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第四章:Let There Be Carnage

シルバー・ローニン(5)

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 私が着装している「護国軍鬼」の背中に有る9つの「幽明核カーネル」が不気味なうなり声を上げる。
 3つか4つ有れば4m級の軍用パワーローダー……それも二〇年以上前の、今のモノより遥かにエネルギー効率が悪い代物……でさえ十分に動かせるだけの動力源。
 それらは、無数の死霊を呼び出し、そして、太陽の光に含まれる「霊力」を集め……その両方を「食って」ゆく。
 通常の「魔法」「超能力」と似て非なる……そして、それらを遥かに超えた「神の力」、それを人間の手で唯一再現する事に成功した存在こそ、この「幽明核カーネル」であり、それを動力源とする「対神人間兵」「対神動外殻」だ。
 そう……護国軍鬼の「鬼」には2つの意味が有る。
 中国語の「死者の霊」……つまり、死霊を食らって動く兵器である事を示す。
 もう1つの意味は日本語の「オニ」……つまり、「神に似て非なる神に敵対する邪悪なる神の紛物まがいもの」。
 この規格外の兵は……本来、異能力者の頂点たる「神の力を持つ者」……私の故郷の呼び方では「上霊ルシファー」に対抗する為に生み出された存在だ。
 だが……「ここ」では、いつしか、本来の想定を違う使い方をされるようになり……どうやら「対神人間兵」「対神動外殻」同士の戦いさえ何度も起きているらしい。
 死霊は太陽の光によって焼か浄化され……それに伴なって膨大な「霊力」が発生し……その「霊力」は電力に変換され……。
 レールガンに送られた電力は弾丸を加速……秒速数㎞の弾丸が無数にバラ撒かれ……そして……。
 私はレールガンを横に振る。
 白いバイクに乗って、こちらに向かって来る敵兵は1人残らず、上半身と下半身が分断された。
 だが、それでも、人間の下半身だけを乗せたバイクがこちらに向かって走り……。
 ローターの轟音。
 銃撃音。
 曳光弾の光。
 空からだ。
 空からの銃撃で、主の死体を乗せたまま走るバイクが次々と破壊される。
 だが……味方にはヘリなど……いや……。
 あまりの光景を見た敵ヘリの機銃手が恐慌状態に陥ったのだろう。
 私は、レールガンの銃口を敵ヘリに向け……そして、そのヘリは一瞬にして鉄屑と化した。
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