグラフ

木木 上入
ファンタジー
超霊媒体質の高校生 自殺したら女の子に転生して異世界を旅した女子高生 オカルト何でも屋の女子高生巫女……。 日常を脅かす連続殺人事件をきっかけに、様々な人物の運命が交錯する! ミステリーのような、ホラーのような。それでいて現代ファンタジーのような、能力者モノのような……そんな作品です。

処理中です...