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第四章:Let There Be Carnage
スカーレット・モンク(10)
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「あの建物の出入口の位置を転送して下さい」
あたしは後方支援チームに連絡。
送られてきたデータを恐竜型の支援ロボットに転送。
「おっし、この位置を狙って焼夷弾を発射」
『了解』
『了解』
恐竜型支援ロボットに装備された擲弾筒から焼夷弾が発射され、放物線を描いて飛んだ後……。
「続いて、あの建物の玄関目指して催涙ガス弾を発射」
『了解』
『了解』
輝が、悪霊や魔物を吹き出し続ける「異界への門」と化した「(脳)改造『魔法使い』」の死体を旧・飯塚警察署に持ち込んだせいで、次々と旧・飯塚警察署から人が逃げ出しているが、逃げ出した連中のある者は焼夷弾の炎で丸焦げ、ある者は催涙ガスで悶絶、そこに更に、悪霊や魔物に取り憑かれて「擬似ゾンビ」化した奴が暴れまくり、ついでに、入口から逃げ出そうとしてる奴を、輝が次々と虐殺。
「いくら何でも、やり過ぎだろ……」
次々と溢れ出す悪霊や魔物が、そして「護国軍鬼」が、できたてホヤホヤの死霊を次々と「食って」いっているらしい。
「あ……まずい……」
人が多い所に「人間を『食う』タイプの悪霊・魔物」を吹き出し続ける「門」を放り込んだせいで、その「門」が、どんどん大きくなっている。
騷ぎを引き起こした輝は、護国軍鬼を着装してるせいで、霊的・魔法的なモノを認識出来なくなってるんで、事態に気付いてないようだが……。
「そろそろ戻れ。「護国軍鬼」を着装してるから大丈夫だと思うが……」
『どうした?』
「あの『魔法使い』の死体に開いてる『異界』への『門』がいよいよ加速度的にデカくなってる。多分だけど、一〇分以内に、この辺り一帯は、常人が護符や防護魔法無しで入ると即死確実の心霊汚染地域になる」
「了解」
「おい、炸裂弾を有りったけブチ撒けて、『シルバー・ローニン』の進路の邪魔になる敵車両を排除」
あたしは恐竜型ロボットに、そう命じた。
『了解』
『了解』
折角用意ていた警察車両や軍用装甲車は、この大混乱の中、完全に役立たずと化していた。
まぁ、多分……。
「カメラ……望遠モード」
あたしは、装甲服「水城」の制御AIに命令。
「ああ、やっぱりか……」
警察のモノらしい人員輸送バスの窓ガラスが真っ赤に染まって……中には、何か暴れ回っているらしい人影がチラホラ。
どうやら、あの中の連中も、輝が撒き散らした魔物や悪霊に取り憑かれたらしい。
やがて、それも恐竜型支援ロボットが放った炸裂弾で粉砕された。
「派手にやったな……」
「ああ……」
爆煙の中から姿を現わした輝の「鎧」とATVは赤黒く染まっていた。
あたしは「魔法」の「焦点具」である錫杖を取り出すと、地面を突く。
そして、二重の結界を張った。
内側の結界は……中に居る人間や霊的・魔法的存在の方向感覚を狂わせるモノ。
外側の結界は……中に居る霊的・魔法的存在から外側の全世界を隠す「逆隠形結界」。
あたしが結界を張り終えるとほぼ同時に……。
『予定変更だ。想定外の事が起きた。すぐにTCAを脱出しろ。ルートはこちらで指示する』
「えっ?」
「どうした?」
後方支援チームから……急な連絡……そして……西の方から盛大な爆炎。
お……おい……あそこは……。
あたしは後方支援チームに連絡。
送られてきたデータを恐竜型の支援ロボットに転送。
「おっし、この位置を狙って焼夷弾を発射」
『了解』
『了解』
恐竜型支援ロボットに装備された擲弾筒から焼夷弾が発射され、放物線を描いて飛んだ後……。
「続いて、あの建物の玄関目指して催涙ガス弾を発射」
『了解』
『了解』
輝が、悪霊や魔物を吹き出し続ける「異界への門」と化した「(脳)改造『魔法使い』」の死体を旧・飯塚警察署に持ち込んだせいで、次々と旧・飯塚警察署から人が逃げ出しているが、逃げ出した連中のある者は焼夷弾の炎で丸焦げ、ある者は催涙ガスで悶絶、そこに更に、悪霊や魔物に取り憑かれて「擬似ゾンビ」化した奴が暴れまくり、ついでに、入口から逃げ出そうとしてる奴を、輝が次々と虐殺。
「いくら何でも、やり過ぎだろ……」
次々と溢れ出す悪霊や魔物が、そして「護国軍鬼」が、できたてホヤホヤの死霊を次々と「食って」いっているらしい。
「あ……まずい……」
人が多い所に「人間を『食う』タイプの悪霊・魔物」を吹き出し続ける「門」を放り込んだせいで、その「門」が、どんどん大きくなっている。
騷ぎを引き起こした輝は、護国軍鬼を着装してるせいで、霊的・魔法的なモノを認識出来なくなってるんで、事態に気付いてないようだが……。
「そろそろ戻れ。「護国軍鬼」を着装してるから大丈夫だと思うが……」
『どうした?』
「あの『魔法使い』の死体に開いてる『異界』への『門』がいよいよ加速度的にデカくなってる。多分だけど、一〇分以内に、この辺り一帯は、常人が護符や防護魔法無しで入ると即死確実の心霊汚染地域になる」
「了解」
「おい、炸裂弾を有りったけブチ撒けて、『シルバー・ローニン』の進路の邪魔になる敵車両を排除」
あたしは恐竜型ロボットに、そう命じた。
『了解』
『了解』
折角用意ていた警察車両や軍用装甲車は、この大混乱の中、完全に役立たずと化していた。
まぁ、多分……。
「カメラ……望遠モード」
あたしは、装甲服「水城」の制御AIに命令。
「ああ、やっぱりか……」
警察のモノらしい人員輸送バスの窓ガラスが真っ赤に染まって……中には、何か暴れ回っているらしい人影がチラホラ。
どうやら、あの中の連中も、輝が撒き散らした魔物や悪霊に取り憑かれたらしい。
やがて、それも恐竜型支援ロボットが放った炸裂弾で粉砕された。
「派手にやったな……」
「ああ……」
爆煙の中から姿を現わした輝の「鎧」とATVは赤黒く染まっていた。
あたしは「魔法」の「焦点具」である錫杖を取り出すと、地面を突く。
そして、二重の結界を張った。
内側の結界は……中に居る人間や霊的・魔法的存在の方向感覚を狂わせるモノ。
外側の結界は……中に居る霊的・魔法的存在から外側の全世界を隠す「逆隠形結界」。
あたしが結界を張り終えるとほぼ同時に……。
『予定変更だ。想定外の事が起きた。すぐにTCAを脱出しろ。ルートはこちらで指示する』
「えっ?」
「どうした?」
後方支援チームから……急な連絡……そして……西の方から盛大な爆炎。
お……おい……あそこは……。
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