Storm Breakers：第一部「Better Days」

第四章：Let There Be Carnage

スカーレット・モンク(9)

　前方には中破した戦車が３つ。
　と言っても防御力が高めの前面に銃撃を受けたので、いくら秒速数㎞の徹甲弾を毎分百発以上とは言え……中破の中でも軽い方だ。
「飛ぶぞ」
「ああ、やるか……」
　２台のＡＴＶ四輪バギーのスイピードを上げ……そして、後部と底部に仕掛けられてるロケット燃料を噴射。
　中破した戦車の乗員達は……何が起きたか理解出来なかったようだ。
　ロケット燃料の残り火が、戦車の上部装甲とたまたま戦車外に出て行た不幸な乗員を焦がす。
　バックミラーには焼けながら戦車から転げ落ちる不幸な誰かが写っていた。
　更に、様子を見に戦車の外に出ようとしたマヌケの顔面が、戦車の上を通る恐竜型支援ロボットの足と激突。
　輝てるのＡＴＶ四輪バギーが、一端、停車。
　後から走って来た支援用ロボットが追い付くのを待って、輝てるはレールガンを装備し、相対的に防御力が弱い戦車の背部装甲を狙って銃撃。
　今度は……燃料タンクを撃ち抜いたようで、派手に引火。
　幸か不幸か、レールガンの銃撃で死ななかった奴が居たようで、炎に包まれながらもがき苦しんでいる。
　ちょっとした地獄絵図だ。
『そろそろ、旧飯塚警察署だ』
「私は正面から突っ込む。他の出入口の辺りに焼夷弾、正面玄関周辺に催涙ガス弾を頼む」
「了解Affirm。徹底的にやる気か……」
「これ位しないと『陽動』にならんだろう」
「デビュー戦でこれだと、瀾師匠みたいに、変な渾名付けられるぞ」
「そうか……なら、敵が聞くだけで戦意を失なうような渾名を考えてくれ」