Storm Breakers：第一部「Better Days」

第四章：Let There Be Carnage

スカーレット・モンク(7)

　何者かがかけていた「呪詛」は解けていた。
「先程の爆弾の発射地点は？」
　輝てるは、冷静に訊いた。
『±一〇ｍぐらいの誤差は有るが……推定出来た。そこから約一二〇ｍの距離』
「『白シロ』『雪ユキ』、その地点に向けて誘導弾を発射。弾種は炸裂弾と焼夷弾を一発づつ」
『了解Affirm』
『了解Affirm』
　２体の恐竜型ロボットより返事。
　そして……。
「何者かが居る気配は……？」
「多分、バックヤード……おおよそ……」
　あたしは、強力な「気」を感じる方向を指差し……。
　レールガンの弾が、電源が落ちてるらしいガラス戸の冷蔵ケースを撃ち抜く。
　外からは爆音。
「何か……変だ……。『魔法使い』の気配は消えたのに……別の危険マズい気配が……」
「探って来る。外で待機していてくれ……」
　輝てるは……バックヤードに入り、私は外に出る。
「お……おい、マジかよ……？」
　あたしが廃コンビニを出たのと、ほぼ、入れ違いで、とんでもない事が起きた。
「オン・アニチ・マリシエイ・ソワカっ‼」
　あたしの呪文と共に、「気」が廃コンビニを取り囲み……そして……。